経済水道委員会 (2025年5月15日) 名古屋城天守閣整備事業の進め方に係る総括 みつなか美由紀議員
天守閣木造復元 河村前市長のスケジュール優先が原因
名古屋城天守閣の木造復元をめぐる市民討論会(2023年)で障害者を差別する発言があった問題で、市は15日の経済水道委員会で、問題の経緯などをまとめた「総括」を明らかにしました。 日本共産党の、みつなか美由紀議員がおこなった質問を紹介します。
スケジュール優先の進め方が事業全体に影響
「総括」は、事業全体に影響を与えたものとして、スケジュールを優先した事業の進め方と職員の苦悩と葛藤を挙げ、そのなかで起こったのが市民討論会での差別事案であるとしています。
みつなか議員は、「天守閣整備を急ぐ前市長の強い意向の中で、職員が葛藤していたことが原因になっているのではないか」と指摘しました。
市民の声を聞くことに欠けていたのではないか
「総括」は一方で、市民にわかりやすく情報を提供する欠ける点があったとしています。これについて、みつなか議員は「情報提供をしっかり行っていくというのは当然必要だがそれ以上に、市民の声を聞く、民意を踏まえる、という姿勢が欠けていたことを、今回の事態の原因としてしっかり捉えないといけないのではないか」と質問。
さらに、「9年前に実施した2万人アンケートをもとに『6割の市民が木造化を支持した』と言い張るがそれは事実ではないし、今、それだけの支持があるのか。天守閣復元事業にかかわって、この間様々な問題があり、市民感情にも変化がある。再度市民の意思を聞くべきではないか」と述べ、再度市民アンケートを行うことを求めました。
木造復元ありきでなく 原点に立ち返って検討すべき
2016年に市が実施した「2万人アンケート」は、「2020年までに木造化」「期限は切らないが木造化」「40年しかもたない耐震化」から選ぶというもので、主題は「木造復元」ではなく、「2020年木造化」という市長提案について賛否を問うことにありました。
結果は、市長提案の「2020年木造化」に賛成が21.5%、それ以外が66.9%と、市長提案に反対が賛成の3倍以上となりました。
しかし、委員会に出席した広沢一郎市長は、「今も多くの市民が木造化を望んでいると受け止めている」となどと強弁。みつなか議員がアンケートを改めて実施するよう求めても「行わない」とかたくなな態度に終始しました。
あらためてみつなか議員が、「木造復元ありきで進めるのではなく、原点に立ち返って市民の意見を聞くよう」強く求めると、広沢市長は「いろんな形で市民の声を聞く場面を設けていきたい」「市民の声はいろんな場面で、いろんな形で寄せられるので注視したい」と述べました。
「水道料金の据え置き」請願は審議打ち切り
委員会では、水道料金の据え置きを求める市民請願も審査。みつなか議員は「昨年の値上がり品目数を大幅に上回る物価高騰のもとで、水道料金の値上げは市民の命に関わる問題だ。他の部局との連携など努力を尽くして料金を据え置くべきだ」と主張。
しかし、関連の予算が議決しているとして、日本共産党以外の賛成多数で審議打ち切りとなりました。
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