2016年6月定例会

西山あさみ議員の個人質問② 隠れ待機児の解消を(2016年6月20日)

 

保育所等待機児童対策・親の願いに沿った対策を

利用保留児童585人の保育への認識はnisiyama5
【西山議員】利用保留児童、いわゆる隠れ待機児童について質問します。
 「保育園落ちた!」という匿名ブログを機に改めて社会問題になっている保育所の待機児童問題。本市は5月19日に「平成28年4月1日現在の保育所等利用状況について」発表しました。
 国の定義に基づく除外児童数を除いた保育所等の待機児童数は3年連続0人。では、実際に保育所に通わせたいと思っている全ての子どもが保育所等を利用できているのでしょうか。
 保育所、認定こども園及び地域型保育事業を利用できていない児童は、585人です。この585人は待機児童という国の定義からは除外され利用保留児童となっていますが、新聞報道などでは隠れ待機児童とも言われています。
 そこで子ども青少年局長に伺います。児童福祉法24条では「市町村は、この法律及び子ども・子育て支援法の定めるところにより、保護者の労働又は疾病その他の事由により、その監護すべき乳児、幼児その他の児童について保育を必要とする場合において、次項に定めるところによるほか、当該児童を保育所において保育しなければならない」と規定しています。今回、利用保留児童とされた585人は、市町村が保育義務を負うべき児童であるという認識かどうか。明確にお答えください。

保育所等の利用枠の拡大をすすめ、個々のニーズに対応(局長)
【子ども青少年局長】改正児童福祉法第24条では「市町村は保育を必要とする児童に対して認定こども園や小規模保育事業所等軽より、必要な保育を確保するための措置を講ずるほか、「保育所」において保育しなければならない」とされています。
 「保育を必要とする場合」において、保育所等の利用を申し込まれた子どもたちが、保育所等を利用できるようにしていく必要があります。利用保留児童の多くは、様々な事情により保留をされているわけですが、今後も、引き続き、待機児童対策を強力に取り組み、保育所等の利用枠の拡大を進めるとともに、個々のニーズに即して、きめ細やかに対応していくことが重要と考えます。

安心して預けられる保育の質を
【西山議員】利用保留児童の585人のうち1人を除く584人は利用可能な保育所等があるにも関わらず、希望する特定の保育所等に入れなかった児童です。子どもを預けることができなかった保護者の方からお話しを伺いました。
 あるお母さんからは、「見学に行った数か所の小規模保育園の中にはレストランを改装し天井から吊るし電球がぶらさがっていることにびっくりした」とか「何かあったら近くの保育園に相談しているので大丈夫だと言われ、とても子どもを預けることはできないと感じた」という声や、今年利用保留児童となった子のお母さんからは「アレルギーや障害のある子は責任がとれないので辞退してほしいと言われた」など。施設を見たり話を聞くだけでも不安を感じるようなところもあり、本当に保育の質が保たれているのかと疑問に感じます。
 子どもの発達・成長の権利を保障すること、保護者が安心して預けられるというのはギリギリの要求であり、当然の願いです。この願いに向き合うことなしに問題は解決しません。
 「利用保留児童」となる児童がいない状態が、真の意味での”待機児ゼロ”を実現することになるのではないでしょうか。当局も利用保留児童を100%解消する立場に立つべきだと考えますが、子ども青少年局長の考えをお答えください。待機児数推移区別隠れ待機児数2016利用保留児童を減らしていきたい
【子ども青少年局長】保育ニーズのピークと想定されている平成30年4月に必要となる保育所等利用枠を確保できるよう、待機児童対策を進めている。しかし、「利用保留児童」が、平成28年4月時点でも85人もあり、各地域に分散化している状況や利用申込者数が引き続き増加していることを踏まえると、国定義による待機児童ゼロを継続していくことについても容易なことではない。
 利用保留児童の多くが、特定の保育所等を希望しているということを鑑みるに、今すぐ、利用保留児童ゼロを実現することは非常に困難で、全区役所・支所に配置している保育案内人を始めとして、個々のニーズに即したきめ細やかな対応を行い、利用枠を最大限に活用することで、まずは一人でも多くの方に保育所等を利用いただき、利用保留児童を減らしたい。

公立保育所など認可保育所の増設を
【西山議員】国は待機児童解消として緊急対応策を出しました。その目玉となっているのは、人員配置や面積基準について、国の定める基準を上回る基準を設定している市町村において、国の基準に合わせて受け入れさせる規制緩和による“つめこみ保育”です。
 本市は、国が方針を出す前からすでに定員を超える入所、いわゆる“つめこみ保育”をこの間行ってきています。
 待機児童対策を進めるうえで、大事なことは、子どもたちの発達・成長を保障する保育の質を確保することです。2014年に名古屋市が発表した「子ども子育て家庭意識・生活実態調査」によれば、親が求める保育施設は“認可保育所”です。私が話を聞いたお母さん方の思いも、やはり保育士が、国の認可基準通り配置されていて就学前まで預けられる認可保育園を望むという声でした。
 ところが、本市は認可保育所の増設は民間任せ。公立保育所は民間移管でこの間13か園が民営化され、最終的にはさらに33か園を民営化する計画が進められています。その背景には、国が保育の負担金を「一般財源化」の名で無くしてしまったことがあります。
 そこで、子ども青少年局長にお尋ねします。利用保留児童も含めて保育所等待機児童を文字通りゼロにするために、公立保育所も含めて認可保育所の増設を進めるべきではありませんか。(記事写真は5/20 朝日新聞)

nisiyama6待機児童解消のため迅速かつ 柔軟に対応
【子ども青少年局長】迅速かつ柔軟に対応するため、民間保育所の新設整備や増改築のみではなく、賃貸方式による民間保育所の設置や小規模保育事業所の設置、公立及び民間保育所等における定員超過入所など、様々な手法に取り組んできた。
 今年度は、昨年度を約300人上回る2,189人分の利用枠を拡大予定。賃貸方式を含め認可保育所・認定こども園の整備が1,809人分、小規模保育事業所が380人分となっています。
 今後とも、様々な手法を活用しつつ、利用保留児童の状況をしっかりと分析する等により、必要な場所に、必要な年齢構成の保育施設をピンポイントで整備し、待機児童の解消、また、利用保留児童の減少に取り組んでいきたい。

公立保育所への財政支援を国に要望を
【西山議員】公立保育所の民営化をやめ、増設へと舵を切るために、公立保育所に対する新たな財政支援制度の創設、建設費補助金や運営費の国庫負担分の復活を国に求めるお考えはありませんか。

地方から国に一般財源化を求めた
【子ども青少年局長】名古屋市社会福祉審議会の民間委託等を進めるべきとの意見具申で、公立保育所は78か所まで集約化、「エリア支援保育所」として機能強化を図る一方、一部の保育所は社会福祉法人への移管または統廃合を進めています。
 公立保育所に係る国庫補助負担金は、地方の側から一般財源化を要望してきた経緯もあり、三位一体改革の中で、公立保育所の整備交付金および運営費負担金の一般財源化が整理された。したがって、公立保育所の財政支援制度の創設あるいは運営費の国庫負担分の復活を求めることは困難です。

認可保育所の増設を要望(意見)
【西山議員】利用保留児童については、保育の質を保ち、保護者が安心して通わせることのできる保育所を増設することこそ保育への公的責任を果たす自治体の役割です。利用保留児童をゼロにすることを目指すとともに、親の願いに沿った就学前までの認可保育所を増設することを要望します。

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