藤井ひろき議員の議案に対する反対討論(2017年7月4日)

名古屋城のあり方そのものから見直し、市民の声をじっくり聞き心を込めた論議を

            藤井ひろき議員

 日本共産党名古屋市会議員団を代表して、名古屋城天守閣積立基金条例の制定、及び名古屋城天守閣特別会計補正予算に反対の立場から討論を行います。

市民合意のないまま寄付を先行
 反対する理由は、第一に市民合意がないなか、木造復元ありきで寄附金を募ることは問題だからです。
 4月の市長選挙におけるマスコミの世論調査でも、2022年完成の天守閣木造復元案に対し、6割から7割の市民が賛同していません。

税金投入の危険性が大きい
 第二に、収支計画において依然として税金投入の恐れがあるからです。
 名古屋城天守閣木造復元に向けた調査では、木造復元した場合の入場者見込み及び民間活力の導入等の調査を行いますが、入場者見込み数が、現在の収支計画にある復元後50年間近く、年間平均366万人を下回っても、「民間活力の導入策」で入場者数を確保するというだけで、税金投入を行わないという根拠にはなりません。

ムリな日程が石垣保存に影響
 第三に上物である天守閣の木造復元を急ぐあまり、石垣保存を軽んじることは認められないからです。
 505億円もの巨費を注いで、2022年12月までの短期間で巨大事業を行う、この計画自体に無理があり、文化財である「本物」の石垣について、調査の必要性、保存方法などについて、有識者会議で論議を呼んでいます。

市民の声をじっくり聴け
 天守閣木造復元を急ぐのではなく、耐震化も含めて木造復元構想を見直し、名古屋城のあり方について、多くの市民から意見を聞く場を設け、じっくりと心をこめた論議をしていくことを求めて、討論を終わります。

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