個人質問 さはしあこ議員 (3月7日)

さはしあこ議員は7日の本会議質問で、市バス「高速1号系統」の廃止問題と、緑市民病院の市大附属病院移行後のありかたについてただしました。

市バス路線「森の里団地(緑区)⇔栄」住民の悲痛な声に応え、廃止方針撤回を                      

 市は赤字を理由に、市郊外の「森の里団地」(緑区)と中心街の「栄」(中区)を結ぶ市バス「高速1号系統」を4月から廃止する方針です。路線距離は市バス最長(24㎞)で、名古屋高速道路を経由する市内唯一の路線(料金は通常料金210円+高速料金10円=220円)です。

「廃止されたら困る」-1万人が署名

 廃止方針が地元に示されると、撤回を求める署名が沿線各地で取り組まれ20日間で賛同者は計1万人に。地元3学区の区政協力委員長や町内会、自治会、商工会も市に請願、陳情、要望書を提出するなど反対世論が急速に拡がっています。
 さはし議員は「市バスは通勤、通学、買い物、通院など日常生活に欠かせない市民の足。『廃止されたら困る』『4月から利用するつもりで進学先の高校を決めたのに』などの訴えが、私のもとにも次々寄せられている。市はこの悲痛な声を受け止めるべきだ」と述べ、再考を迫りました。

「赤字で経営が厳しい。丁寧に説明する」(局長)

 これに対し交通局長は「この路線は約8千5百万円の赤字。市の交通事業はコロナ禍で非常に厳しい経営状況にあり、路線の再編成が必要。民間鉄道駅へのアクセスの改善など利便性が向上するので、丁寧に説明していきたい」と述べるにとどまりました。

拙速な廃止方針は撤回すべき

 さはし議員は「赤字だからといって地域の重要な足を切り捨てていいのか。路線の存続・廃止は、地域にとって重大問題。丁寧に時間をかけるべきだ。あまりにも拙速な判断ではないか」と重ねて撤回を要求。しかし局長は「丁寧に説明する」と繰り返すだけでした。
 さはし議員は「路線廃止を前提とした説明は求めていない。地域の皆さんも私も(拙速なやり方は)全く理解できない。4月廃止は撤回を」と強く求めました。

緑市民病院

 市大附属病院への移行後も「地域密着型」さらなる充実を提案

 市立緑市民病院(指定管理者が運営)は来年4月から、市立大学医学部附属病院に移行する予定です。これにともなって、国による病床削減の流れのもと95床が削減されるなど、住民から不安の声があがっています。 さはし議員は、「地域密着型」病院としてさらなる充実に向けて、二点提案しました。

「運営協議会」の機能を残すべき

 一つ目は同病院独自の「運営協議会」機能の継続です。「協議会」は、10年前の同病院への指定管理者制度導入にともない、市民請願に基づき設置されたもので、医師会長、患者・市民代表、市保健福祉センター所長、同病院長などで構成されています(年2回開催)。
 さはし議員は、待合室へのポスト設置や受診時対応の改善などの”実績”に触れ「地域のニーズを医療に直接反映させる先進的なしくみであり、本市の宝だ。この機能を引き続き残してほしい」と求めました
 健康福祉局長は「利用者等様々な人から意見をいただき、日々改善に取り組んでいくことは非常に意義がある。利用者の要望等への対応は、引き続き市と市立大学とで協議していく」と答えました。

住民要望に沿ってリニューアルを

 二つ目は、住民からの要望が多い、「災害に強く、環境にもやさしく、感染症に対応できる病院」への思い切ったリニューアルです。局長は「施設の老朽化は進んでいるが、(提案は)病院全体の対応が必要になるので慎重な検討が必要」と述べるにとどまりました。
 さはし議員は、「市大附属病院移行後も、地域との信頼関係を引き続き築いてほしい」と要請しました。

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