アジア大会のボランティア募集を巡る個人情報の流出行為は議員辞職に値する

 日本共産党名古屋市会議員団は、5月臨時議会で副議長に選任された上園晋介市会議員(国民民主党)が、アジア・アジアパラ競技大会のボランティア募集を巡り、無断で市民26人を登録していた問題で、岡田ゆき子幹事長の談話を発表しました。

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(談話)

アジア大会のボランティア募集を巡る個人情報の流出行為は議員辞職に値する

2025年5月28日

日本共産党名古屋市会議員団

幹事長 岡田ゆき子

一、5月臨時議会で副議長に選任された上園晋介市会議員(国民民主党)が、アジア・アジアパラ競技大会のボランティア募集を巡り、無断で市民26人を登録していた問題で、副議長を辞職したことは当然である。

 この問題は、アジア大会ボランティアに「勝手に登録」されたとして、市内男性が警察に被害相談したことで発覚した。上園市議は、以前に名刺交換した市民の中から、登録に必要な氏名、住所、メールアドレス、電話番号の記載が名刺にあった26人分を選び、本人の承諾なく勝手に登録したという。

 市会議員が自身で知りえた個人情報を、本人に無断で流出させる行為は、個人情報保護の観点から断じてあってはならない。しかも、アジア・アジパラ競技大会は、アジア・オリンピック評議会(OCA)が主催し、アジアの45の国と地域が参加する国際的スポーツの祭典であり、名古屋市長が組織委員会会長代行を務めるなど、名古屋市としてその開催・運営に責任を持っているイベントである。その競技大会の運営を支えるボランティアは、「応募及び参加に当たっては、組織委員会及び開催都市が必要と認める本人確認を行うことに同意するもの」(愛知・名古屋 2026 大会「ボランティア参加規約」第15条)とされている。上園市議がこうした規約を知りながら本人に無断で登録することは言語道断であり、もし、名古屋市が責任を持って開催する大会のボランティア募集にあたって、その規約も確認していないとすれば、市会議員としてあまりに無責任である。

 上園市議の行為は、「議員は高い倫理性を常に確立し、誠実かつ公正に職務を遂行する」という名古屋市議会基本条例が定める「議員の活動原則」に反し、議員辞職に値するものである。上園市議には自らの出処進退を早急に明らかにするよう求めるものである。

一、上園市議がボランティア無断登録で使ったのは、通常の方法では初期段階で求められる顔写真、運転免許証など本人確認書類を用意する必要がない特例的な応募方法だった。この方法は公開されておらず、利用できたのは、名古屋市内ではアジア・アジアパラ競技大会の推進議員連盟に参加する市議会3会派(自民党・名古屋民主・公明党)、および2つの団体だったという。日本共産党市議団は推進議員連盟に参加しておらず、ボランティア募集で特例方式があることすら知らされていなかった。

 5月26日の市長記者会見では、アジア大会の組織委員会にたいして「応募した記憶がない」などの問い合わせが12件あり(5月22日現在)、そのうち5件は上園議員関連であり、残り7件については別の市会議員が名簿を取りまとめたということが明らかとなった。この7件については名簿を提出した市議がボランティア登録の意思を確認したとのことだが、本人確認の同意を要件とする「ボランティア参加規約」を軽んじる事態だと言わなければならない。

 特例方式によるボランティア募集を行った市議会3会派には、募集を巡って個人情報の不適切な取り扱いなどがなかったのか、徹底的な調査を行うよう求めるものである。