名港管理組合議会6月定例会(みつなか美由紀議員)「名古屋港内の水面におけるごみ問題」「米軍艦船の入港における核搭載の有無」について(2023年6月9日)

1.名古屋港内の水面におけるごみ問題について

【みつなか議員】通告に従い、2点について質問します。まず、「名古屋港内の水面におけるごみ問題」についてです。海洋ごみ、特にマイクロプラスチックは世界的な大問題となっています。海洋プラスチックごみは世界では年間数百万トン、日本でも年間2~6万トンと言われています。SDGsにおいても、目標14「海の豊かさを守ろう」については、港湾管理者としても責任の一端を担っているものと認識しています。

そこで港営部長にお伺いします。

  • 港湾内の工事等で使用される様々な道具の中のプラスチック製品について、名古屋港管理組合で行う公共工事等では、適切に管理されているものと認識しておりますが、一方、業者による港湾内での工事などで使用する道具について、使用されるプラスチック製品はどのような物があり、プラスチック製品を使用している工事などは年間何件あるか把握されていますか。
  • 市民団体との話し合いの中で、2020年度に工事申請を許可する場合のプラスチック製品の把握について質問があった際、管理組合からは「プラスチック製品を使用する場合、注意を促していきたい」との回答をされています。その後どのような対策がされているのかお答えください。
  • 国は令和元年に「海洋プラスチックごみ対策アクションプラン」を発表しました。その中で、「海洋に流出したごみの回収」の分野での主な対策・取り組みとして「港湾管理者による港湾区域内の浮遊ごみの回収」ということが示されています。名古屋港管理組合としてもこのプランに基づいて海洋ゴミ対策を行っているということでよろしいでしょうか。また、水面のごみの回収がどのように行われ、どのような種類のごみがどれだけあったのか。その処分はどのように行われているかお答えください。
  • 川から流れついてくるごみについては、名古屋港だけの問題ではありません。ごみを減らす対策としてどのような啓発活動に取り組まれているのかお答えください。

【港営部長】まず、1点目の「港湾内の業者による工事等で使用するプラスチック製品」についてでございます。港湾内の業者による工事等で使用されるプラスチック製品の主なものとしましては、浮標や緩衝材等がございます。海上において工事等の作業を行う際、業者に対して提出を求めている許可申請書において、浮標や緩衝材等の使用の有無を把握しており、令和4年度に申請のあった219件のうち、プラスチック製品が使用されていた件数は92件、全体の約42%でございました。

 次に、2点目の「プラスチック製品使用時の注意喚起」についてでございます。業者に対し港湾内の工事等の申請を許可する際に、プラスチック製品の流出防止について、文書で注意喚起するとともに、仮に流出させたときには、遅滞なく本組合に報告し指示を受けることを条件としており、速やかに回収させることとなっております。なお、申請書に同条件を加えた令和3年度以降においては、業者からプラスチック製品の流出についての報告は受けておりません。

 次に、3点目の「水面におけるごみの回収方法等」についてでございます。海洋プラスチックごみ対策アクションプランでは、港湾管理者が港湾区域内の浮遊ごみの回収に取り組むこととされていますが、従前から本組合は港湾管理者の業務として、港湾区域内の水面清掃を適切に行っております。具体的には、公益社団法人名古屋清港会が名古屋港や堀川、中川運河などを対象に、ほぼ毎日船舶による巡回清掃を行っております。名古屋清港会は、本組合を始め、愛知県や名古屋港の所在市村からの補助金、負担金及び名古屋港に関係する企業約300社の会費により運営されており、令和4年度に回収した主なごみとしましては、流木は32,610kg、廃プラスチック類等は2,680kg、廃タイヤ84本、家電製品は10台を回収しております。また、これらの処分方法につきましては、まずはごみを可燃ごみと不燃ごみに分別のうえ、可燃ごみは、名古屋市の焼却工場にて処分しており、不燃ごみについては、産業廃棄物処理業者等に依頼し、適正に処理しております。

 次に、4点目の「ごみを減らす啓発活動」についてでございます。名古屋港では、毎年秋に実施している河川大清掃を始め、「環境デーなごや」や名古屋港水族館で開催している「エコ・アクアリウム」など、さまざまな機会を通じて、清掃活動の紹介や港、河川の汚染防止の呼びかけなど、海洋ごみに対する意識の高揚を図るための取組に努めております。

2.米軍艦船の入港における核搭載の有無について

【みつなか議員】次に、「米軍艦船の入港における核搭載の有無」についてです。米軍艦船が入港する際の核搭載、これは絶対にあってはならないとの認識は当然されていると思いますが、その確認についてです。日本は「非核3原則」の通り、核を持たない、作らない、持ち込ませないということを掲げています。これの徹底が非常に重要と考えます。しかし、アメリカの認識とは違いがあり、アメリカは「持ち込み」というのは実際に荷下ろしし、貯蔵するということととらえているようです。日本は違います。核を荷下ろししなくても、搭載された米軍艦船が入港したという時点で「核の持ち込み」にあたると認識しています。北海道の小樽港では、入港の連絡があった際には、在札幌米国総領事館に文書で照会し、文書で返事をもらっています。神戸港では管理者として、核兵器を積載していないという証明書を提出しない米軍艦船の入港は拒否しています。1974年に、ジーン・ラロック元米海軍提督がアメリカの議会で「日本の港に寄港する米軍艦隊は、積載している核兵器をいちいちおろさない」と証言したことがあり、日本は「核兵器を持ち込ませない」という非核三原則を国是としていましたので、日本中が大騒動になったことがありました。非核3原則を国是としていても、核搭載の米軍艦船が入港したという経緯から、いわゆる「神戸方式」が実現したものです。名古屋港管理組合としても、少なくとも小樽港方式、入港の連絡があった際には、米国総領事館に文書で照会し、文書で返事をもらう、ということなら実務的には出来ないことではないと考えます。

 そこで港営部長にお伺いします。名古屋港の過去10年間の米軍艦船の入港実績を教えてください。港湾管理者として米軍艦船の入港において、核搭載がないということを確認されないのか。お答えください。

【港営部長】まず、1点目の「過去10年間の米軍艦船の入港実績」についてでございます。名古屋港の過去10年間における米軍艦船の入港実績は、5隻でございます。なお、平成29年度以降は入港しておりません。

 次に、2点目の「米軍艦船の入港における核搭載の有無の確認」についてでございます。非核三原則は日本の国是であり、米軍艦船の寄港の通知があった場合には、核兵器の搭載は無いことを既に確認されているものと理解しております。

3,産業廃棄物処理の状況の把握について

【みつなか議員】「名古屋港内の水面におけるごみ問題」について、再質問いたします。 不燃ごみについて名古屋清港会が産廃業者に依頼して処理しているということですが、残念ながら、産廃業者による不法投棄のニュースがあとを絶ちません。依頼している産廃業者がきちんと適切に処理していることを、清港会がどのように確認し、名古屋港管理組合としてもどのように把握されていますか。港営部長に答弁を求めます。

【港営部長】再質問の「産業廃棄物処理の確認方法及び本組合の把握」についてお答えいたします。産業廃棄物処理の確認方法につきましては、名古屋清港会が、処理業者から提出される産業廃棄物管理票によって確認しており、本組合は名古屋清港会からの毎月の事業報告により、適正に処理されていることを把握しております。

【みつなか議員】ゴミ削減のための啓発活動でありますが、川に捨てられたごみについては、名古屋港だけの問題ではありませんし、名古屋市で出たごみだけでもないと思われます。さらに広い地域の自治体とも協力していくなど、幅広い活動を期待します。ごみの回収処分作業については、適切に行われているということでありました。引き続き、確実にそれらが行われていることを把握することに努めていただきたいと思います。

 米軍艦船の入港については、小樽港のように米国総領事館に照会をするということだけでも、一つハードルを作れば、一定阻止する力にはなります。過去5年間は米軍艦船の入港はないということですが、いつあるかわかりません。入港がない今のうちに、名古屋港管理組合として確認するルールをぜひ考えていただくことを要望して終わります。

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