岡田ゆき子議員の個人質問 ②味鋺保育園の民営移管(2016年11月29日)

%e9%8c%b2%e7%94%bb%e3%81%af%e3%81%93%e3%81%a1%e3%82%89味鋺保育園の民間移管をやめよ
         岡田ゆき子 議員

暴行事件が発覚した法人の実態は どうなっているか%e5%b2%a1%e7%94%b0%e6%bc%94%e5%a3%872
【岡田議員】味鋺保育園の民間移管について質問します。今年度は、味鋺保育園を民間移管するにあたり、社会福祉法人の公募を行いましたが、応募がなかったため、公募要件である「市内で保育園運営実績5年以上」を「3年以上」に短くし、再公募を行いました。
 再公募の前に開催された保護者説明会において、市は保護者の理解を「得られた」として再公募を行いましたが、保護者からは、「納得できない」「再公募の要件は決定事項のような報告で、結局『ご理解いただきたい』という説明だった」との声が聞かれました。それでも再公募が行われ、市内で保育実績3年の社会福祉法人が選定されました。
 ところが、選定直後の11月10日に、同法人が運営する特別養護老人ホームにおいて、職員による入所者への暴行をうたがわれる事件が発覚しました。報道によりますと、「特別養護老人ホームに勤務していた男性職員が入所者への暴行容疑で逮捕された」「名古屋市は11日、介護保険法に基づく監査に入った」「市介護保険課によると、関係書類の調査や聞き取りなどで職員の勤務実態や指導体制などを確認した」と報道されました。
 健康福祉局長に伺います。今回、暴行が明らかとなったきっかけは何か、事件発覚後、局の対応と現在の監査の状況について、支障のない範囲で説明を求めます。

現在調査中(健康福祉局長)
【健康福祉局長】施設からの一報を受けて、緊急に所管課職員が施設へ出向き、職員からの聞き取り調査などにより、事実確認を行ったところで、現在も調査中です。

事件調査中に移管実務を進めるべきではないdsc_4407
【岡田議員】事件が起きる前に、市は味鋺保育園の移管先をこの法人に決定しています。しかし、法人が管理する介護施設で、あってはならない入所者への暴行事件が発覚しました。介護施設という限定した部署だけの問題ではなく、他の施設も同様の問題がないか、法人の管理、運営に問題がなかったのか、子ども青少年局として確認するべきです。
 少なくとも、監査結果に基づき法人から改善報告がされ、味鋺保育園の保護者や地域の方も含めてしっかり納得が得られるまでは、移管の実務は止めるべきではないですか。問題があるのなら、現段階で、取り消しという判断をすべきではないですか。子ども青少年局長の見識あるお考えをお聞きします。
 2012年以降の民間移管は、移管実施となる6年前に、年3~4か所の園名を決定・公表して進めてきました。味鋺保育園は今年度移管先を決定し、来年2月には保護者・園・本市・そして社会福祉法人による4者協議会を立ち上げ、4月から1年の引き継ぎ保育を経て、2018年4月に新園開所というスケジュールです。
 これまでの保護者説明会や地域住民も含めた局との懇談の中でも、「法人が決まらなかったらどうなるのか」と、移管が予定通りにいかない場合について、説明を求める声が多数ありました。それに対して名古屋市の説明は、「再公募しても手が挙がらなければ、再度検討する」「公募がなかった場合…支障になっている原因を探って進めたい」と説明を繰り返しています。この発言が、保護者には「ここで決まらなければ後がない」「要件を下げても仕方がない」という思いにさせているのではないかと思わざるを得ません。
 移管先が決まった直後に、この法人の施設内で暴行疑われる事件が起こりましたが、そこに至っても、「今決めなければ」、2018年4月の移管日程に間に合わないと、選択の余地がないと保護者に思わせていませんか。保育の中身や保護者の納得というよりも、民間移管のスケジュールありきで進めていくつもりなのか。それとも保護者の理解が得られないなら、保護者の意向に沿う考えがあるのか子ども青少年局の判断が重要です。
 今回の事件は、その詳細について調査をしている段階です。拙速に移管を進めるのではなく、法人の管理・運営を見極め、2018年4月に間に合わないなら、市の責任で「当面味鋺保育園は公立で運営する」ことを明言し、保護者にまずは安心してもらうべきではありませんか。責任ある答弁を求めます。%e7%a7%bb%e7%ae%a1%e6%b8%88%e3%81%bf%e7%a7%bb%e7%ae%a1%e4%ba%88%e5%ae%9a

法人の保育事業は適切で問題ない。引継ぎを進める(子ども青少年局長)
【子ども青少年局長】味鋺保育園は移管先となる法人を選定し公表したところです。選定にかかる懇談会では、保護者の代表も委員に加わったうえで、法人が運営する保育施設について実地調査により確認を行っております。選定法人が実施している保育事業は適切に運営されていると認識し、移管にかかる準備を引き続き進めたい。12月10日に開催予定の保護者説明会や、保護者、選定法人、味鋺保育園及び所管課で構成する四者協議会で保護者の意見を伺いながら、引き継ぎを進めたい。

調査中であるのになぜ適切だといえるのか(再質問)
【岡田議員】健康福祉局長の答弁では保育園の移管を予定している法人からの一報で監査に入ったことですが、介護施設では重大事案があれば、事業所は市に報告義務がありますから、それで一報があったのだと思います。
  報道では警察への内部告発があった、それで捜査始まったとしています。問題は、内部告発だったいうことです。本来、虐待予防のための研修がされて、こういう事件のようなことが起こる前に、職員から相談や報告があり、組織内で情報共有して再発防止をするという検討がなされるべきでますが、そうしたことができない深刻な組織、運営だったのではないかと推測するわけです。
 子ども青少年局長に聞きますが、事件について現在調査中というお話でした法人の管理責任の有無も、今明らかになっていない状況で、移管法人が決まっているからと進めていくということなのですが。なぜ移管には何ら問題はないといえるのですか。

適切に運営されているから支障ない(子ども青少年局長)
【子ども青少年局長】受託決定した法人により運営されている保育施設は適切に運営されていると認識しており、現時点で当該法人が引き継ぎを行うことに支障はない。

12月の保護者説明会までに調査結果は出るのか(再々質問)
【岡田議員】法人を含めて監査中なので、当該法人が引き継ぎを行うことに納得できません。先ほどの話で、子ども青少年局長の答弁で、12月10日に保護者説明会をするということを言われました。健康福祉局長に参考までにお聞きしますが、現在、調査中ですが、12月10日までに調査の結果は出ますか。

調査を尽くす必要があり、結果の 時期は言えない(健康福祉局長)
【健康福祉局長】書面や聞き取り等により調査を尽くす必要があり、結果の時期につきましては申し上げることができません。

調査中なのに保護者説明会で何を説明するのか(再々再質問)
【岡田議員】調査結果が出るかどうかわからない。当然時間がかかると思います。

調査段階だということなのに、子ども青少年局は、一体12月10日の保護者説明会で何を説明するのですか。引き継ぎの説明を具体的にしていく(子ども青少年局長)
 【子ども青少年局長】移管法人が運営している保育施設の状況や、味鋺保育園の引き継ぎに際しどのような点に留意して進めていこうとしているのか、具体的に事例を示しながら説明させていただく。

同様の事案で他の自治体等では見直している。支障がない根拠を示せ(再々再々質問)
【岡田議員】今の答弁は、通常の移管の場合の保護者説明会だと思うのです。法人が決まったら、なるべく早く説明会をして、四者面談をするというのはお聞きしていますが、今回は違うと思うのですね。この事案に関しては全く語られないのです。
 では質問を変えます。では、質問を変えます。問題は、同じ法人が運営する他の施設で問題が起きた時、別の施設だから問題がないという考えのようですが、同様なことが起きた時、他の自治体はどうしているか。東京都品川区で、今年度、区立保育園の運営を民間社会福祉法人に移管したそうですが、6月になって、この社会福祉法人が兵庫県内で運営する保育所で、経理に問題があり監査指摘をされていたことを受けて、品川区は、「信頼関係を築くのは難しい」として、区立保育園のこの法人の事業者をやめて、交代させることにしました。信頼関係とは、区だけでなく、保護者との信頼関係も築くのは難しいという判断です。これは施設を管理運営する社会福祉法人そのものの責任が問われて、交代させたのです。保育に責任を持つ行政の対応として当然だと思います。
 名古屋市でも同様の判断がされています。学校給食調理業務も、委託した業者が学校施設ではない、福祉施設で食中毒を起こしていた、教育委員会の判断は、施設も運営も全く違う施設で起きた事件で、事業所を変えています。それは安全安心の管理について信用、信頼に関わる重要なことだからです。
 同じ法人が運営している施設で暴行と疑われる事件が起きたのですが、介護施設だけの問題なのか、法人の管理運営上の問題七日、その調査結果がまだ出ていないというわけなのです。それが保育施設だから起こらないという根拠はどこにあるのか。支障がないという根拠がどこにあるのですか。
保育の様子や書類で問題ない(子ども青少年局長)
【子ども青少年局長】選定にかかる懇談会において、法人が運営している保育施設の実際の保育の様子を観察するとともに書類の閲覧を行うなど、実地調査で確認を行ったうえで法人を選定している。保育施設は、児童福祉法に基づき毎年指導監査を実施している。
調査中なのに、保護者に大丈夫と いえるのか(再々再々再質問)
【岡田議員】明確な根拠はないのです。まだ明らかになっていないのですから。
保護者から不安な声が上がっています。事件起こした法人に責任はないのか。調査中なのに、大丈夫と言えるのか。当然こういう質問があるでしょう。12月10日の説明会でこう質問されたらどう答えるのですか。
改めて保育施設の管理体制等を聞き取り、支障がないことを確認(子ども青少年局長)
【子ども青少年局】本件を把握したのち、子ども青少年局としても、法人が運営する保育施設に出向き、保育内容を確認をしたり、法人から保育部門における管理体制など聞き取りを行っており、そのうえで保育施設においては適切に運営が行われており、引継ぎについても支障がないと改めて認識した。
選定委員会の確認後に発覚した。保護者の不安にどう応えるのか(再々再々再々質問)
【岡田議員】法人が運営する保育園に選定に関わった懇談会の方々が確認にした後、そのあとに疑われる事件が発覚しているのです、内部告発があった、それは、その日突然内部告発するわけではありません、市議団にも告発が良く聞かれます、非常に悩んで、悩んで、そういう事態を何度も何度も見たうえで、話すところがなくて、告発が行われると思います。告発があった時点でより前に選定委員会で見てきた事実とそのあとのことでは違うと思います。あくまでも、今法人に責任があるのか、事業所に責任があるのか、調査中というのが、健康福祉局の答えなのです。それでもって12月10日に、必ず保護者は心配ですから、この質問をされると思います。その時に同様の答弁をされるのですか。
保護者と協議しながら移管を進める(子ども青少年局長)
【子ども青少年局長】移管の実施にあたっては、保護者との話し合いを踏まえ、十分に準備を行ったうえで進めている。法人の保育施設が適切に運営されていること、引き継ぎに際しては、現在の保育を継承することを基本とし、保護者と協議しながら進めていくことなど、丁寧に説明して参りたい。
保護者の同意なしには進めないといえるのか(再々再々再々再質問)
【岡田議員】とても納得できません、保護者も同じだと思います。丁寧な移管どころか、スケジュールありきで、強引に進めることが子ども青少年局の「公立保育所整備計画」の方針になっているのか。日程ありきで進める理由は何なのか。なぜそのスケジュール通りでなければならない理由があるのですか。
 私どもは、民間移管は中止という立場ですが、それは横に置いても、皆さんがこれまで丁寧に引き継ぎ期間を本当に取って、保護者に何度も何度も話し合いをして公募要件の中身づくりをして、本当に気を使ってやってきたのに、監査の結果を見ないで、移管の作業を進めると。これまでの努力を水に流すようなことをなぜするのですか。なぜそれをやるのかと思うのですよ。
 それは民間移管のスケジュールありきで、強引に進めようとしているのではないですか、皆さんが作られた公立保育園の社会福祉法人への移管、保護者向けの説明ですけど、ここには丁寧にお子さんや保護者の不安解消できるように、保護者の皆さんとの話し合いを踏まえて、十分な情報提供を行い、十分準備して進めていきますと書いてあり、今度の保護者説明会で、そのあたりが進行中というところをどう言い訳しながら進めていくのか非常に心配に思います。
 少なくとも、保護者の同意と理解が得られなければ、進めないという立場を明確にしていただきたい。ここはどうですか。
保護者に丁寧に説明していきたい(子ども青少年局長)
【子ども青少年局長】法人の運営している保育施設が適切に運営されているというふうに認識し、そうした認識を持って、保護者の方に丁寧に説明していきたいと思います。

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