2017年9月定例会

岡田ゆき子議員の個人質問 ①発達障害の高校での支援(2017年9月15日)

高等学校等における発達障害の生徒に対する特別支援教育について
                    岡田ゆき子 議員

特別な支援が必要な発達障害のある生徒の教育環境についての現状認識は
【岡田議員】近年、発達障害により支援が必要な児童・生徒の存在が注目されています。憲法では、「能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」とされ、教育基本法は「国、地方公共団体はその障害の状態に応じ、十分な教育を受けられるよう、教育上必要な支援を講じる」、学校教育法は「障害による学習上または生活上の困難を克服するための教育を行う」としています。
 名古屋市も義務教育過程では、特別支援学級、発達障害対応支援員の配置等の拡充を進めてきました。それでは、中学校卒業後の、発達障害のある生徒の特別支援教育の環境はどうなっているでしょうか。
 昨年度の市内中学校特別支援学級の卒業生は、266名です。そのうち、8割に当たる223名は知的障害の特別支援学校に進学されています。残りの約2割、32名は普通高等学校に進学されています。この2割の生徒がすべて発達障害とは限りませんが、高校でも支援が必要な発達障害の生徒を受け入れて試行錯誤しながら、実践的対応がなされていると聞きます。
 保護者から相談を受けました。自閉症スペクトラム(ASD)と診断され、精神保健手帳を所持し、知的障害はありません。対人障害を有し、中学校までは、1クラス10人の特別支援学級に在籍していました。本人は進学を希望していましたが、普通高校では基本40人クラスの為、パニックを起こしてしまい無理。昼間定時制は、一クラス20人前後のクラスもあるので、なんとか通えるかもしれないと、市内の定時制高校に入学されました。しかし、生徒の多さや新しい環境に馴染むことができず、入学して早々に登校できなくなりました。再度気持ちを切り替えて、立ち直るのは、非常に困難になっています。知的障害を伴わない発達障害の場合、少人数で引き続き支援が受けられる教育環境があれば、普通科高校に通えると思います。発達障害のある生徒の高校での教育環境について、教育委員会の現状認識をお聞きします。

定時制や工業・商業高校には「就労支援アドバイザー」を配置、普通科高校は「進路支援アドバイザー」の配置を検討中(教育長)
【教育長】高等学校で発達障害のある生徒に特別な支援体制を整えていく必要性は十分認識しています。
現在、市立高校では、定時制高校と工業・商業高校に「就労支援アドバイザー」を配置。発達障害のある生徒に対しソーシャルスキル・トレーニングを行うなどの支援を行っています。
 普通科高校に在籍する発達障害のある生徒へは、キャリア支援の観点から個別に相談やアドバイスが受けられるよう「針路支援アドバイザー」の配置を検討しています。

名古屋市立高等学校での通級による指導の導入への認識は
【岡田議員】市立高等学校における「通級による指導」についてお聞きします。発達障害のある生徒の高校における特別支援教育について、来年度から、「高等学校における通級による指導」を設置できるようになりました。2年前からモデル的に取り組まれ、政令市では京都市の報告がされています。「通級による指導」とは、高等学校で取得する単位のうち、障害により取得が困難な教科の代わりに、自立活動など新たな単位を取得できる通級を設置することで、取得困難な単位と振替ができる合理的配慮がされる仕組みです。文部科学省が2012年に行った調査では、「知的発達に遅れはないものの発達障害の可能性のある生徒」は6.5%在籍しているという結果でした。名古屋市立高等学校においても、そうした割合で、発達障害の可能性のある生徒が存在すると考えられます。名古屋市立高校においても、学習に困難を抱える生徒を支援するために、通級による指導に、早急に取り組むべきと考えますが、いかがですか。

【通級による指導】

 高等学校で取得する単位のうち、障害により取得が困難な教科の代わりに、自立活動など新たな単位を取得できる通級を設置することで、取得困難な単位と振替ができる仕組み。

通級による指導が可能となるので研究したい(教育長)
【教育長】高等学校での通級による指導が可能となり、市立高校においてもその趣旨を踏まえ研究したいと考えています。

必要なキャリア教育が行われるよう来年度から実施を。市立高校に数人単位の特別支援学級の設置もぜひ研究を(意見)
【岡田議員】今回、発達障害のある生徒の教育について取り上げ、障害の特性に合った教育が受けられない状況があるのではないかと指摘をしました。「普通科高校に在籍する生徒に対しても、個別に相談を受けられるアドバイザーの配置」を検討しているという答弁でした。必要なキャリア教育が行われるよう、来年度から進めていただくことを要望します。
 高等学校における通級指導は、教員を配置する制度ですので早急に設置を求めます。
 取り上げた生徒は、知的障害はなく強い対人障害がありましたが、中学校の特別支援学校で多くの体験をして、卒業することができました。しかし、高校に入学し一クラス20人前後のクラスで、この生徒さんには大変つらい環境であったと思います。市立高校に数人単位の特別支援学級の設置もぜひ研究していただきたい。この問題は今後も取り上げていきたいと思います。

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