名古屋港管理組合議会

名港管理組合2021年11月議会 江上博之議員の一般質問  女性職員の管理職への登用推進 (2021年11月4日)

女性職員が20%なのに女性管理職は2人=2.6%の名古屋港管理組合でいいのか。女性が能力を発揮できる働きやすい職場づくりを  江上博之議員

働きやすい職場、能力が発揮できる職場は、男女を問わず必要
【江上議員】男女共同参画が言われ、ジェンダー平等が言われている中で、名古屋港管理組合の女性職員の管理職への登用の実態はどうなのか、注目しました。
 誰もが互いの人権を尊重しつつ、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮できる職場が求められています。そのことで、政策決定に多くの女性職員が参画し、本組合行政に多様な視点が反映されることによって、結果として、住民や利用者のニーズにより的確に対応した港湾行政の実現につながります。
 また、少子高齢化や人口減少社会に対応した職場が求められています。少子化は、結婚したくても、経済的余裕がなく結婚できない、結婚しても子育てに費用が大変、あるいは子育てしながら働き続けるには労働条件が大変、という理由が大きな要因と言われています。それだけに、子育てしやすい勤務・労働条件が求められており、働きやすい職場、能力が発揮できる職場は、男女を問わず必要です。
 誰もが互いの人権を尊重し、個性と能力の発揮できるようになることを願い、総務部長に質問します。

管理職に占める女性の割合は職員比20.6%程度にすべきでは
【江上議員】女性職員の管理職への登用の現状について質問します。管理組合の正規職員数は本年4月現在622人、そのうち女性は128人の20.6%です。一方、課長級以上の管理職は76人、そのうち女性は2人で2.6%です。この数字は職員比率から見て大変低いのではないかと思います。少なくとも正規職員中の女性比率である20.6%を目指すべきではないかと思います。その姿勢をお持ちでしょうか。
 また、その目標の実現はいつ頃をお考えでしょうか。お答えください。

女性活躍・子育て支援プログラムでの目標値5%の根拠は
【江上議員】管理組合は2016年10月に第1期女性職員の活躍推進プログラムを策定し、2015年には課長級以上の管理職ゼロを2020年度に2%にする目標値を掲げていました。2人で2.6%ですから管理組合としては目標値を達したことになります。しかし、そもそも低すぎるのではないでしょうか。現プログラムでは、2025年度当初に5%の目標ですから現職員数を前提とすると4人となります。この目標値を決めたのはどのような根拠に基づくのでしょうか。

2020年の現状(1.4%)を踏まえ、2025年に5%とした(部長)
【総務部長】政策決定に多くの女性職員が参画し、男女双方の視点が反映されることで、港湾利用者や地域のニーズにより的確に対応した行政の実現に繋がると考えている。
 役職者への昇任は、年齢、性別などに関わらず、意欲ある職員に平等に昇任の機会を与えることを目的に係長昇任試験を実施し、更に管理職への登用は、性別を問わず、課長補佐級及び係長級職員として、様々な関係者と調整し事業を進めた経験や、総括的な役割を果たした経験などを考慮して行っている。
 2021年3月策定の「女性活躍・子育て支援プログラム」では2025年4月の管理職に占める女性の割合の目標値を2020年4月の現状1.4%を踏まえ5%とした。

女性が働き続けられ、子育てしやすい職場づくりへどんな取組をしたのか、今後どうするのか
【江上議員】女性が働き続けられる職場づくり、特に、子育てしやすい職場づくりが管理職に女性を登用するには必要な施策ですし、女性にとどまらず、男性にとっても必要な施策です。そのためには、賃金や労働時間の改善、産休、育児休業、職場復帰にあたっての改善など必要です。このような改善について今まで行ってきたこと、これから行おうとしていることは何かお示しください。

定時退庁日やキャリア相談窓口、研修などを実施、今後も育児休業中の職員へ支援し超過勤務命令への上司の注意喚起なども行う(部長)
【総務部長】女性職員が働きやすい環境づくりのため、職場における支援体制整備の推進、長時間勤務の抑制、年次休暇等取得促進などを行っていく必要がある。
 これまで、定時退庁日の設定、直属の上司等とは異なる職員からの助言により職員のキャリア形成を支援するためのキャリア相談窓口の設置、女性職員がキャリアアップを目指すための能力開発を支援する研修の実施、育児や介護などの様々な個人の状況に応じ年働き方を可能とするテレワークや早出遅出勤務の実施、若手職員向けの階層別研修において係長昇任試験の意識啓発を行うなど様々な取組を行ってきた。
 今後は、育児休業から復帰予定の職員に対して、仕事と子育ての両立に関する情報提供を行う研修を実施するなど育児休業中の職員の負担を和らげ、不安を感じることのないよう職員への支援、また、一定の時間数を超える超過勤務命令について上司に注意喚起を行うことで、働き方の見直し等に向けた意識啓発を行うなど女性が働き続けられ、子育てしやすい職場づくりに努める。

女性活躍・子育て支援プログラム策定の考え方が古臭い
【江上議員】今年3月に「女性活躍・子育て支援プログラム」を策定しています。策定の考え方で、「急速な少子高齢化の進展による将来の労働力不足や社会経済情勢の変化に対応していくために、性別にかかわらず、その個性と能力を十分に発揮することができる社会及び、次代の社会を担う子どもたちが健やかに生まれ、かつ、育成される社会の実現が求められています。」とあります。
 労働力不足や社会経済情勢の変化に対応する目的のために女性の活躍が必要だと読めるのです。一人ひとりの人権を尊重し、個性と能力を発揮できるようにすることが目的ではないでしょうか。職員の個性と能力を発揮できるようにするために女性職員の管理職への登用推進が必要だと思います。プログラムの策定の考え方にはその点がわかりにくいのですが、なぜ、このような策定の考え方となったのか説明を求めます。

法に基づいて女性がその個性と能力を十分に発揮できることを目的とした法律の趣旨を踏まえて策定(部長)
【総務部長】同プログラムは、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」に基づき策定している。プログラムの取組に当たっては法律の趣旨を踏まえ、女性職員が幅広い職務分野や役職において、多種多様な職務経験を積むことなどで、更なる意欲向上や能力開発につなげられるよう取り組むこととしている。

管理職に占める女性割合の10年20年後を見据えた目標は(再質問)
【江上議員】女性が個性を生かし、能力を発揮して活躍できる職場は、男性も含めて働きやすい職場だと思います。そのことによって、港湾利用者や地域住民のニーズにこたえた港湾行政につながることを認められました。
 その女性職員の管理職への登用について、2020年4月の現状1.4%を踏まえ、5年後の2025年4月段階で5%にする目標という回答でした。現在の職員の女性割合20.6%は必要でないか、という質問には直接回答がありませんでした。
 管理職を養成するには様々な条件が求められていると思います。しかし、女性の登用が強く求められている今、今後の目標を明らかにすることが、様々な条件を克服することにもなるはずです。
 そこで再質問します。これから10年後、20年後を見据えて目標数字を明らかにする必要があります。少なくとも女性職員の全職員の中での割合に沿って管理職への女性登用を推進する決意をお持ちか質問します。そして、その目標をいつごろまでに実現したいと考えているのかお答えください。

現行プログラムを実施し、今後の策定で新たな目標を立てる(部長)
【総務部長】女性職員の管理職への登用推進は、現在の「女性活躍・子育て支援プログラム」における取組を着実に実行する。
 次回以降のプログラムの策定においても、取組の実現状況を踏まえた上で更なる目標値を設定し、目標達成に向けた取組を継続することで管理職に占める女性の割合を計画的に高めていけるよう努めます。

目標値や目標達成時期を明確に示すことが重要(意見)
【江上議員】「管理職に占める女性の割合を計画的に高めていけるよう努め」ると回答が出ました。女性登用の割合を高める決意をお持ちということはわかりましたが、いつまでにという期限は明らかになりませんでした。
 期限を明らかにすることによって目標を明確にできると思います。女性の管理職登用を高めるというのは、単に、女性比率を高めるということだけでなく、性別を問わず、働く皆さんの個性、能力を生かし、意欲を持って働ける職場を作ることになります。その結果が港湾の利用者や地域住民の皆さんのニーズに対応した港湾行政になると思います。その目標値、目標時期を明確にするということが重要であることを改めて指摘しておきます。
 人員削減や専門職の削減を求めてくる国の動向に対し、港湾行政の将来を見据えて対応することを求め質問を終わります。

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