2017年2月定例会

青木ともこ議員の個人質問①リニア計画について(3月8日)

リニア計画の実態と本市の責任ついて

青木ともこ議員

沿線住民からの要望への対応は。JR東海は、出来町通の環境影響の調査を済ませたのか
【青木議員】JR東海が2027年名古屋開通をめざすリニア計画は、昨年6月に中区三の丸の名城非常口工事、今年1月にはリニア名古屋駅建設の準備工事が着手されました。名城非常口工事は、こちらのパネルとお手元の図にお示ししたように、愛知県警本部東側の公園跡地に、直径40m深さ90mの縦穴を掘るもので、JR東海によれば非常口の建設にともなう建設残土の量は約10万㎥。10トントラックにして約1万7千台分です。 この残土運搬について、JR東海が示した工事車両のルートは、出来町通、大津通、国道22号線、41号線と、どれも市内指折りの幹線道路で、これらのルートは2014年10月にリニアが国の工事認可を受けた当初の計画より、走行範囲は拡大されています。この非常口工事が終わると、次に始まるのがリニア本体のトンネル工事です。今度はおよそ120万㎥の建設残土がこの非常口用の縦穴から運び出され、その量は東京ドーム約1杯分に相当します。リニアの非常口工事とトンネル工事、その膨大な建設残土の持ちこみ先はいまだ決まっておりません。
 2027年リニア開通までの10年余り、この一帯は名城非常口近辺だけでなく、ルートに示したように、広い範囲に渡って残土運搬のトラックがひっきりなしに往来する事になり、近隣の名城病院や名古屋医療センター、そして沿線住民の生活環境に相当な影響が及ぶことは避けられません。
 JR東海は昨年6月、名城非常口工事の住民説明会を3回実施しました。初日は約80名の市民がつめかけ、次つぎ質問の手があがりました。東区の町内役員を務める方からは「清水口から出来町通は普段から大渋滞で、騒音、震動、排気ガス問題で大変だ。地元調査や住民の聞き取りがまったくやられていない」続いて中区町内の方からも「地元が受ける工事の影響は10年余り。ダンプが集中するとこの周辺の道路はみんなからんでくる。学校も近いし、現場を本当に把握しているのか心配だ」また、周辺の環境悪化については「工事車両のルートにも振動計と騒音計、排気ガスの測定器を24時間設置してほしい」と要望があがりました。これらの質問や要望に対し、JR東海の回答はたびたびかみあわず、答えに窮する場面が目立ちました。対応について「検討する」と繰り返すJR東海に対し、「住民が困っているのだから、検討するではダメだ。ここではっきりしてもらいたい」と詰め寄られる場面も相次ぎ、またJR東海が回答に手間取りながら「もう時間がないから」と質問を切り上げようとするので、住民からは「端的に答えないから時間がなくなる」と厳しい指摘が返ってきました。このような状態の住民説明会でしたが、JR東海は「市民の理解を得られた」として、説明会の翌日に非常口の工事に着手しました。本市はリニア工事について「民間事業なので名古屋市が工事の進捗に関わる立場ではない」としていますが、そこで環境局長におたずねします。今後10年に渡ってリニア工事の影響を受ける、中区、東区など沿線住民から強い不安の声が上がっています。JR東海に対しては、工事車両ルートでも環境モニタリングを行うことや、あらためて地元調査や住民への聞き取りをするようにと強い要望がありましたが、その後、環境局としては、どのように対応されたのでしょうか。そもそも、出来町通は、2014年の工事認可を受けた時点では、工事車両ルートに含まれていませんでした。JR東海は、出来町通の環境影響について、調査を済ませたのでしょうか。環境局長におたずねします。

JR東海の当初の環境影響評価書には出来町通はなかったが、走行ルートとして追加。JRには丁寧な説明を行うことを申し入れた(局長)
【環境局長】JR東海の環境影響評価書では、出来町通(市役所から東の区間)を走行ルートとして示していません。その後、名城非常口の工事計画が具体化し、その説明会で新たに走行ルートとして使用することが示された。市として、JR東海に対し、建設発生土の運搬車両が走行を始める前に騒音、振動の影響を検討し、必要な環境保全措置を講じるとともに、住民に丁寧な説明を行うことを申し入れた。今後、出来町通の走行にかかる環境影響等についてJR東海から報告を受け次第、その内容を確認し、より環境に配慮された事業となるようJR東海に働きかけます。

「後追い調査」で良しとしているJR東海にお任せというのは問題。市長は地元町内会に聞いたのか(再質問)
【青木議員】環境局長のお答えは、当初予定されていなかった出来町通については、建設残土運搬が始まる前にJR東海が環境影響調査をするとの事ですが、これには驚きました。しかも、事業者の報告待ちだということです。環境局に調査内容を厳しくチェックしてもらうのは当然ですが、このような「後追い調査」で良しとしているJR東海にお任せというのはやはり問題だと言わざるをえません。
 そこで市長におたずねします。昨年8月、リニアの環境問題に関わる市民交渉の場で、名城非常口工事の問題が指摘され、市長は「出来町通はわしんとこだもんで、いっぺん聞いてみるわ。町内会長とか何人かおるで」とおっっしゃいました。その後市長は、どのように対応されたのですか。

JR東海には丁寧にやってもらう。町内会長にはまだ聞いてない。今度聞く(市長)
【河村市長】まだ町内会長には聞いていない。1日最大800台ですか、ここだけではない、10年間最大続く、JR東海にはよっぽど丁寧にやってもらう。あの時も言いましたので町内会長に聞いてみる。

残土の搬出先も決まらず、その環境影響調査もされていない、不安の声は当然。市長は誠意ある対応まで見届けよ(意見)
【青木議員】ぜひお話していただきたい、JR東海にも申し入れて頂きたい。名城非常口工事は、建設残土の持ち込み先も決まっていない、運搬ルートの環境影響調査もされていない、これでは沿線住民から不安の声があがるのは当然だと思います。市長には、リニア沿線住民の生活環境を守る立場で、(地元調査や環境モニタリングなどの要望に対し、)JR東海から沿線住民への誠意ある対応がなされるところまで見届けてくださるようお願いいたします。

リニア名古屋駅建設の用地取得で土地収用法を適用する可能性はあるのか
【青木議員】リニア計画は安倍政権のもと、「国家的プロジェクト」に位置づけられ、財政投融資の形で3兆円もの公的資金が投入される巨大事業でありながら、あくまでJR東海が進める「民間事業」とされています。
 これまでわが党の国会質問で、公共事業が情報公開や契約内容の開示、事業評価制度などの適用を受ける一方、リニア計画にはそのいずれも適用されない事が明らかとなり、政府もこれを認めています。そのようなリニア計画には、鉄道事業として建設用地の取得のため住民に対し、立ち退きを強制できる「土地収用法」の適用が、国の認可を受ければ可能とされています。
 本市ではリニア駅建設のため、JR東海の委託を受けた「名古屋まちづくり公社」が用地買収を始めていますが、わが党はこれまで何度も、立ち退きを迫られる住民が用地買収について、まともな説明や情報を得られず、不安を抱えて過ごしている実態に触れ、対応を求めてきました。住宅都市局長は、「地権者の理解と協力を得ることを第一に、JR東海やまちづくり公社に丁寧な説明と対応に努めるよう今一度申し入れる」と答弁されました。それを前提にお訊ねします。立ち退き対象となっている住民からは「長く住み慣れた土地を離れたくない」とのお声があがっています。その方たちが将来に一番心配しておられるのが、「強制的な立ち退き」です。JR東海は2018年度末までに名古屋リニア駅建設の用地取得を終えたい考えを示しています。リニア計画は「土地収用法」が適用されうる事業となっていますが、用地買収をめぐって、今後「土地収用法」が適用される可能性について、住宅都市局長、状況をお聞かせください。

可能だが、丁寧な説明を行うよう伝えている(局長)
【住宅都市局長】JR東海は「リニア中央新幹線建設事業は、土地を収用し、または使用することができる事業であるが、これまでの新幹線建設と同様、権利者の方々のご理解をいただきながら、粘り強く用地取得を進める方針で取り組んでいく」といっている。権利者のご理解とご協力を得ることが第一と考え、丁寧な説明を行うようJR東海および名古屋まちづくり公社に伝えている。

沿線住民に対する「強制的な立ち退き」はあってはならない(再質問)
【青木議員】市長にうかがいます。リニア名古屋駅建設を前に、立ち退き対象となり、この地に住んで4代目という高齢の女性がこうおっしゃったそうです。「住み慣れた土地に死ぬまで居たいだけなんです」この言葉は「人権」そのものだと私は思います。沿線住民に対する「強制的な立ち退き」はあってはならないことです。市長はどのようにお考えでしょうか。

断じてやらしてはいけない。ちゃんと言います(市長)
【河村市長】強制的にお上が、出て行ってちょ。断じてやらしてはいけない、相当丁寧にやるよう、先ほどの件と合わせて、ちゃんと言います。

住民説明のあり方、環境影響調査や工事の進め方に問題が山積み。JR東海任せでは済まされない(意見)
【青木議員】市長、その言葉通り本当に貫いてほしいと思います。 市長と本市には「住み慣れた土地を離れたくない」その住民の切実な願いにしっかり寄り添って頂くよう強く要望いたします。この件は最後になりますが、「国家的プロジェクト」リニアは、情報公開にも事業評価にも問われないまま「民間事業」として突き進んでいます。しかし、沿線現場では、住民説明のあり方、環境影響調査や工事の進め方に問題が山積みです。この事業に関わる本市もJR東海任せでは済まされなくなるという事を強く指摘しておきます。

リニア工事にかかわる問題の市民相談窓口を国交省や市に設置を
【青木議員】名古屋市をはじめ県内のリニア沿線住民は、昨年11月、わが党の国会議員と愛知県議、名古屋市議をふくむ県内の議員団とともに、国交省に対し沿線各地で起こっているリニア問題の実態を知らせ、JR東海に改善を求め指導するよう申し入れましたが、国交省の回答は「愛知県内のリニア問題については中部運輸局が答える」というものでした。 そこで今年1月、三の丸の中部運輸局を訪ねた所「こちらには直接回答する権限がないので東京の本省へ行ってもらわなければ…」と言うので驚きました。リニア工事を認可した国交省や出先機関では、沿線住民に対しまともに答える態勢や連携が取られていないのです。    そこで改めてうかがいます。本市におけるリニア工事に関する問題の市民窓口は住宅都市局が担当されていますが、工事が本格化する今後も引きつづき、対応されるということでよろしいですか。また、国交省の出先機関にも、リニアについて直接市民に回答ができる態勢が必要と考えますが、本市も関係自治体として国に対し、改善を申し入れることはできないでしょうか。住宅都市局長の見解を求めます。

JR東海が対応すべきだが、住宅都市局で対応し、国土交通省にも伝える
【住宅都市局長】リニア中央新幹線建設に関する市民からの意見等は、一義的には事業者であるJR東海が対応すべきものですが、市においても、リニア中央新幹線の担当部署を設けている住宅都市局で引き続き承ります。
 国土交通省の出先機関にも、直接市民に回答ができる体制が必要という意見について国土交通省に伝えたい。

JR東海には、説明責任を誠実に果たそうとする姿勢が感じられない(意見)
【青木議員】住宅都市局長から、中部運輸局での市民相談態勢について、意見として国交省に伝えるとのお答えを頂きました。JR東海には、沿線住民に対しリニア計画の説明責任を誠実に果たそうとする姿勢が感じられないと、沿線各地で批判の声が依然として絶えません。本市も関係自治体として、この現状を真摯に受け止めて頂きたいと思います。

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