岡田ゆき子議員の個人質問 ①就学援助の入学準備金(2016年11月29日)

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                  岡田ゆき子 議員

実態に合った額に引き上げを%e5%b2%a1%e7%94%b0%e8%87%aa%e5%b8%ad
【岡田議員】就学援助は、経済的理由で就学困難な児童生徒を対象に小中学校の入学準備費用、学用品費、修学旅行費などを援助する制度です。子どもの貧困対策を進める経済的支援の根幹であり、必要な世帯に必要な額を必要な時期に支給される必要があります。今回は入学準備金について2点、教育長に伺います。
 まず、支給額についてです。入学時に必要な、学用品や制服などは入学前に購入しますが、小学校で使用するランドセルだけでも、10,000〜40,000円かかります。また、中学入学に必要なものを揃えると、「夏と冬の制服まとめ買い」などをして割引を利用しても、靴やカバンも含めれば約75,000~80,000円程度は必要です。%e5%ad%a6%e7%bf%92%e8%b2%bb
 一方、名古屋市の「入学準備金」は、国の基準と同じ、小学校入学で20,470円、中学入学で23,550円です。実際にかかる費用と支給額があまりにもかけ離れています。
 就学援助の対象である準要保護世帯の所得基準額は、8年前に生活保護基準の1.3倍から1.0倍に引き下げられ、保護基準と同額です。生活保護世帯の場合、入学準備の一時扶助は小学校で40,600円、中学校で47,400円ですから、少なくと%e5%85%a5%e5%ad%a6%e6%ba%96%e5%82%99%e9%87%91も入学準備金は、生活保護と同額に引き上げるべきではないですか。見解をお聞きします。

 

国の補助金の単価改定に向けた動きを注視していきたい
【教育長】入学準備金の支給額について、国の要保護児童生徒援助費補助金の単価改定に向けた動きがあり、この動きを注視したい。

入学準備金にかかる費用の実態調査と独自の補助の検討を(意見)
【岡田議員】現在国が補助単価の改定に向けた動きがあるということでした。
 入学準備金は、各学校の校則にそって、家庭が入学に必要なものを準備しなければいけませんが、就学援助を受けていてもこれだけ実際の費用とかい離がある。国の動向見守るという答弁では、あまりにも子どもの貧困の実態を直視していないのではないでしょうか。%e5%b0%b1%e5%ad%a6%e6%8f%b4%e5%8a%a9%e6%8e%a8%e7%a7%bb2
 今年5月の国会審議の中で、文部科学大臣が「実態調査を踏まえた必要な額について協議をすべき」と考えを述べていました。愛知県が今子どもの貧困実態調査を始めています。国の動向を見守るというよりも、名古屋市で義務教育にどれだけ費用がかかっているのか、最低限必要な費用の調査を全市的に行うこと、その上で、実態との費用に乖離があることについては、解消のために他自治体では独自に補助、制服補助など積極的に検討していただくことを強く求めます。

入学前に準備金の支給を
【岡田議員】入学準備金の支給時期ついて、現在の仕組みでは、就学援助は、4月に申請し、6月支給となっています。中学校の年子のお子さんを育てるひとり親のお母さんは、「入学のために、7・8万円のまとまった出費となって、月々の収支が狂いとても負担。入学前に支給してほしい」と言われました。
 少なくない自治体では、入学準備金の支給時期の見直しが進んでいます。
 例えば、福岡市の場合、これまでは入学後に認定し、7月に支給でしたが、入学前に支給するために、2014年12月に補正予算を計上し、翌年の3月支給に切り替えました。
 福岡市が支給を早めた理由は、「学用品の購入時期への配慮はもちろん、子どもの貧困対策」であり、効果として「保護者への経済的支援が図られた」としています。名古屋市においても入学準備に必要な時期に%e5%b0%b1%e5%ad%a6%e6%8f%b4%e5%8a%a9%e5%85%a5%e5%ad%a6%e6%ba%96%e5%82%99%e9%87%91支給されるように答弁を求めます。
課題の整理が必要で、他都市の事例を研究していきたい(教育長)
【教育長】支給を受けた後に市外転出をするなどして本市の小中学校に入学しない場合や、本市での支給が終わった後に市外から転入してきた場合の対応を検討する必要があるほか、学校における受け付け体制を確立する必要がある等、実施に向けた課題などを整理する必要があるため、まずは他都市の事例の研究を行いたい。

遅くとも再来年の入学に間に合うように支給を(再質問)
【岡田議員】入学準備金の支給時期について、他都市の事例を研究するという答弁でした。この場合の課題として、「支給後に市外へ転出・転入となった場合」の検討が必要ということですが、八王子市の場合は、来年2017年3月から入学準備金の前倒し支給を始めるのですが、支給後に転出した場合は担当者によると「申請した時点で準備金は必要だったことは間違いないわけなので、たとえ市外へ転出しても、スムーズに入学されるのであればいい」として、返還は求めていません。また、4月以降の転入については、従来の就学援助と同様に、4月申請7月支給としているだけです。同じく今年3月に前倒しで支給を始めた新潟市も同様の対応です。
 文部科学省は5月のわが党の国会質問で、「市町村には必要とする時期に速やかに支給できるよう十分配慮するように通知している」とし、さらに市町村に引き続き働き掛けるとしています。
 他都市では、こうした独自の前倒し支給をしているか、今の文科省のスタンスとしては、年度当初に速やかにと言っている、自治体が生活困難な家庭を直視すれば、前倒し支給を独自に取り組んでいることです。研究していただくとしても、保護者の負担を本当に大変です、わかっていただきたいと思います。来年度の新入生には間に合わなくても、遅くとも、再来年の新入生の入学前に、支給が間に合うように進めていただくことを求めますが、再度答弁を求めます。

入学後速やかに支給できるよう 努めている(教育長)
【教育長】就学援助の認定は児童生徒の家庭の状況を校長が確認した上で申請する制度で、入学準備金も就学援助の支給品目の一つです。支給時期は、入学後速やかに支給できるよう努めている。

入学前に建て替えるのは大変。早期に入学前支給を(再々質問)
【岡田議員】年度当初の支給では、保護者に負担だから、他の自治体では、前倒し支給をとにかく進めているのです。新聞で松本市が前倒し支給を始めると載っていました。市長にお聞きます。子どもの貧困といわれているときに、入学前に必要なお金が無くて、立て替えて、買った後に支給してもらわなければならない、経済的に苦しい家庭にとって本当に大変だというのはお分かりになると思います。市長、これはやはり、入学前に支給できるように早く対応する必要があると思いますが、いかが思いますか。

いくらか喜んでもらえるならやるべき。勉強させてください(市長)
【河村市長】子どもは社会のお客さん。八王子の例はエエと思います。とりあえず、ちゃんと勉強しまして、前倒しすると本当にお客さんがいくらか喜んでもらえるなら、それはそれでやるべきだと僕は思いますよ、大至急、勉強させてください。
再来年の入学には間に合わせよ(意見)
【岡田議員】よろしくお願いしたいと思います。再来年の入学には間に合うように、実務的には大変だと聞きいていますが、それを押してでも必要な家庭に必要な時に支給されるようにお願いいたします。

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