2021年9月議会

江上博之議員の議案質疑:中小企業支援には、ワクチン接種とPCR検査をセットにした対策も併せて実施することが感染拡大防止対策に大きな効果 (2021年9月29日)

追加の補正予算:中小企業新型コロナウイルスワクチン接種促進事業について  江上博之 議員

接種推進にはワクチンの効果などが経済効果につながるという啓発が必要だ
【江上議員】コロナ危機が続き、愛知県には緊急事態宣言が発令され、特に職場・事業所から家庭へ、そして保育園や学校などへ感染が広がり、また家庭へと広がっています。今回の事業は、従業員等に対し接種しやすい環境の整備を進めた中小企業者に給付金を支払い、ワクチン接種を推進しようとするものです。経済活動の維持・回復のためには、なによりコロナを抑え込んで、命を守ることです。今回の事業は大変意義があることだと思います。その内容と、目的のために必要な点について、以下質問していきます。
 感染力が非常に強く、ワクチン2回接種者でも感染してしまうデルタ株が主流になる下、ワクチン接種を中小企業、小規模企業でおこなうことはもちろん大切です。市内に本店があり、市内に事業所がある企業約7万社が対象としています。そのうち約5万社が従業員数5人以下で、うち、約2万2千社は従業員ゼロの事業所です。ワクチン接種のために時間を取られ、接種の副作用による影響もあります。それでもワクチン接種を推進するために少しでも多くの事業所に参加していただく必要があります。
 特に、小規模事業者に接種を推進していくために、ワクチンの効果や必要性が経済効果につながるということを知らせる努力が必要です。どのような施策で推進する考えでしょうか。

広報なごややWEBサイトなどへ掲載し、経済団体などにも橋梁を依頼する(局長)
【経済局長】これまでの酒類・カラオケの提供制限や営業時間短縮並びに集客人数の制限という人流を抑制する対策だけでは、事業者とりわけ中小企業者の経済活動の維持、回復には困難なものと認識している。
 経済局も、中小企業者に雇用されている従業員のワクチン接種推進に積極的に対応していただきたいので、今回の接種促進事業やワクチン接種に対する国の考え方等の情報が容易に手元に届くよう、広報なごや、公式ウェブサイト、公式LINEに掲載し、各経済団体や本市の制度融資取扱金融機関等にも協力を依頼し、周知に努める。

わかりやすい周知を(意見)
【江上議員】一人で事業している方にもわかりやすい周知に努めてください。

なぜ、PCR検査をセットで行うことを提案しなかったのか
【江上議員】ワクチン接種だけではコロナ感染症を抑え込むことができないのも明らかになっています。ワクチンによる集団免疫は秋口から冬にできるといわれてきましたが、ワクチン不足や人口比7割の接種率がデルタ株によって9割の接種率が必要と言われ、集団免疫の時期はさらに遅れる可能性があります。加えて、2回接種後も感染することも明らかです。
 集団免疫ができるまでの間どうするか。感染伝播を断つためにPCR検査など大規模に行って、無症状の感染者を見つけ出して感染経路を断つことも重要です。ワクチンと大規模検査を並行してセットで行うことです。ただ、PCR検査を行って無症状の従業員が感染者や濃厚接触者となると最大で14日間職場で仕事ができなくなる可能性があり、事業者が検査を避ける可能性もあります。その点の対策が求められますが、何より感染経路を断つことが一番です。
 コロナを抑え込み、経済活動の維持・回復のためには、ワクチン接種とPCR検査などをセットで行うことが効果的です。
 今回の補正の財源は、地方創生臨時交付金です。その使い方として、今回の条件は事業者支援になっているかどうかのようです。であるならば、従業員でコロナ感染に無症状の方にPCR検査を自主的に行う事業者に対して、検査費用を全額補助することに使うことも可能です。効果からも財源からも、なぜ、PCR検査をセットで行うことを提案しなかったのか。その理由をお答えください。

若者などのワクチン接種が充分でないとの判断から接種しやすい環境に(局長)
【経済局長】国では、9月3日の新型コロナウイルス感染症対策分科会から「必要な感染対策を講じながら、可能な限り制約のない日常生活に徐々に戻していくためには、科学技術の一環としてワクチンと検査を組み合わせた『ワクチン・検査パッケージ』を活用することも重要になる」との提案がされ、9月9日の同対策本部において「ワクチン・検査パッケージを含め、必要な技術実証に取り組む」考えが表明されている。
 一方、『ワケチン・検査パッケージ』を活用した総合的な取り組みを導入する時期は、
「ほとんどの希望者にワクチンが行き渡ることが鍵」とも示されている。
 現時点で、本市のワクチン接種状況をみますと、若者を中心としてワクチン接種が行き渡っている状況ではないとの判断から、ワクチン接種をしやすい環境整備を給付金の支給要件とした。

市全体でのコロナ対策の中で位置づけられているのか(再質問)
【江上議員】従業員の対象となる20代30代の方の名古屋市内のワクチン2回目接種率は30%台前半です。ワクチン接種を推進する意義は十分にあります。それだけに、感染拡大防止の効果となる集団免疫を取得するのはますます時間がかかります。やはり、ワクチンとPCRなどの検査とセットで行っていかないと感染収束に結びつかないわけです。
 コロナ対策は科学的知見を踏まえ、市政全体を視野に入れて個別の判断をする必要があります。
 そこで質問します。今回の提案は、新型コロナウイルス感染症対策本部など市全体でのコロナ対策の中で位置づけられているのでしょうか。

健康福祉局をはじめとして関係各局に対して経済局より照会、調整を行った
【経済局長】一般論として、新たな施策を実施する場合、必要に応じて関係する各局・室に対し、照会、相談、並びに調整をすることで施策の重複や無駄をはぶき、施策の有効性を高めることを経常的に行っている。今回も、予算案の検討にあたり、健康福祉局をはじめ関係各局に経済局から照会、調整を行っている。

市民の生活と命を守るという立場でしっかりやってください(意見)
 【江上議員】国の動向を見るだけではだめです。市民の生活と命を守るという立場でしっかりやってもらいたい。

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