2022年9月議会

江上博之議員の個人質問(2022年9月15日)④名古屋城天守閣い木造復元に係る財源について

天守閣木造復元と維持管理を入場料で賄うことが今でも可能であり、税金投入はしないと考えているのかどうか

【江上議員】名古屋城天守閣木造復元については、名古屋市が持っていないノウハウを持つ民間にお願いし、工期が短くなるということで技術提案交渉方式による基本協定で事業を進めてきました。期限は、当初、2020年7月、それが今年2022年12月にしましたが、現時点では、期限を確定できないとしています。ですから、日本共産党は、もともと市民合意がない事業であり、基本協定を白紙に戻し、木造化を中止することを求めています。
 しかし、河村市長は、強引に事業すすめてきました。それでも事業はすすみません。特別史跡の本質的価値を構成する要素である石垣の保全の重要性をないがしろにしてきたからです。石垣保全を最優先にするとともに、石垣をどう市民にみてもらうかの検討こそ求められています。
 財源が問題です。市長は、財源は入場料で賄い、税金は投入しない、と公言してきました。建設費で、以前は、約250億円から400億円と言ってきたものが、技術提案交渉方式で460億円を超え、消費税を含めると500億円を超えます。さらに、維持管理費を含めると50年間で1000億円を超えます。しかし、そもそも入場料で賄うことは不可能と私は言ってきましたが、さらに、コロナ禍を受け、観覧者の観覧のあり方、距離を取ってゆったり鑑賞することの大切さ、観光や交流のあり方、文化財にしようとしている施設の観覧のあり方など新たな条件から見れば、とても入場料だけで賄えるものではありません。そこで、民間委託も含めて要は、人件費削減案を市は、出しています。しかし、文化財にしようという施設である以上名古屋市の責任でしっかり管理しなければなりません。その点から見ても、税金投入必至です。
 そこで、観光文化交流局長に質問します。天守閣木造復元と維持管理を入場料で賄うことが今でも可能であり、税金投入はしないと考えているのかどうか明らかにしてください。

名古屋城の全体整備を継続的に推進し歴史的・文化的価値を高めることで、入場者数と入場料収入の確保に努めたい(局長)

【観光文化交流局長】名古屋城の入場者数は、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける以前の2017年度には190万人、2018年度及び2019年度には200万人を超え、多くの方にお越しいただいていた。
 入場者数が堅調に伸びていたのは、本丸御殿の公開や金シャチ横丁の整備、おもてなし武将隊による誘客策を始めとした名古屋城の全体整備や、様々なイベントの企画等によるもの。コロナ禍でも感染症対策を講じながら可能な限り年間イベントを継続し、2021年度には「西の丸御蔵城宝館」を城内に開館、企画展等を実施することで名古屋城の魅力を発信してきた。
 天守閣木造復元にかかる財源は入場料収入で賄っていくとの方針の下、今後も社会情勢に合わせた様々なイベントを実施し、国内外からの来場促進を図るとともに、名古屋城の全体整備を継続的に推進し歴史的・文化的価値を高めることで、入場者数と入場料収入の確保に努めたい。

今必要なのは、名古屋城全体の整備計画(意見)

【江上議員】そもそも、税金で建設し、維持管理し、その後、年度ごとに入場料で返済していくというしくみであって、入場料で返せなければ税金投入となるという仕組みです。コロナ禍を受け、ますます税金でしか建設、維持できるものではありません。改めて、財源面からも木造復元中止を求めます。
 今必要なのは、名古屋城全体の整備計画です。再建の時代も施設でばらばらでいいのかも問題です。あるものは残し、ないものの再建こそ必要です。

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