後期高齢者医療広域連合議会 2022年2月定例会 議案質疑(さいとう愛子議員・2022年2月14日)

加入者増で職員不足が生まれている中で便宜的に採用する会計年度職員の給与を削減するのは処遇改善に逆行する

さいとう愛子議員

昨年度から会計年度任用職員の雇用を始めた理由はなにか
【さいとう議員】職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の制定について、質問します。この条例は、昨年8月10日に行われた人事院勧告を踏まえ、来年度2022年度以降における会計年度任用職員に支給する期末手当の率を改めるための提案です。
 広域連合は、各市町村から派遣されている常勤職員で業務を行っていましたが、2021年度に初めて会計年度任用職員を雇用しました。その経過と、雇用された人数、勤務時間、業務内容などについてお聞きします。

今年度から一般事務、保健師各1名の2名を採用。週30時間の短時間勤務
【総務課長】被保険者の増加等による慢性的な業務量の増大や、保健事業の充実に対応するため、2021年度から新たに会計年度任用職員を採用することとした。具体的には、一般事務1名及び保健師1名の計2名を採用し、勤務時間はいずれも週30時間の短時間勤務。業務内容は、一般事務においては給付事務、保健師においては保健事業の事務に従事しています。

期末手当はいくらの減額になるのか
【さいとう議員】今回の条例改正によって期末手当はいくら減額となるのか。

年額で一般事務29,685円、保健師34,230円の減になる
【総務課長】2022年度予算では、年間の減額は一般事務で29,685円、保健師で34,230円です。

被保険者が1.5倍になったので職員を増やすべき。もともと低い給与をさらに下げるのか(再質問)
【さいとう議員】2008年に後期高齢者医療制度が始まり、設立当初の被保険者は、63万8,599人でしたが、2021年12月現在99万7,865人と、約36万人増え、1.5倍になりました。しかし、14年間自治体から派遣される職員の数は変わらないままであったので、業務が増大していることはわかります。本来なら正規職員を増やして対応する業務であるのに、各市町から派遣される人員増は見込めない中で、短時間の会計年度任用職員におきかえたものと考えます。
 会計年度任用職員は、週30時間の短時間勤務であり、給与は、条例で決められている行政職・医療職の最高額の年収と仮定して計算しても、290万円、330万円という、もともと低い給与に設定されています。その上、今回の改正を行えば、約3万円も減額することになってしまいます。
 そこで、再質問します。広域連合で雇用されている会計年度任用職員の手当は、どのように決められるのですか、人事院勧告通りとしなければならないのですか。国の人事院の勧告と 愛知県の人事委員会の勧告が違う場合がありましたが、どのようにするのですか。

均衡の原則に基づき、職員は国や他の自治体の給与等を考慮して定める。会計年度職員は権衛を踏まえて職員にあわせる
事務局長】広域連合の職員の給与は、地方公務員法に規定する均衡の原則に基づき、国及び他の地方公共団体の職員の給与等を考慮して定めることとされ、人事院勧告に基づき国家公務員の期末手当の支給割合が引き下げられたことを踏まえ、広域連合の正規職員の期末手当の支給割合を引き下げる。
 会計年度任用職員の期末手当の支給額は、常勤職員との権衡等を踏まえて定めることが適当であるとされ、広域連合では、会計年度任用職員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例において、職員の給与条例の規定を準用する旨の規定を設けている。
 したがって、会計年度任用職員の期末手当も同様の改正が行われ、常勤職員との権衡等が図られる。

正規職員を増員すべきところを低い給与の会計年度任用職員を採用しておいて給与を減額することは納得できない(意見)
【さいとう議員】他の自治体職員の給与等を「考慮して定める」とし、常勤職員との「権衡等を踏まえて定めることが適当」といわれましたが、「権衡」とは、「はかりのおもりとさお。つりあい」の意味です。会計年度任用職員の給与改定について、国と愛知県の給与勧告は、民間の給与実態を調査して決めるので違った場合は、「権衡」を失わないよう「考慮」する余地があると受け止めました。例えば、2019年、月例給ですが、国は0.09、県は0.13の勧告率でした。
 本来なら、自治体からの正規職員の増員が行われるべき職務を短時間勤務で低い給与設定の会計年度任用職員給与の減額改定であることを考えると、今回の改定は、職員のモチベーションが下がり、労働意欲をそぐものと考え納得できません。

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