2017年9月定例会

さはしあこ議員の議案質疑(2017年9月14日)

久屋大通公園のパークPFI方式による再開発について
            さはし あこ 議員

久屋大通公園の再生について
久屋大通公園を緑政土木局から住宅都市局に所管を移す理由はなにか

【さはし議員】久屋大通は、名古屋市の助役を務めた田淵壽郎(たぶちじゅろう)氏が、戦災復興の都市計画の中で、災害の防止や拡大を防ぐために構想した100メートル道路のひとつです。その中央部分は、分離帯で、1954年には、そこにテレビ塔が建てられ、その後、公園として多くの市民に親しまれ、今にいたっています。
 久屋大通公園は、市内にある公園のひとつと位置づけられており、都市公園条例にもとづいて維持・管理されてきました。ですが、今回、久屋大通公園に限って、あえて単独で抜き出して条例を制定しようとするのは、どうしてですか。公園なので、都市公園条例に基づいて、緑政土木局が魅力ある公園にするため再整備を進めればよいと思いますが、条例の所管局をわざわざ緑政土木局から住宅都市局に移すのは、なぜですか、お答えください。

周辺の再開発やエリアマネジメントなどのまちづくりと一体に再生を図るため
【住宅都市局長】栄地区グランドビジョンに「都心のシンボル空間として、名古屋を訪れた多くの人々や市民が集まり、想い、ふれあう、栄地区を象徴する公共空間にふさわしい整備を行う」とあり、賑わいや利便性の向上を図ることが必要で、整備は、公園だけではなく地下駐車場等の都市施設と一体的に行う必要があります。また、公園としての利活用のみならず、周辺の再開発やエリアマネジメントなどのまちづくりと一体となって、このエリアの再生を図っていくことが有効と考えています。
 こうした特性から、まちづくりの観点から住宅都市局を所管局として、都市公園条例の特例として、久屋大通公園条例を定めます。

他の公園の建ぺい率は、特例でも10%なのに、久屋大通公園だけ14%まで緩和するのはなぜか
【さはし議員】今年の通常国会において「都市公園法」が改正され「パークPFI」が創設されました。今回、提案された条例案は、久屋大通公園の外堀通りから錦通りまでの「北エリア・テレビ塔エリア」に限定して、民間企業が、カフェやレストラン、売店などの収益施設の新設と広場や園路などの公共部分を一体的に整備する「パークPFI」を取り入れ、再整備しようとするものです。
 「パークPFI」では、民間企業の参入を促す動機付けとして、公園内に設けることができる収益施設についても、建ぺい率の特例が認められました。その限度は、政令では10%とされ、それを参酌して条例で定めることになっています。本市の都市公園条例案では、教養施設や休養施設、運動施設に加えて収益施設も含めた建ぺい率の特例は10%とされます。ところが、久屋大通公園については、建ぺい率の特例を4%上乗せして14%まで緩和されます。
 他の公園では、建ぺい率の特例は10%なのに、久屋大通公園に限っては、14%まで緩和するのはどういう理由からですか、お尋ねします。

Park—PFI制度
①民間提案による収益還元型の公園施設の事業運営制度
②民間事業者が行う公共部分の整備を社会資本整備総合交付金で支援する制度
③都市開発資金による民間事業者への貸付制度

愛知芸文センターやオアシス21、フラリエ等で建ぺい率が限度になっており、更に大規模の建物を建築したい
【住宅都市局長】公園の効用・魅力を更に向上するため、新たに公園機能を増進する建物を建築することが必要で、都市公園法運用指針にも、公園の利用増進、防災性の向上等の観点から必要と認められる施設については建ぺい率の基準の特例が設けられています。
 現状は、久屋大通公園内に愛知芸術文化センターやオアシス21、フラリエ等が立地し、都市公園条例に基づく建ぺい率の規定の中ではこれ以上まとまった規模の建物を建築することが不可能で、久屋大通公園の建ぺい率を14%に緩和しています。

【P-PFIによる建蔽率の緩和】
・建蔽率は、これまでも法で定める基準2%を参酌し、自治体が条例で定めることが可能でした。さらに、休養施設、運動施設、供用施設、災害応急対策に必要な施設等は、特例で10%を上乗せし、12%を参酌した建ぺい率を条例で定めることが可能であり、自治体によっては、2%を超えたり、10%以上の上乗せを行っている自治体もある。
・P-PFIでは、便益施設も10%を上乗せし、12%を参酌して建ぺい率を条例で定めることが可能となり、便益施設の建ぺい率の緩和が行いやすくなった。

建ぺい率の緩和は久屋大通公園の貴重なオープンスペースを損なう
【さはし議員】都市公園は、都市の貴重なオープンスペースであることから、公園施設の建ぺい率は原則として2%とされており、必要と認められる施設に限り一定の特例が設けられていますが、それはあくまでも貴重なオープンスペースや緑豊かな環境を損なうものではあってはならないと考えます。
 そこで伺いますが、10%という参酌基準を超えて公園施設の建ぺい率を緩和することは、久屋大通公園の貴重なオープンスペースを損なうことになるのではありませんか。お答えください。
             
今回の緩和は上限。さかえ川なども撤去するなどバランスをとる

【住宅都市局長】オープンスペースは、公園機能として一定規模確保する必要がある。
 今回の建ぺい率の緩和は上限を示したもので、公募の際には、建物の配置やオープンスペースとのバランスについても考慮されると考えています。             
 また、現在大きな面積を占めている地被植物や老朽化した大規模水景施設の撤去等も予定しており、オープンスペースとしての機能を十分に確保するよう配慮していきたい。(写真と図はさかえ川とオープンスペースのイメージ)

今後の公募手続の中で、住民の意見を聞く場を設ける機会はあるのか
【さはし議員】本市は、久屋大通を再生するにあたって「久屋大通のあり方」を公表し、市民意見を募集しました。市民のみなさんからは、整備を望む声がある一方、公園内の樹木の伐採や東西道路の閉鎖・公園化、南北道路の車線減などについては心配する声も寄せられています。公園の再生には、利用する市民の参画が不可欠だと考えますが、「パークPFI」制度では、はたして利用者や周辺住民の意見を聞く機会があるのでしょうか。
 緑区の県営大高緑地公園では、恐竜のテーマパーク「ディノアドベンチャーライド名古屋」の整備計画が、周辺住民に何も知らされず、説明会もないまま、突然浮上し、すすめられ、大問題となりました。
 誰のための公園かということを念頭に置くならば、利用者や周辺住民への丁寧な説明や意見を聞く場を設ける必要があると思いますが、久屋大通公園を再生するにあたって、今後の公募手続きの中で、住民説明会など利用者や周辺住民の意見を聞く場を設ける機会はあるのですか、お答えください。

これまでの地域への説明等での意見を民間事業者に示すので説明会は考えない
【住宅都市局長】これまでも、社会実験の実施など、地域の皆様へ周知、説明、意向把握等に努めてきた。また、昨年度から開催している久屋大通再生有識者懇談会で「久屋大通のあり方」を公開で議論し、その後、市民の皆様から意見募集を行ったうえでとりまとめたところです。
 市としては、民間事業者に「久屋大通のあり方」及び市民からの意見を示して公募する予定です。
 したがって、公募手続きを進める中で、住民説明会などの開催は予定していないが、こうしたプロセスの中で、これまでにいただいた意見は十分に反映される。

久屋大通公園を都市開発の一部として使用することになる恐れがある
【さはし議員】ご答弁いただきました。
「公募手続きにおいては、住民説明会などの開催は予定していない」とのことですが、久屋大通公園の具体的な再生計画について市民の意見を聞く場を設けないのは問題です。
 建ぺい率の14%への緩和については「建築物をこれ以上、建築することが不可能」とのお答えでしたが、それならば、12%や13%でなく14%とするのはどうしてか、具体的な答弁がいただけませんでした。
また、「周辺の再開発などのまちづくりと一体に再生を図る」とのお考えを示されましたが、民間企業が久屋大通公園を都市開発の一部として使用できるようになることが懸念されます。
 あとは、委員会の質疑に委ねて、質問を終わります。

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