くれまつ順子議員の個人質問 ヘルプマーク(2016年11月28日)

%e9%8c%b2%e7%94%bb%e3%81%af%e3%81%93%e3%81%a1%e3%82%89ヘルプマークを導入し、外見からは分からなくても援助が必要な方が日常的に様々な援助が得られる社会の実現を
          くれまつ順子 議員

市バス・地下鉄の優先席にヘルプマークの掲示を
【くれまつ議員】先日の個人質問でも、民進党のうかい議員からヘルプカードの導入についての質問があり、健康福祉局長から、導入に向けた前向きの答弁がありました。%e3%81%8f%e3%82%8c%e3%81%be%e3%81%a4%e6%bc%94%e5%a3%872
 私が質問するヘルプマークとヘルプカードの関係について、まず簡単に説明します。
 パネルをごらんください。ヘルプカードはそれぞれの自治体がデザインしており、実は何種類もあります。うかい議員は、その中で、東京のヘルプカード、赤地のバックに白でハートとプラスをデザインしたカードを紹介されていました。ヘルプマークは、この東京のデザインを個人がもつカードだけでなく、地下鉄など公共交通機関の優先席にも掲示するなどして、多くの人々にわかってもらえる共通のマークとして広げていこうというものです。%e3%83%98%e3%83%ab%e3%83%97%e3%83%9e%e3%83%bc%e3%82%af_1
 先日の質問と答弁も踏まえて、ヘルプマークの導入について質問致します。
 最初に、市バス・地下鉄の優先席へのヘルプマーク掲示について、交通局長に伺います。
 今回の質問のきっかけは、起立性調節障害という病気になられた高校生の方からのご相談です。起立性調節障害という病気は、思春期のこどもたちの約10%にみられる自律神経失調症の1種です。この病気の症状は、朝起きられない、たちくらみがする、頭痛がする、体がだるいというものです。昨年6月頃から突然このような症状となり、学校は午後から登校したり、休みがちです。ご相談ごとは、高校生のSさん、通院などで出かける時に電車で立っているのがつらくて、しんどい思いして通っている。優先席に座りたいと思っても、見た目は元気な学生と映るので、席を譲ってもらえない。東京では「ヘルプマーク」というものがあって、外からはわからない病気の人がヘルプマークをつけていれば、優先席に気兼ねせずに座っている、という話を聞いた。ぜひ名古屋でもヘルプマークを使えるようにしてほしいという相談でした。
 私は、東京都のヘルプマークを調べてきました。%e5%9c%b0%e4%b8%8b%e9%89%84
これが個人のもつヘルプマークです。希望される方に、無料で都営地下鉄の駅務室やバスの営業所で配布されています。そして、電車やバスの優先席には、ヘルプマークのステッカーが標示されており、このマークを身につけた方が優先席に座りやすいようにする取り組みが行われています。%e3%83%98%e3%83%ab%e3%83%97%e3%83%9e%e3%83%bc%e3%82%af
 ヘルプマークを使う方は、内部障害や難病の方だけでなく、妊娠初期の方なども含め、外見では健康に見えても、疲れやすく、つり革につかまり続ける姿勢を保つのが困難な方々と様々です。ヘルプマークを見かけたら、席をお譲りくださいとよびかけています。「ヘルプマークで事情があると伝えることができて、とても気が楽になった。このマークをお守りにしている」という利用者の声がたくさん紹介されていました。
 さて、名古屋市の市バス・地下鉄の優先席にはどんな表示がされているでしょうか。外見ではわからない内部障害や病気の人をしめすハートのマークの表示があります。「内部障害や病気のお客様もご利用ください」と書かれていますが、内部障害や病気の方が、席をゆずってもらえているのでしょうか。
 そこで、交通局長に伺います。外見ではわからない内部障害や持病をお持ちの方などを知らせるヘルプマークを事業者の責任で配布をし、市バス・地下鉄などの優先席に表示をし、人にやさしい市バス・地下鉄にしていくべきと考えますが、見解をお伺いします。

他都市や他事業者、本市の福祉施策状況を見てから(交通局長)
【交通局長】市バス・地下鉄では、高齢者、妊産婦、乳幼児をお連れの方、障害のある方やけがをされている方、内部障害の方など、座席を必要とされている方のために、車内に優先席を設け、優先席表示を行っています。あわせて車内では「優先席は、お年寄りや体の不自由な方をはじめ、妊産婦の方や内部障害のある方などへの優先席です。必要とされている方に席をお譲りください」などの案内放送を行っています。
 ヘルプマークは東京都が作成したマークですが、それ以外に内閣府のホームページで紹介されている「ハートプラスマーク」などもあることから、ヘルプマークに関する他都市や他事業者の動向を把握するとともに、本市の福祉施策における取り組み状況を見守っていきたい。%e9%9a%9c%e5%ae%b3%e3%83%9e%e3%83%bc%e3%82%af福祉都市環境整備指針にヘルプマークを盛り込むのはどうか
【くれまつ議員】ヘルプマークの導入について2点健康福祉局長に伺います。東京都では、マークの認知度をあげるために、全国の府県、政令市に普及依頼を行っています。今年4月に京都府が導入を決め、7月には和歌山県と徳島県、10月には青森県が導入し、札幌市と岐阜県が来年度以降導入予定です。「ヘルプ」を必要と感じている当事者のみなさんの間で、このマークのよさが口コミやSNSでも広がり、他県の方がわざわざ東京に出かけて取り寄せているという話もあり、人気が高まっています。
 こうした中で、名古屋市にも、マークの問い合わせやマークの取り扱いを望む声が寄せられているのではないでしょうか。私がお話しを伺った難病団体の方は、ヘルプマークは大いに賛成とおっしゃっていました。ヘルプマークについて障害者団体のみなさんなどからはどのようなご意見や問い合わせが寄せられているのか、お伺いします。
 今年度は急速にこのマークが広がっています。背景には、今年4月、障害者差別解消法の施行により、各自治体に社会的障害をなくしていくための合理的な配慮をおこなう義務が課されたこともあると考えます。
 ヘルプマークは、そのための3つの役割を果たしていると思います。
 1つは、見た目ではわからない身体的ヘルプを抱える人を、周りの方にお伝えし、「見えない障害」を見えるようにする役割です。
 2つは、日頃から、ゆずりあい助け合いというちょっとした福祉への貢献を市民のみなさんによびかける役割です。
 3つは、ヘルプマークをつけた方が、混雑したところでパニック状態になったり、災害や事故に遭遇した場合に、緊急連絡先などを見て、周りから支援をうけやすくする役割です。
 ヘルプマークは、「見えない障害」を見えるようにして、周りの人が支援・配慮の手をさしのべるという助け合いのしるしです。
 現在、本市は、福祉都市環境整備指針の改定作業中です。この指針には「年齢の違いや障害の有無にかかわらず、すべての市民がお互いの理解を深め合い、共に手を携える「人にやさしいまち名古屋」を実現するために施設のバリアフリー整備指針と福祉のまちづくりの基本理念がかかげられています。
 福祉のまちづくりの基本理念の中には、お互いの違いを認め合い、支えあえる「意識のバリアフリー」の推進がかかげられています。この部分が重要だと思います。配慮の必要な方の中には、外見からは障害のあることがわかりにくく、周囲の理解を得づらいことがあるという特性が書かれていました。
 そうした方のためにも、「ヘルプマーク」を広げていけば、周りの人から支援を受けやすくなり、支えあい助けあうあたたかい福祉のまちづくりにつながっていくのではないでしょうか。
 そこで、健康福祉局長にお伺いします。福祉都市環境整備指針にヘルプマークを盛り込み、本市においてヘルプマークを導入してはいかがでしょうか。

名古屋市はハートプラスマークの広報に努めている(健康福祉局長)
【健康福祉局長】「ヘルプマーク」について団体や個人の方からその普及に向けて意見や要望を聞くことがあり、「治療中のため、体力が無く地下鉄の優先席に座るが、周りからマナーがないと思われているのではないか」という心配の声や、「見た目では分かりにくい障害のある方が優先席に座れるように、ヘルプマークを普及してほしい」という要望をいただいています。
 本市では、心臓疾患などの内部障害や内臓疾患の方には、既にそのシンボルマークとして、「ハートプラスマーク」の広報に努めている。「ヘルプマーク」も同趣旨のものであり、障害の特性について理解が進むとともに、当事者には大きな安心がえられるものと認識しています。
 改定中の福祉都市環境整備指針にヘルプマークを盛り込む提案をいただきましたが、現在掲載を予定している障害者のマークは、内閣府のホームページに掲載され、全国で普及するために国が推奨しているマークです。ヘルプマークはその状況にいたっていないので、掲載は困難です。
 このようなシンボルマークの普及にあたっては、広域的な取り組みが効果的ですが、愛知県議会の平成28年2月定例会でヘルプマークなどに関する質間があり、「他の都道府県における障害のある方々に対する支援や取り組み事例について、引き続き情報把握に努め、本県の環境整備に向けた取り組みの参考にしてまいりたいと考えております。」と答弁されています。
 今後、ヘルプマークの導入には、愛知県をはじめ他の自治体の取り組みについて情報把握に努め、取り組みの参考にしたい。

ヘルプマークの導入経費は少ないのに、効果は全国に波及(再質問)
【くれまつ議員】健康福祉局長からの答弁は、愛知県議会での答弁と全く同じ内容で、とても残念です。納得がいきませんので、再質問致します。
 先日のうかい議員の質問に対し、ヘルプカードの導入を検討すると答えていらっしゃいますから、その効果をより発揮するためにも、ヘルプマークを導入すべきではありませんか。
 ヘルプマークの導入経費は、東京都にお聞きしたところ、個人に配るもの1個130円ぐらい、電車のステッカー掲示物など含む経費はおよそ1500万円で、それほど大きくはありません。ヘルプマークがその真価を発揮するためには多くのまちで同じデザインのマークが、助け合いゆずりあいのシンボルとして普及していくことが不可欠です。導入する自治体が広がっていることを紹介しましたが、今年5月には、政令市の障害福祉分野の課長会議でも東京都からマークの普及が提案されたと聞きました。名古屋でヘルプマークを導入すれば全国的な普及にはずみがつきます。JRなど広域的な公共機関での表示を促進する大きな力になります。
 健康福祉局長、ヘルプマークの導入を決断できない理由は経費負担の問題なのか、それとも他に理由があるのでしょうか。端的にお答えください。

ヘルプマークを効果的な施策とするためには広域的な取り組みが欠かせない(健康福祉局長)
【健康福祉局長】マークの作成など経費負担の問題というよりも、ヘルプマークを効果的な施策とするために、広域的な取り組みが欠かせないものと考えているからです。愛知県をはじめ他の自治体の取り組みについて情報把握に努めたい。

市長に問う。名古屋市が先頭に(再々質問)
【くれまつ議員】ヘルプマークの導入には、広域的な取り組みが欠かせない。その通りです。自治体ごとのカードをもう一歩進化させる必要があります。ところが、広域的な取り組みにするために、名古屋市は何をするのか、局長の答弁は、他の自治体のとりくみの様子をみるという消極的な受け身の姿勢です。それでは普及はすすみません。そこで、市長へ質問します。%e3%81%8f%e3%82%8c%e3%81%be%e3%81%a4%e6%bc%94%e5%a3%87
 東京都と連携して名古屋市もヘルプマークを導入し、全国の政令市に普及する先頭に立つべきではありませんか。ヘルプマークの導入について、市長決断してください。

これは必要。早速大村知事と相談して進めていきたい(市長)
【市長】これは必要じゃないかなと僕は思っております。せっかくの話でありますので。局長も広域的な対応が必要だと。それも言える、地下鉄に乗っている人は名古屋市民ばかりではない。となると相談しなきゃいけないので、早速、大村知事に一緒にやらないかと連絡しまして、進めて行きたいと思います。

ぜひ進めてほしい
【くれまつ議員】ヘルプマークを相談者に見てもらいました。このマークが、名古屋で使えたら本当にうれしいとおっしゃっていました。ヘルプマークはおまもりといっておられるのです。
大村知事と相談しながらすすめていきたいというお話、ありがとうございました。ぜひ進めて下さい。

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