2024年度一般会計予算に対する反対討論 田口 一登議員

「金持ち減税」やめて、値上げストップ、生活支援に

 3月21日の市議会最終日、田口一登議員が一般会計予算にたいする反対討論を行いました。その要旨を紹介します。

3つの保険料値上げ

 反対する理由の第1は、物価高騰で苦しんでいる市民に〝3つの保険料値上げ〟で負担増を強いる予算となっているからです。
 国民健康保険料は平均年額7,492円の値上げ、介護保険料は年額3,696円の値上げ、後期高齢者医療保険料は平均年額12,264円の値上げです。
 収入が年金だけで年間200万円の高齢単身世帯では、74歳までの方は国民健康保険料と介護保険料を合わせて10,290円の負担増となり、75歳以上の方は後期高齢者医療保険料と介護保険料を合わせて11,260円の負担増になります。物価高騰で苦しむ市民に追い打ちをかける保険料値上げは中止するよう求めます。

中断している天守閣木造化

第2は、行き詰まっている不要不急の大型事業を推進するからです。
 名古屋城天守閣の木造復元は、昨年6月に開かれたバリアフリー市民討論会の差別発言問題の検証作業で中断しています。予算案には、木造復元の実施設計や天守閣昇降手段の予算が計上されていますが、検証作業が終了するまでは執行することができない予算を計上することは認められません。天守閣木造化は中止し、現天守閣の耐震改修へと舵を切り替えるべきです。
 中部国際空港の2本目滑走路の整備は設計段階へと進みますが、事業の名称が第2滑走路整備=滑走路増設から代替滑走路整備に変更されました。需要予測が立てられず、滑走路処理能力の向上を目的とするものではないことから、滑走路の増設とは呼べなくなったと言わざるをえません。それにもかかわらず、2本での運用をめざして滑走路整備を進めることは容認できません。

減税額トップは429万円

 第3は、「金持ち減税」はやめて、約100億円の財源を福祉や子育て支援に活用するべきだからです。
 河村市長の市民税減税は、今年度の減税額がトップの方は429万円も減税されるなど富裕層優遇の減税であり、河村市長自身が「誰もほめてくれない」と嘆くほど、庶民には恩恵の実感が乏しい減税です。来年度はこの「減税」によって約100億円の減収見込まれています。このまま「金持ち減税」を続ければ、財源不足によって福祉や暮らしのための施策を充実をできず、市民サービスの低下をもたらすことは、火を見るよりも明らかです。「金持ち減税」はやめて、約100億円の財源を確保し、保険料値上げによる負担増を抑制するとともに、小学校給食費の無償化をはじめとする暮らしを支える施策に振り向けることを求めます。

名古屋市が婚活イベント開催

 来年度予算では少子化対策のひとつとして「出会いや結婚の希望をかなえる支援」の予算が計上されました。田口一登議員は、来年度予算に対する反対討論で家族や性のかたちなど価値観が多様化しているもとで、行政が行う婚活支援は「結婚」という価値観を押し付け、多様な生き方の尊重という名古屋市の行政理念と齟齬をきたしかねないことを指摘しました。少子化対策のために行政が行うべきことは、結婚して子どもを持ちたいと思う人たちが、安心して子どもを産み、育てられる環境の整備です。

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