2017年9月定例会

青木ともこ議員の個人質問①若宮商高の存続を(2017年9月14日)

市立若宮商業高校は廃止でなく存続を
              青木ともこ 議員

若宮商高は定員割れもしておらず、市内通学割合も地元企業への就職割合も高い
【青木議員】教育委員会は8月31日、市立若宮商業高校について、「生徒数や商業科ニーズの減少」を理由に、再来年春に募集停止、2022年3月末で閉校とする方針を突然公表しました。
 「なぜ若宮なのか?」突然の知らせに、いま生徒たちをはじめ、保護者や同窓生などのあいだで、驚きや悲しみ、困惑する声が大きく広がっています。
 市立若宮商業高校は、1963年開校以来、地域に根差した商業高校のひとつとして、南部を中心に市内からの通学割合は85%。卒業生の6割が就職し、そのうち8割が市内の企業です。定員割れはしておらず、地元交流も盛んで、地域にとって「無くてはならない公立高校」です。これでどうして「生徒数や商業科ニーズの減少」があてはまるのでしょうか。
 しかも今年から若宮では、教育委員会の「第1次 魅力ある市立高等学校づくり推進計画」にもとづき、ビジネスコースに「観光選択」を新設。その上、制服もリニューアルしたばかりです。
 学校内の誰もが「若宮はこれからも続く」そう思っていたのではないでしょうか?その矢先に突然、閉校の知らせ。生徒たちや学校関係者が困惑するのも当然です。
 それでも教育委員会は、いま全国的な傾向にある「生徒数や商業科ニーズの減少」を若宮閉校の根拠にしようとしていますが、このような一般論で、しかも学校関係者ぬきで、学校の廃止が議論されることに、市民の納得が得られるとは思えません。そこで教育長にうかがいます。
定員割れもしていない、市内通学割合も地元企業への就職割合も高い、このような高校をどうしてなくすのですか。

生徒の商業科へのニーズが急減、企業ニーズの変化に応えるために閉校(教育長)
【教育長】近年は、全体的な生徒数の減少とともに、商業科に対する生徒ニーズの低い状況が続いています。特にこの2年間は商業科高校を志望する生従の減少が顕著となっており、今後、6~8学級という学校の適正規模を維持することが難しくなると予想される。
 一方、企業ニーズも大きく変化し、将来を見据えた人材育成を図っていくことが急務となり、それに応えてるためにも、市立高校全体の枠組みを変える必要があり、若宮商業高校の閉校という考えに至った。

一律的な総量規制で学校の統廃合や再編を進めるのは、教育的観点を欠くやり方だ
【青木議員】教育委員会が、若宮を閉校せざるをえないとするもう1つの理由があります。それは本市が、2015年に策定した「市設建築物再編整備の方針」です。この方針では、「今後の人口減少社会の到来とともに老朽化施設が急増、一斉に更新時期を迎えることから大きな財政負担が見込まれる」とし、2050年までに市の保有施設を10%削減する目標を定めています。
この方針により、教育委員会は今年8月はじめ、3つの市立幼稚園を閉園する計画を決定しました。保護者や地元からは「突然過ぎる」「なくさないでほしい」と存続を求める声が相次ぎ、請願署名3万3千筆が提出され、パブリックコメントで異論が強かったにも関わらず、閉園が決定されました。幼稚園、高校、いずれの理由にせよ、地域に根差した教育施設を、10%削減目標のために、当事者ぬきで廃止を決める、このようなやり方を、また繰り返すのですか。
 突然の若宮閉校の知らせに、こんな声があがっています。「私はこの学校が無ければ公立高校に入れませんでした。楽しいし、商業学べるいい学校。母校が無くなってほしくない」これは生徒の声です。「若宮を廃校にしないで下さい。私達にとっては大切な学校です。なくなってしまうことなど考えた事もなかったので驚いています。残してください。私達の若宮を」これも生徒です。また、保護者OBは「私の娘は足が不自由ですが、若宮は家から近く、通学は助かっていました。経済的理由で私立に通わせることができない家庭にとって、市立の若宮はなくてはならない高校です。閉校すれば子どもの貧困対策に逆行するのではないでしょうか」。
 若宮が地域に果たしている役割、もっとあります。若宮の9割は女生徒です。そのなかには、経済的理由で、進学をあきらめざるをえず、商業を学んで地元に就職し、家計を助けたい、自立したい、このような生徒が少なくありません。「女性の自立」を支援するという点でも、若宮が果たす役割は重要です。
 教育委員会は、「若宮がなくなっても他の高校で受け入れが可能」としていますが、このような希望的観測で、ひとつの高校をなくす、これが地域の実情や将来を考えたうえでの判断でしょうか。
 保有資産10%削減という、一律的な総量規制で学校の統廃合や再編を進めるというのは、教育的観点を欠いたやり方ではありませんか。見解を求めます。

学校施設の整備などを伴うので「市設建築物再編整備の方針」も踏まえる(教育長)
【教育長】今回の計画案は、市立高校のさらなる魅力づくりを進めていくことを目的としているが、学校施設の整備あるいは再編を伴うものであり、全市的な方針である 「市設建築物再編整備の方針」の考え方も踏まえる必要がある。

「なごや子ども条例」を踏まえ、生徒や保護者、同窓生などと意見交換会を早急に開催すべき
【青木議員】いま、SNS上でも、若宮の存続を求める声が急速に広がっています。そのなかに、8月31日、若宮閉校が提案された教育子ども委員会の審議について、在校生と思われる次のような発信がありました。「この会議で討論されていた皆さんへ 若宮商業の閉校が決定される前に体育館で全校生徒の前で討論してください!そして、生徒の意見も交えて討論してください!これ見た議員さん広めてください 若宮なくなったらお金ないのに私立行く人増えると思うな」これは重要な発信です。
 本市の「なごや子ども条例」はこう規定しています。『子どもたちは、自分たちに関わることについて主体的に参加する権利として、意見を表明する機会が与えられ、意見が尊重されることが保障されなければならない』と。若宮閉校について、一番の当事者である子どもたちの意見を聴かずに、この条例の趣旨が実現できるでしょうか。
 「なごや子ども条例」の取り組み『子どもが参加して意見を言える機会をつくります』をふまえて、まずは全校生徒および保護者と同窓生などを対象に若宮高校の将来について、意見交換会を早急に開催すべきです。

引き続き丁寧な説明をする(教育長)
【教育長】計画((案)の内容は、生徒や保護者、同窓会などの関係者に、引き続き丁寧な説明を行っていく。

名古屋の出生率も上がっているのに、若宮でも定員割れが起こるとする根拠は何か(再質問)
【青木議員】教育長のお答えで、企業ニーズが大きく変化し、人材育成のために、高校全体の枠組みを変えるため、若宮の閉校という考えに至ったとありましたが、これは、若宮の現場の努力を見ないものです。名古屋が観光に力を入れ、観光業界はどこも人手不足のなか、若宮では観光人材を育て、地元の企業に送っています。現場のがんばりと教育委員会のへだたりを強く感じるものです。そこで再質問で3点うかがいます。
 全体として特にこの2年間、商業科志望の減少が顕著で、今後は6~8学級の維持が難しくなる予想とのお答えでした。しかし、これまで議会への説明では、今後10年は市内中学卒業生徒数は横ばいを見込んでいるとありました。しかも、若宮は例年2倍程度の競争率です。若宮でも定員割れが起こるとなぜ断定できるのですか。名古屋の出生率は少し上がっています。なにが根拠となっているのですか。

将来推計人口に基づいた予測(教育長)
【教育長】今後の卒業生従数の推移は、出生数や死亡数、転出入の数を推定して算出した本市の将来推計人口に基づいている。

関係者への説明不足を認識しているのか。閉校を白紙に戻すという考えはあるか(再質問)
【青木議員】教育長は、「引き続き丁寧な説明を行ってまいります」とおっしゃいましたが、そもそも説明をしていたのですか。
 8月31日、若宮閉校の発表から2週間過ぎましたが、教育委員会は、生徒、保護者、同窓会など全体への説明会をいまだ実施していないようです。一昨日、わが党が市長に申し入れた時も、同窓生と生徒、地域に説明するより先に、閉校の知らせについて、「新聞に出てまったで。怒るぞそりゃ」と、市長は「説明不足」を認めておられます。教育長も「説明不足だった」という認識はおもちですか。
 説明会で、生徒や保護者、同窓生ら関係者から、若宮存続を求める声が多数であれば、閉校は白紙にもどす考えはおありでしょうか。

新聞報道のために結果的に説明が後になった。(教育長)
【教育長】今回の計画案は、8月31日に議会に説明した。それに先立って、同窓会やPTAへの説明も予定をしていたが、新聞での報道があり、結果的に説明が後になってしまったことをお詫びします。
 教育委員会としては、「魅力ある市立高等学校づくり推進基本計画(第2次)」(案)について、引き続き、生徒や保護者、同窓会などの関係者の様に丁寧に説明しながら、ご理解いただけるよう努めます。

若宮高校閉校について「ゼロベースで議論をしないといけない」 という考え方でよいか(再々質問)
【青木議員】8月31日の説明会、同窓会やPTAへの説明を予定していたとの事ですが、生徒はどうなんですか。「なごや子ども条例」の規定「子どもの意見を聴く」教育委員会は名古屋の条例を守らないのですか。そして、若宮閉校の計画は「案」です。まだ決まっていません。既成事実のように、計画ありきで進めていませんか。そのことを指摘して、市長にうかがいます。
 「子どもの声を一番聴く」という市長、先日の報道によれば、市長は若宮閉校について、「ゼロベースで議論をしないといけない」こうおっしゃたようですが、そういうお考えでよろしいでしょうか。

まずは在校生やOBのみなさんと相談を(市長)
【市長】学校というのは愛校心というものがあり、校舎もそうだし、同窓生のみなさん、通っておられる生徒さん、PTA、近所の方ですね。まずはとにかく、ゼロベースというのは予算要望の時に申し上げたのですが、まずは決まったからではなく、必要性を言うのはいいと思いますよ。商業科の数とか福祉関係の必要性も有ると聞きましたけど、そういう必要性の中で、改革は必要だけど、どうしたらいいですかとまず相談してみるんですよ。僕は相談していると思っていましたけど。まず相談してみると、そういう姿勢でやってくれと言ってあります。

若宮閉校の計画は撤回を
【青木議員】ただいま市長のお答えで相談が必要ということが分かりました。それはしっかりやって頂かなければなりません。子どもの声をしっかり聴いてください。子どもたちの居場所がなくなるかどうかの大問題なんです。地域の実情も営みもかえりみない、この若宮商業高校の閉校に道理がありません。まずは関係者の声をしっかりと聞いて頂き、私どもはこの若宮閉校の計画は撤回を求めます。存続を強く求めて質問を終わります。

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