2014年6月定例会

山口清明議員の議案外質問①集団的自衛権についての市長の考え(2014年6月26日)

本会議録画リンク

集団的自衛権の行使容認に関する市長の見解を問う山口演壇s

【山口議員】現在の日本国憲法の下では許されない、としてきた集団的自衛権の行使を、憲法解釈の変更で容認しようとする動きが加速しています。
 集団的自衛権の行使を容認することは、日本への武力攻撃がなくとも、他国に対する武力行使を可能とするものであり、武力の行使を放棄し、戦力を保持せず、交戦権を認めない、日本国憲法第九条とは全く相容れず、憲法の平和主義を根底から覆すものです。
 ですから歴代の自民党政権も、集団的自衛権の行使は憲法上許されないとし、自衛隊のイラク派兵(それ自体を憲法違反とする判決が確定していますが)に際しても「武力行使はしない」「戦闘地域には行かない」と一定の歯止めをかけてきました。
 現憲法下では集団的自衛権は行使できない、とする憲法解釈を国会の議論を経ることもなく、与党内の協議だけ、閣議決定だけで覆すのはクーデター的手法です。
 安倍首相はよく、自由と法の支配という共通の価値観を持つ国、と口にしますが、法の支配を脅かし、立憲主義を否定する、民主主義と異なる価値観を持っているのは首相の方ではないか、と言いたくなります。

 いま、この事態を憂い危惧する声が政治的立場のちがいをこえて広がっています。日本を海外で戦争できる国に変えることは、市民の平和的生存権を脅かすものであり、自治体としても看過するわけにはいきません。
 そこで河村市長。あなたは記者会見で、安倍首相とほぼ同様の見解を述べていますが、あらためてうかがいます。
 現在の日本国憲法の下で集団的自衛権の行使は容認できると考えますか、またそれを閣議決定による憲法解釈の変更という手法で強行できると考えますか、イエスかノーか、端的に答えてください。

集団的自衛権には一定の理解をしておる
【市長】
憲法には、国の交戦権を認めないという、世にも恐ろしい条文が入っておりまして、大変危険だ。戦争なくすために言っとるんであって、そういう状況の中では日本の安全は守れない。憲法改正するのは正論で、私もその支持者ですが、残念ながら大変時間がかかる。東アジアの状況見ますと、じっとしとるだけでええのか、アメリカがおりゃええのか。議論をもっと深めていただいたりするのはええですけど、わたくしは、まぁ一定の理解をしておると、こういうことでございます。

それで反自民勢力の結集を言えるのか。公務員の憲法擁護義務の模範を示すべきだ(意見)
【山口議員】市長さん、今日はちょっとおとなしいですね。イエスかノーか端的に答弁を、とお願いしました。はっきりいって両方ともイエス、安倍首相と市長の認識はほとんど変わらないと、言うことだと思います。しかし、そうだったら国政問題の根幹で首相と全く同じ主張をしながら反自民勢力の結集と、よく言えたもんだなと思います。共産党についてもいろいろおっしゃいましたが、今の日本共産党、日本国憲法の条項は全て守るとはっきり綱領に書き込み、国民に公約している。92年反戦平和を貫いてきた歴史と伝統を持つ政党です。党の歴史について市長が知りたいなら、いくらでも論戦しますので、また別に場を変えてやってください。
 問題は、この歴史認識での市長とは何度も論戦してきましたが、二度と戦争しないと誓った憲法の下での70年近い歴史に誇りをもちましょうよ。私たちが生きてきたこの時代の、この日本の歴史に誇りを持てないあなたこそ自虐史観の持ち主ではないかと言いたくなります。
 そして市長、あなたは市役所のトップとして公務員の憲法擁護義務、この模範を示すべき立場に立ってる方だと私は思います。憲法を順守する姿勢のかけらも見せなかったのは私は残念です。時間がないからとかいう問題ではありません。
 少なくとも集団的自衛権の問題、憲法解釈の問題は、慎重に検討すべきで拙速な議論の出し方は危ない、イケイケドンドン危ないんだ、そのくらいの認識は市長として持っていただきたいと思いましたが、ないものねだりだと思います。

キーワード: