2013年2月定例会

わしの恵子議員の代表質問 (2013年3月6日)

中小企業の実態調査をやれ・・・さっそく、行ってちょう。(今ここで)指示を出します(市長)」

主な質問項目
1 保育料の連続値上げについて
2 生活保護費削減について
3 福祉医療制度有料化について
4 敬老パスについて
5 中小企業振興基本条例ついて
6 「自然エネルギー基本条例」について
7 原子力災害対策について   

市民を守るための姿勢にたてるのか

【わしの議員】私どもが取り組んだ市政アンケートでは、「あなたの暮らしいかがですか」の問いに、「生活が苦しくなった」は6割を超えました。「市政に望むこと」では、「介護保険料・利用料の軽減」「国保料の引き下げ」が高位となっています。20代、30代の若い世代からは、「雇用対策」「保育料の引き下げ」を求める声が多くありました。 市が行った24年度の市政世論調査でも、「高齢者福祉」「健康・医療」への要望が高く、やはり社会保障の充実を求める声は切実です。ところが、市長が提案した新年度予算案は国のいいなりで生活保護費の削減、大企業・富裕層に手厚い市民税減税の財源づくりのため、保育料の値上げを始め、学童保育所への助成金の削減など数々の市民いじめの予算となっています。「依然として財政が厳しい」といいながら、一方で、リニアを見据えたまちづくり計画、ささしま巨大地下通路建設など一層の大型公共事業が盛り込まれているのは問題です。税金の使い方を変えて急ぐ必要のない大型開発よりも、自治体本来の役割であるくらし応援の市政に転換するべきです。国が生活保護費の削減など悪政を進めるなら、防波堤になって市民を守るのが自治体のあるべき姿だと考えますが、最初に市長の政治姿勢について伺います。

 庶民をささえる予算だ(市長)

【市長】今回の予算が市民の暮らしを守る予算となっていないのではないかということですが、冗談じゃにゃあ。と申し上げたいと思います。防災においても消防が頑張るといわっせるもんで、地域を守る体制を作っていきますし、子どもの悲鳴、年寄りの悲鳴、これには最大限の配慮をしたとなっております。人助け予算に明確にシフトした予算に、庶民をささえる予算になっとると思います。

 保育料の値上げ撤回を

【わしの議員】以下具体的に質問します。第1に保育料の値上げについてです。新年度予算では、保育料について3歳以上児では月額最高1,900円、3歳未満児では月額最高9,500円と、4億3,300万円もの大幅値上げが提案されました。市長は「名古屋の保育料は安い」と言いますが、今でも県下54自治体中9番目に高いのに、2年連続、合計10.1%の値上げによって、県下で2位の高額保育料になってしまいます。さらに、世帯第3子以降の3歳未満児の保育料無料制度に所得制限をもちこんで、25年度は25%負担、26年度は50%負担へと有料化するものです。市民団体がとりくんだ「河村市長にひとこと」市民メッセージでは、「うちは母子家庭で延長保育も利用しているので、保育料が上がると家計が大変です。値上げはしないでください」「くらしはどんどん厳しくなっているのに、どうして苦しめるようなことをするのですか。子どもを産み育てることを助けてくれないような政策はやめてください。子どもは国の宝です」「第3子無料だと信じ安心して出産したのに、有料になるなんて困ります」市長は「子どもの悲鳴に耳を傾ける」というのなら、保育料値上げを撤回すべきではありませんか。答弁を求めます。

 一定の受益者負担は必要(市長)

【市長】今の仕組みで行きますと、一定の受益者負担でやっていかないとできん。しかし庶民のところはそうさせないということで、350万円までの方は負担をかけず、保育園を利用されとるなら、ちょこっとでもご負担いただけないか。この制度を守るためにやることです。

 いい加減な説明しかできないなら値上げ撤回を(再質問)

【わしの議員】これが今年1月に各育園の入所時、親に配布されました(パネル)。保育料の値上げ8.6億円で保育園があらたに8個できるような図になっている。これを見たお母さんから保育料の値上げは待機児童の解消に役立つのですかと問い合わせがある。値上げ分の8.6億円は全て待機児童対策として当てるということか。

 公的負担と利用者負担のバランスを確保する観点から引き上げ(局長)

【子ども青少年局長】今回の改定は保護者負担の軽減制度を、安定的に維持しつつ保育施策の拡充を図っていくという、公的負担と利用者負担のバランスを確保する観点からお願いする。

 いい加減な情報提供でいいのか(再々質問)

【わしの議員】そうしますと、このチラシと局長の答弁はかい離どころか、全く違う。違うことを、保護者に配布していいのか。市長に聞く。市長はいつも「きちんとした情報提供を」と言われているが、保育園の二年連続の値上げの理由にこういう図を書いてチラシで配布することは正しいでしょうか。

 待機児ゼロをずっと継続するためには受益者負担をお願いせないかん(市長)

【市長】受益者負担という考えは保育でもとっちゃならんということではない。だけど、ことがことなので、庶民にあつくしなきゃいかん。そういう状況の中で、この枠の中でやるには、一定の受益者負担をお願いせないかん。待機児ゼロをずっと継続するためには。そのお金が、保育園1か所にだいたい1億円だから、8箇所分に相当するということで正しい記述だ。

 配布された説明書は誤解を与える(再再再質問)

【わしの議員】苦しい答弁だ。正しい情報を発信するというのは、一番の基本。受益者負担とか軽減率を支えるために必要ならそう書くべきだ。

 持続可能なものにするために最低限の負担をお願いしたいと書いたる(市長)

【市長】そう書いてあるじゃないですか。保育を守っていくため、制度を持続可能なものにするために最低限の負担をお願いしたいと、しかし累進性には配慮するとちゃんと書いてある。

 説明の絵にはそんなことは書いてない。受益者負担が間違い。撤回を(意見)

【わしの議員】この絵が象徴的なんです。これを見ればそんなことは書いてない。絵までかいて、これがあれば、待機児童が解消されると書いてある。解消されるなら、それならやむを得ないという人もいるが、一方で怒りも広がっている。市民は、きちんとした情報を望んでいる。誤ったかたちで説明をしなければならないような保育料の値上げは撤回すべきだ。そもそも、保育料に受益者負担はなじまない。児童福祉法には保育にかける子の保育に名古屋市が責任をもつと書いてある。その立場に立って名古屋市が保育に責任を持つことで、子育てと仕事が両立でき、共働きの方やシングルマザーの方がや安心して預けて働ける、そして市に税金を収めることができる。経済効果にも大きな効果がある。保育とはそういう事業。保育料値上げは本当に撤回すべきです。

 生活保護基準の見直しに反対せよ

【わしの議員】第2に生活保護費削減についてです。生活が厳しい中、名古屋市でも生活保護を受けている人は急増し、今年1月現在37,355世帯、48,756人が受給しています。国は、生活扶助基準額を段階的に3年間合計で6.5%の削減を打ち出しましたが、市の予算も国言いなりの全く同じ仕組みとなっています。今でも生活保護受給者は食費や衣服代、冷房代など切り詰めて生活しているなか、基準切り下げにより、「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する憲法25条に反するものとなり、格差、貧困を一層拡大させてしまいます。そこでまず市長にお聞きします。生活保護基準額の引き下げについて、国に撤回を求めるべきでないですか。明快な答弁を求めます。

 撤回を求めたいんだが、なかなか力がない(市長)

【市長】引き下げは、私は反対なんだけどね。今の、貴族化した政治の中で、役所の給料が依然として高い、そういう状況の中で、こういうところをばっさりやるのは反対でして。撤回を求めたいが、なかなか力がないもんでどうしようもならんということです。

 生活保護費削減による受給者への影響は

【わしの議員】今回の保護費削減による生活保護受給者への影響について、多大の影響を受ける世帯と影響額について例示してください。

 4人家族で3年後に2万円さがる(局長)

【健康福祉局長】国から詳細の基準が示されていませんので、本市の生活保護受給者の影響は正確には判りませんが、国のモデル例では、世帯人員が多いほど影響を受けるものとなっています。具体的には、夫婦と子2人の4人世帯のモデル例では、現在の月額28万2千円が、平成25年8月からは6,000円の減額で月額27万6千円に、3年後の平成27年度からは月額26万2千円になり、現在と比較すると2万円の減額になると試算されている。

 基準の見直しによる就学援助制度への影響は

【わしの議員】生活保護費基準の引き下げによる影響は、住民税の非課税限度額や就学援助など低所得者に対する制度や減免など30以上にも及ぶと聞いていますが、特に心配するのは就学援助への影響です。本市では、就学援助基準を生活保護基準額の1.3倍から現在では1.0倍まで改悪してしまいましたが、今約16万5千人の小・中学生のうち2万5,600人が就学援助制度を受けています。生活保護費が引き下げられることによって、就学援助の対象から外されてしまう子どもが生まれるという事態も考えられますが。将来を担う子どもたちに給食費が払えなくなるなど、貧困の連鎖を押し付けてはなりません。教育長に就学援助の基準額を元の1.3倍に引き上げることなどが求められますが、いかがお考えですか。

 現時点では明らかでない(教育長)

【教育長】生活保護基準の見直しによる就学援助制度への影響は、国から見直しの詳しい内容が示されておらず、現時点では明らかでない。国は、生活保護基準の見直しに伴う就学援助制度への影響について、できる限り影響が及ばないよう対応することを基本的な考え方として示しているので、国の動向を注視してまいりたい。

 自分に力がないと言わず、きちんと国に言うべき(意見)

【わしの議員】生活保護の引き下げの影響は、4人家族で27年度は2万円の引き下げと言われました。悲鳴に耳を傾けるというのなら、自分に力がないと言っているのではなく、きちんと国に言うべきだ。生活保護の基準を変えるなと言えるではないか。最初から言わずに力がないというのはおかしい。そう言う意味で市長に政治姿勢を聞いたのに、市長は、冗談じゃないといったが、そう思うなら、保育料の値上げは撤回してほしいし、生活保護に対しても国にきちと意見を言って欲しい。

 愛知県の福祉医療制度の見直しでも制度を維持するか

【わしの議員】第3に県の福祉医療制度有料化についてです。愛知県は、子ども、障がい者、母子父子家庭、寝たきり等の高齢者対象に行っている福祉医療制度の「見直し案」を公表しました。見直しの内容は、通院・入院時の自己負担や所得制限を導入するものですが、県の補助金によって支えられている本市の福祉医療制度が大きく後退する恐れがあります。2011年10月から始まった本市の中学卒業までの医療費無料化制度は市民に大変喜ばれています。今や高校生まで無料が時代の流れとなっており、ましてや所得制限の導入は時代を逆行させるものです。県の福祉医療の改悪の動きは、1973年以来の医療費無料化の流れを断ち切り、窓口無料から有料に変える歴史的大改悪です。新聞報道によると、市長は「福祉を削るのはけしからん」と県を批判されたそうですが、大村知事に対してやめるように求めましたか。県の改悪が行われるなら市が肩代わりしてでも市民の命・健康守るべきだと考えますがいかがですか。

 日本一は絶対キープしたい。それに食い込むなら抗議する(市長)

【市長】福祉医療制度の見直し、だいたい10億円くらいで。県がそういうことやって医療にしわ寄せを持って行ってはいかん。けど、今の仕組みのままだったら、誰かが負担せなかんので、県の言うことはそうなる。医療の中だけでも構造改革するとか、医療でない所も行革等によって捻出すべきことではあると思います。中学生の医療費を無料にしましたし、ワクチンも圧倒的に進んでおります。500円ワンコインがん検診もやってますので、名古屋の医療が日本一だと言うことは絶対キープしたい。もし、それに食い込むことだったら、めちゃめちゃ抗議せにゃいかんと思ってます。

 敬老パスの拡充を

【わしの議員】第4に敬老パスについてです。「名古屋の宝:敬老パスを考える会」実行委員会は敬老パスについてのアンケートに取り組んできました。アンケートからは、65歳から敬老パスで出歩くことが高齢者の健康や、家族の幸せ、買い物など経済効果、公共交通の維持・存続にも役立っていることが示されました。一方、JRや名鉄にも適用できるようにしてほしいという意見も多数です。64歳以下の方からも「私の老後のため廃止しないで、多くの高齢者の感謝の声を聞きます」など、まさに、名古屋の敬老パスは全国に誇れる宝です。それなのに名古屋市は敬老パスの事業仕分け結果を理由に、制度のあり方の検討を始めました。敬老パスは65歳から、一部負担金も引き上げす、現行制度を守り、拡充こそすべきだと考えますが、市長にお聞きします。

 守ります。そのためにどういうことが必要かを考える(市長)

【市長】敬老パスは、守るということでやります。10月に社会福祉審議会から意見具申をいただく予定ですので、守るためにどういうことが必要かということで考えていきたい。

 中小企業の実態調査を

【わしの議員】第5に中小企業振興基本条例についてです。本市では、いよいよ「中小企業振興基本条例」が制定される運びとなりましたが、中小企業が実際に社会の主役として地域社会に役立つことができるよう、中小企業憲章の精神を活かしたものにすることが必要です。基本条例の13条には「小規模企業者への配慮」が掲げられています。そこで、市長に伺いますが、行政サイドの工業統計の対象から外されている従業員3人以下の小規模零細業者が、今、何に困っているのか現状と課題を把握し、市が応援するために職員による訪問調査を行うことを求めますがいかがですか。

 行くように指示したい(市長)

【市長】従業員3人以下のところへ行ったらどうかということで、「さっそく行ってちょう」ということで。(公明党の代表質問では、議場の答弁で)その場で指示して7割が実行されとるということです(指摘された)ので、これも実行させます。区で行くか市民経済局かわかりませんが、行くように指示をしたいと思います。

 実態調査は、必ずやっていただきたい(意見)

【わしの議員】中小企業へ実態調査に行くことは、やっていただきたい。何回も質問してきたが、ぜひ中小零細業者が何をして欲しいか聞いていただきたい。

 太陽光発電促進による中小企業の仕事おこし・雇用の創出を

【わしの議員】第6に太陽光発電促進による、中小業者の仕事おこし・雇用の創出についてです。名古屋市では来年度より、環境局に限定するものの公共施設の屋根を太陽光パネルの設置場所として、貸し出すことになったことは評価します。今後さらに公共施設を対象に屋根貸しをしていくことを求めます。湖南市では「地域自然エネルギー条例」を制定し、自然エネルギーは地域固有の資源であるという認識のもとに、自然エネルギーの活用を通じて地域経済の活性化につながる取り組みを進めています。本市でも、市から貸し出された施設の屋根を活用して、中小企業にパネルの設置を依頼すれば、技術を生かした中小業者の仕事おこし、雇用創出を促すことになると考えます。そこで市民経済局長にお聞きしますが、市の施設に太陽光発電のためのパネル設置を進めていくことによって、地元中小業者の仕事おこし、雇用の創出を促し、名古屋市の経済の再生に大きな力を発揮するものだと考えますがいかがでしょうか。

 市の施策が中小企業の仕事につながっていくように連携したい(局長)

【市民経済局長】「産業振興ビジョン」で、重点産業分野の中で、環境・エネルギー分野のひとつに掲げ、産学連携による研究開発の促進や技術相談などにより、その振興を図っている。市内中小企業が市民生活を支える重要な役割を果たしているとの認識のもと、今回、中小企業振興基本条例を議案提出した。この制定を契機に、市の施策が中小企業の仕事につながっていくよう、機会を捉えながら、関係各局との連携を図っていく。

 市の原子力災害対策計画の策定状況は

【わしの議員】第7に原子力災害対策についてです。福島第一原発の事故から2年になろうとしていますが、収束の目途はなく、16万人もの方が避難生活を余儀なくされています。日本共産党市議団は、原発事故を受けて、市の地域防災計画に原発事故を想定した独自対策をもりこむことを求めてきましたが、市長は、「原発事故を想定した地域防災計画の見直しは必要」と肯定しました。愛知県は2012年5月に専門家による「愛知県地域防災計画『原子力災害対策画』の策定検討委員会を設置し、早急に素案をまとめ、2013年6月頃の防災会議に提出、地域防災計画として決定することをめざしているとお聞きしています。そこで質問ですが、本市の原子力災害対策の策定について、どのように進められているのか副市長にお尋ねします。私は、原子力防災計画の策定にあたっては、福島第一原発の事故の経験と教訓を踏まえた過酷事故を想定した対策とすべきと考えます。福島第一原発に匹敵するような事故を起こさないことこそが最大の防災であり、原発即時ゼロの実現が最良の「原子力防災」であると考えるものです。

国や県の動向と、庁内勉強会を考慮しがら、必要な対策を防災計画に反映したい(副市長)

【副市長】平成24年10月に、国の原子力規制委員会が「放射性物質の拡散シミュレーション」の試算結果を公表したことを受け、すみやかに、名古屋市危機管理対策本部会議を開催し、まずは関係局からなる「放射線に関する庁内勉強会」において、有識者の意見等を聞きながら調査・検討を行うこととした。今後は、国・県の動向を踏まえ、また庁内勉強会の検討内容も考慮しながら、必要な対策について本市の地域防災計画に適切に反映して参りたい。 

子どもや高齢者の悲鳴に耳を傾けるとは思えない予算。市民本位のものに転換すべき(意見)

【わしの議員】市長が子どもや高齢者の悲鳴に耳を傾けるとか、庶民の生活を大切にするとか言われたけれども、そういうふうにはとても言えない予算だと思う。この予算を市民本位のものに転換すべきだと思う。日本共産党市議団は、」市民が主人公となる市政実現のために、全力で頑張ることをお約束しまして終わります。