個人質問 さいとう愛子議員(9月16日)

 9月16日、本会議個人質問でさいとう愛子議員は、名古屋市図書館第1ブロック施設整備方針(案)について質問しました。

利便性に差がでる再編・縮小計画

 さいとう議員は、より専門的なレファレンスを行うのは、星ヶ丘駅近くに整備される予定のアクティブライブラリーのみとなり、より深く学び調べるためには、特に守山区・東区から、星ヶ丘まで行くには、時間と交通費が必要となり、地域によって利便性が大きく差ができると指摘しました。
 市議団が行った図書館アンケートでは、区の図書館を月1回以上利用していた人が星が丘に大きな新しい図書館ができても、東区で62.8%、守山区では53.4%が「行きたいとは思わない」と答えています。 (下図)
 教育長は「鶴舞中央図書館のみで扱っている、専門的な資料データベースを、星ヶ丘のアクティブライブラリーでも利用できるようにする」と答えました。しかし、星ヶ丘付近へのアクティブライブラリー整備の見通しはたっていません。

おはなし会は名東図書館内ではなく複合施設内で

 現在、名東図書館では司書が中心となり、おはなし会やボラティア育成がおこなわれています。転出入の多い名東区で孤立を防ぎ、子育てをサポートする役割を果たしてきました。さいとう議員は、最も縮小される名東図書館では、今後、おはなし会は行われなくなるのかと質問しました。
 教育長は「これまで以上に、学校や児童館へ出張するなど様々な工夫する」と答え、新しい名東図書館で「おはなし会」を行うとは答えませんでした。また、「おはなし会等の行事につきましては、入居する複合施設内に必要なスペースを用意し実施することを予定しております」といつでも使えるおはなし会のためのスペースは図書館内につくらないことが明らかになりました。

子どもスペースも複合施設内に

 名東図書館には、子どものスペースがあり、四角いマットが敷いてあり、寝そべって本を読むこともできます(現在はコロナ対策で椅子と机)。この場所は、1975年名東区が分区され、図書館建設が具体化する中で市民の声によって作られました。しかし、施設整備方針案では、メインターゲットを「通勤や通学の途中に立ち寄る人」「本を手に取って選び、貸出や返却だけできればよい人」「複合先の施設を利用する人」とし、親子連れの利用は想定していません。


 さいとう議員は、市議団のアンケートで87%の方が、「閲覧スペースや子どもペースを『あったほうがよい』」と答えていることをあげ、「図書館そのものの機能や意味がなくなる気がする」という声を紹介しました。(上図)そして、新しい名東図書館には子どもスペースが作られるのかと聞くと、教育長は「子どもたちが自由に本を読めるよう、入居する複合施設内に必要なスペースを用意することを予定しております」と繰り返しました。児童書や紙芝居の蔵書も減らされ、子どもたちや親子が今までのように利用できなくなることが危惧されます。

 最後に、さいとう議員は、名古屋市図書館第1ブロック施設整備方針(案)の撤回と、地域の利用者、子どもたちの意見を受け止めて、地域密着型の図書館として発展させるよう求めました。

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