2020年2月議会

田口一登議員の代表質問 ②補聴器(2020年3月4日)

加齢性難聴に係る補聴器購入に対する支援について      田口一登議員

聴力低下した方が早期から補聴器を使用する重要性を認識しているか
【田口議員】「えっ!?何っ?もっと大きい声で言ってよ」――わが会派の団会議でも、こんな会話が交わされるようになりました。歳を取ることにより耳が遠くなる加齢性難聴は、50歳頃から始まり、国の研究機関の調査によると、65歳以上の高齢者のおよそ半数に難聴があると推計されています。多くの高齢者にとって難聴は身近な問題であります。難聴になると、家庭の中でも社会的にも孤立しやすく、人との会話や人と会う機会が減り、引きこもりやすくなります。認知症との関連も指摘されていて、厚生労働省の新オレンジプランでは、難聴が認知症の危険因子の一つとしてあげられています。
 耳が遠くなったら補聴器を使用することで、聞こえを改善することができます。日本耳鼻咽喉科学会はホームページで、「自分が日常の会話で聞き取りにくいことが多くなったと感じたり、重要な会話が正しく聞けないと感じたら補聴器を使うことを考えてください」と呼びかけています。世界保健機関(WHO)は、聴力が中等度難聴の41デシベル以上の場合に、補聴器の使用を推奨しています。ほうっておくと聴力がさらに低下し、認識できない音が増えていくからです。聴力が低下したら、なるべく早く補聴器を使用することで、生活の質を向上させることができるのではないでしょうか。
 そこで健康福祉局長に、加齢による聴力低下が見られる方への早期からの補聴器使用の重要性について、認識を伺います。

補聴器による聴力の補正は可能だが、難聴の進行抑制効果はエビデンスが確立していない(局長)
【局長】日本耳鼻咽喉科学会のホームページでは、補聴器を使用することの必要性や有効性について、「聴覚検査の結果と日常の音の環境とそれぞれの人にとって重要な会話の関係から、総合的に判断する必要がある」とされ、加齢性難聴も、適切に補聴器を使用することで聴力を補正することが可能と考える。
 しかし、補聴器を使用することによる加齢性難聴の進行抑制の効果は、エビデンスが十分に確立されていない。

高齢者の社会参加の必需品である補聴器購入への支援策を
【田口議員】難聴の人の補聴器の所有率は、日本は欧米諸国の半分以下とたいへん低くなっています。その最大の要因は、価格が高いことです。片耳でも3万円から20万円以上にもなる高価なものまでありますが、保険適用ではないので全額自己負担です。障害者福祉の補装具として1割負担で購入できるのは、障害者手帳を交付された、両耳の聴力レベルが70デシベル以上という高度、重度の難聴の場合に限定されています。
 補聴器の使用を促進するために、補聴器購入費を補助する自治体が広がりつつあります。本市でも、補聴器購入への助成制度を設けることを提案したいと思います。
 補聴器を購入したのに使っていない方も少なくありません。その人に合わせて補聴器を調整することが重要ですが、必要な調整が行われていないからです。補聴器を適切に使用してもらうために、専門的知見をもった補聴器相談医や認定補聴器技能者に市民が相談しやすい仕組みをつくることも求めます。
 市長、いまや高齢者の社会参加の必需品といっていい補聴器を、加齢性難聴になった市民が気軽に購入し、適切に使用できるようにするために、私が提案したことも含めて、市としての支援策を検討すべきではありませんか。

因果関係などよくわからないので勉強させて(市長)
【市長】難聴のことは因果関係などよくわかりませんので、よう勉強させてちょう、ということでお願いします。

国も研究を進めている、何ができるのか真剣に検討を(意見)
【田口議員】加齢性難聴について健康福祉局長は、「適切に補聴器を使用することにより、聴力を補正することが可能」だと答弁されました。補聴器を使用することで、聞こえを改善することができるという認識は、健康福祉局長もお持ちだと思います。
 「補聴器の使用による加齢性難聴の進行抑制の効果は、エビデンスが十分に確立されていない」との答弁もありましたが、補聴器の使用による聞こえの改善効果は明らかです。難聴の高齢者の聞こえを改善することは、高齢者の社会参加の支援になります。国も研究を進めているのですから、本市でも何ができるのか、真剣に検討していただきたい。