代表質問 江上博之議員(3月4日)

江上博之議員は3月4日の代表質問で、新型コロナ感染対策などについて市長の姿勢をただしました。

PCR検査等の拡充が 感染拡大防止に効果的 

          保健所職員を20年で177人(18%)も減らした反省を

 新型コロナ感染拡大防止のために感染経路を断つことは重要です。江上議員はPCR検査等の「いつでも、だれでも、無料」で大規模に実施することや、高齢者施設や保育園、学校関係者の定期的検査を求め、保健所・保健センター組織の拡充、職員の増員を求めました。
 河村市長は「PCR等の無料検査は愛知県が実施している。高齢者等の施設での検査は抗原検査キットの不足で県が中止していたが再開された。保育所や学校は感染したら病院で対応する」「保健所は新年度で8人増員で機能強化する」と答弁。江上議員は「第7派に備えていくためにも、もっとしっかりとやっていく必要がある」と指摘しました。

加齢性難聴者への補聴器購入助成を 厚生院の特養ホーム廃止はやめよ 

 コロナ禍を踏まえた、暮らし、医療、福祉の充実について、江上議員は、厚生院病院の病床削減・特別養護老人ホーム廃止の中止、敬老パスの利用回数制限の中止、加齢性難聴に対する補聴器購入補助等の創設を求めました。
 市長は「社会背景が変化する中、民間活力の活用などを検討し、民間施設で可能と判断し、特養ホームも民間の整備数を市の計画に組み込んでるので廃止していく」「加齢性難聴に対する補聴器の補助は、国の動向を見守る」という消極的な答弁でした。

敬老パスの回数制限中止を

 敬老パスの利用回数制限について、市長は「乗換カウント一回の導入準備に乗換実態の調査などで時間がかかっているが、早期に実施したい。回数制限は行う」と答えました。

コロナ後を見据えた中小企業支援を CO2排出ゼロに名古屋の技術力を

 コロナ後を見据え、気候変動も踏まえたモノづくり産業に対する経済対策について、市長は昨年11月議会で「この地域は自動車産業によって助けられている。ガソリンエンジンはみんな悪であるかのように簡単にいっていいものか」と答弁したことに対して、今こそ排出ゼロにふさわしいモノづくり支援の必要があるのではないかとただしました。市長は、「EV化で仕事が減る中小企業もあるので工業研究所の技術支援などのサポートや他分野への転換支援などで支えたい」と答えました。江上議員は「大変革の時代と認めた。名古屋市としてモノづくり産業をしっかり支えて」と求めました。

買った木材の保管に年1億円、 石垣の損傷は深刻、復元も長期化

 名古屋城天守閣木造復元事業の予算には木材の保管料約1億円が含まれていますが事業が進む見通しがありません。石垣・埋蔵文化財部会でも小天守の西側石垣が濃尾大地震で破壊され、遺構すらはっきりしない中で仮設工事の方法のさらなる検討が必要となるなど、調査すればするだけ問題が出てきます。復元工事がいつになるかわからないのに、「今買わなければなくなる」といって木材購入を強引に行い、今度は、買った木材の保管が必要と保管料を毎年1億円の予算化です。江上議員は「強引な木造復元は中止を」と求めましたが、市長は「本丸整備基本構想のもとに、本丸御殿に続けて天守閣の復元事業を進める」と答えました。

市独自サービスの制限への不安が―プライバシー漏洩の不安も―

 デジタルトランスフォーメーションで行政事務のデジタル改革や地方公共団体情報システムの標準化の推進が提案されています。少子化で労働力の供給に制約が生じると想定されるから職員数の縮小を前提に、「標準化・共通化」を進めるという見方や、情報が漏えい、プライバシーが侵害されたときに名古屋市は責任をとれるのか、など大きな疑問がある施策です。今回の「標準化・共通化」の問題について、江上議員は「情報システムの標準化に参加しても市独自の市民サービスは行っていくのか」とただし、市長は「制限されない」と答えました。江上議員は「国はやりたければやればいいというだけで財政的な保証がない」として指摘しました。

リコール不正署名・金メダル事件の市長の責任を明確にせよ
              政治倫理条例は議員と市長一緒なら賛成(市長)

 知事リコール不正署名事件、金メダル事件という名古屋市民にとって民主主義や人権を揺るがす事件が起き、市民の名誉が傷つきました。知事リコール署名の中に偽造があると有罪判決が出ました。江上議員は「43万人の署名を根拠に出した大村知事への公開質問状は撤回を」と求めました。
 金メダル事件での私の質問に、市長は「自省、猛省、社会にいいことをやる」と答弁しました。江上議員は「市長を対象とした政治倫理条例を制定してはどうか」とただしました。
 市長は「私は不正をしていない。質問状の撤回はしない」と答え、「各地の政治倫理条例は議会と市長が一緒にやっている。同時にやることには賛成」と答えました。江上議員は「まず自分の行動についてしっかり反省し、明確なけじめをつけることが必要。質問状は撤回し、政治倫理条例の制定を」と求め、「木材保管料には毎年1億円を出費する一方で厚生院を廃止する。とんでもない市政。コロナ対策やコロナ対策の後を見据えて全力を尽くす」と決意を語りました。

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