2017年2月定例会

藤井ひろき議員の個人質問①樹木葬について(3月8日)

みどりが丘公園墓地における新しいお墓のあり方について

藤井ひろき議員

みどりが丘公園墓地の応募者数減少に対する対策は
【藤井議員】この2月定例会では、緑政土木局より、みどりが丘公園墓地使用料の改定を盛り込んだ特別会計の予算案が提出されています。改定されると、みどりが丘公園墓地で最も貸付数が多い1.08㎡の普通墓地ですと、使用料がこれまでの439,560円から452,520円となります。この金額は使用料ですから、実際にお墓を建てる場合は、プラス墓石代がかかりますから、相当な金額となります。
 では、みどりが丘公園の墓地使用の募集区画数に対して、これまでの貸付区画数はどうでしょうか。
 同公園の墓地には普通墓地と芝生墓地があります。一昨年度は募集区画数が、普通墓地と芝生墓地あわせて全体で1058であったのに対して、貸付数は540で0.51倍です。同じく昨年度は1195の募集に対して、476の貸付数となっており、倍率は0.40倍となっています。募集区画の半分しか応募がありません。
 墓地の貸付区画数の申し込みが減少しているのに使用料を上げたら、さらに申し込みが減りはしないでしょうか。この減少傾向をどう受け止めているのか、減少傾向に歯止めをかけるための具体策などは、とってきたのか、お答えください。

墓地公園の魅力のPRやサービス向上に努めてきた(緑政土木局長)
【緑政土木局長】みどりが丘公園は、地下鉄原駅・徳重駅から直通の市バスが運行するなど、交通の利便性が良く、園内もなだらかに整備されているためお墓参りがしやすい環境にあります。また、自然環境や四季折々の景観を楽しめるなど、墓地公園ならではの魅力もあります。そうした魅力をお知らせして、少しでも貸付区画数の増加に繋がるよう、広報なごや、新聞・テレビなどによる広報のほか、民間商業施設において「お墓さがしセミナー」を開催するなど、PRに努めてきました。
 2016年度からは、お墓の維持管理面において、指定管理者による草取りや供花の代行サービスを実施するなど、使用者サービスの向上に取り組んでいる。

お墓に対するニーズに変化。市のアンケート結果の受け止めは
【藤井議員】募集をかけても貸付の申し込み数が少ない。その理由の一つとして、年金が減った、所得が減った社会背景もあるでしょう。
 流行語大賞候補にノミネートされた言葉、「下流老人」は衝撃的でした。「お墓が欲しくても、使用料や墓石代を考えると高価なものだ」と言った声。最近では、永代供養していただくお寺にお骨を郵送する、送る骨と書いて「送骨」といった納骨まであると聞いております。「送骨」の費用は数万円とのことです。
 また、人生の終わりを良いものにするため、事前に準備を行う、終わりの活動と書いて「終活」が話題になる一方で、同時に昨今、「墓離れ」という言葉も聞きます。お墓に対する新しい考え方やニーズ、社会変化も貸付数の減少の一因であるかと思われます。
 昨年度、本市は「みどりが丘公園に関するアンケート」を行いました。これは無作為抽出で2500人に郵送で行ったものです。
 このアンケートには、次のような質問があります。「あなたはお墓を持つことについて、問題点や心配事がありますか(あてはまるものすべてに〇)」。
 回答者数は891人となっています。回答結果は、「こどもに負担をかけたくない」が468件(52.5%)、次いで「お墓が遠いと墓参りが大変」が356件(40.0%)、「墓石や使用料など費用負担」が326件(36.6%)と続いています。「引き継いでくれる人がいない」の回答も211件(23.7%)ありました。
 この結果からは、さまざまな要因が読み取れます。 子どもが成長して社会人になり、県外で就職をし、その地で家庭を持った。あるいは転勤先でマイホームをかまえ、故郷にある先祖代々のお墓参りがしづらくなったなどの理由もあるでしょう。
 また、少子化や晩婚化など、単身者やお子さんのいない夫婦を中心に「自分の死後、親族に世話をかけたくない」という理由から、「承継を前提としない墓地」を求める方も現れてきたのではないでしょうか。
 このお墓を持つことについてのアンケート結果をどのように受け止めておられるのか。お答えください。

 維持管理や承継など、心配事を抱えている市民が多い(局長)
【緑政土木局長】アンケート結果からは、お墓の必要性や申し込みの際に重視される条件などについて、市民の皆様の考え方などを把握できたと同時に、お墓を持つことについて、維持管理や承継の面で問題や心配事を抱えられている市民が多いことを実感しました。一方、そうしたなかでも代々引き継いでいく、従来型のお墓を持ち、先祖や家族との繋がりを大切にしたいと思われている方も少なくないと感じた。

 ニーズのある樹木型墓地の導入で、応募減少に歯止めを
【藤井議員】さて昨今、注目されているのが、「樹木葬」という、新しいタイプのお墓です。一言に「樹木葬」といっても、様々なタイプがありますが、定義するのであれば、「石ではなく樹林を墓標とし、遺骨を埋葬する」となります。「死後は、自然の一部になりたい」、「親族が墓の維持や、管理するような必要がない」と、全国的に注目が高まっています。
 公益社団法人全日本墓園協会によると民間、お寺の樹木葬は、この数年で増えていますが、公営、自治体が運営する樹木葬は、横浜市、東京都、千葉県浦安市、愛知県長久手市と、まだ始まったばかりです。
 先日、私は東京都小平霊園の樹林墓地と樹木墓地。そして、長久手市卯塚墓園の樹木型合葬式墓所を視察してきました。まずは、小平霊園についてです(下図参照)。  まずは樹林墓地です。埋蔵方法は、樹林の下に設置された「カロート」と呼ばれる共同埋蔵施設に、遺骨を納骨袋に入れた状態で、直接、土に触れるかたちで共同埋蔵します。樹林墓地の断面図イメージ図をご覧ください。このカロートの底は土に触れています。資料にありますように、埋蔵予定数は約10,700体であり、1体の使用料は今年度、遺骨が123,000円、粉状遺骨が41,000円です。
 これに対し、樹木墓地の埋蔵方法は、樹木の周辺に遺骨を納骨袋に入れた状態で、直接、土に触れるかたちで「個別に」1体ずつ埋葬します。こちらの使用料は今年度、1体183,000円です。
 樹林墓地、樹木墓地ともに参拝方法は、それぞれの墓地正面に設けられた参拝広場にある献花台にて、焼香や献花を行っていただきます。
樹林墓地の申し込みは遺骨での申し込みだけでなく、生前の申し込みもできます。今年度の樹林墓地の募集数が1600体に対して、受付数が16,034、倍率が10.0倍です。
 これに対して、樹木墓地は遺骨申し込み区分のみで、生前申し込み区分はありませんが、今年度の募集数が300体に対して、受付数が521、倍率が1.7倍です。
 樹林墓地、樹木墓地ともに、埋蔵した遺骨はお返しすることはできませんが、「死後は安らかに自然に還りたい」というニーズに適しており、関心が高まっています。
 これは(下写真)、長久手市卯塚墓園の樹木型合葬式墓所です。卯塚墓園の樹木葬は、小平霊園を参考の一つにしたとのことです。
 四季を感じる樹木に囲まれた、「オガタマ」の木、こちらの木です(パネル指す)、この木を墓標とし、遺骨は樹木手前の芝生下に絹の袋に入れ、納骨し、土に還ります。参拝方法も、小平霊園と同じく、手前にある献花台にお花とお線香を持って参拝していただきます。
 納骨時に別途手数料が必要ですが、使用料は1体15万円です。昨年度、初めて墓所の使用者募集が行われ、募集100体に対して、応募が584と倍率が5.8倍でした。今年度は募集300体に対して、応募が458と倍率が1.5倍でした。
 長久手市の担当者によると、供用開始前の2015年3月、(新聞の)朝刊1面で、卯塚墓園の樹木葬が紹介されたところ、「私も入れますか」と多くの方から問い合わせがあったが、そのほとんどが名古屋市民だった、とのことでした。なお、名古屋市民は長久手市の樹木葬には入れません。
 本市が行った「みどりが丘公園に関するアンケート」には、「近年、血縁に関係なく多数の遺骨を樹木の下に納める樹木型墓地が注目を集めています。この樹木型墓地についてどう思いますか。」という質問もあり、これに対して、「あったほうがよい」の回答が42.5%でした。
 本市のアンケートでも樹木型墓地という新しいお墓のニーズがあることがわかりました。みどりが丘公園墓地においても樹木型墓地を、ぜひ実施すべきではありませんか。お答えください。

 ニーズがあることをしっかり受け止め、市民に必要なお墓を提供したい(局長)
【緑政土木局長】アンケート結果や日頃の問い合わせなどから、樹木型墓地のような合葬式の墓地につきまして、市民ニーズがあることは承知しています。
 合葬式の墓地には、「樹木型」、「樹林型」の他、地上部に慰霊碑を設ける「慰霊碑型」などがあり、当局としては、既にこうした合葬式の墓地を供用している他都市の事例につき調査・情報収集を始めたところです。今後も他都市事例について、墓地の構造、建設コストや維持管理上の問題、あるいは募集方法など、調査を進めたい。
 お墓に対する様々な考え方、ニーズがあることをしっかりと受け止め、市民の皆様にとって必要なお墓を提供できるよう、努めたい。

市も合葬式墓地を視野に入れているのでは(再質問)
【藤井議員】減少傾向に歯止めがかかっていません。使用料改定すると、さらに応募が減ることになると思います。
 それではどうするのか。ひとつの提案として私は、樹木葬を取り上げました。
 公営、自治体が運営する樹木葬には4つの魅力があると考えます。一つ目は、墓地使用料が低価格である点。これは「お墓が欲しくても買えない」というニーズに応えます。二つ目は自治体が墓の管理を行いますから「家族に負担をかけたくない」という新しいニーズに応えます。3つ目は、いわゆる墓の無縁化を防ぐという点です。そして4つ目が、緑あふれる公園墓地としての魅力アップにつながる点です。
 樹木葬の導入は、市民ニーズに応えるだけでなく、みどりが丘公園墓地の魅力をさらに高め、従来の普通墓地や芝生墓地の貸付区化数にも、プラス影響を与えると考えます。
 そこで緑政土木局長に再質問をします。私たちが長久手市卯塚墓園を視察した際、長久手市の担当者から「ついこの間、名古屋市さんも視察に来られた」と伺いました。当局はその後、横浜市も視察されたと聞いております。これらの視察や調査は、本市みどりが丘公園墓地において、樹木葬のような合葬式の墓地を整備することを視野に入れたものと理解しましたが、それでよろしいですか。お答えください。

 他都市の事例調査をしっかり進めたい(局長)
【緑政土木局長】新しい型式のお墓の整備を検討するには、事前の調査を十分に行う必要があり、当局職員による他都市での合葬式の墓地の現地視察も、そうした考えから実施した。引き続き、他都市の事例調査をしっかりと進め、市民にとって必要なお墓を提供できるよう努めたい。

 公園墓地の魅力を高める樹木葬の導入を(要望)
【藤井議員】先に紹介した小平霊園、長久手の卯塚墓園の視察中、献花台にお花をささげ、故人を偲んでおられる、参拝者の皆さんと出会いました。また参拝者だけでなく、お孫さんと思しきお子さんと、墓地内を散歩されている男性の姿、近くのベンチに座って休んでおられる方、ウォーキングをされているご夫婦の姿もありました。そこには、墓地と聞いてまず浮かぶ、寂しいイメージはありませんでした。本市のみどりが丘公園墓地は芝生墓地を始め、緑が多く、散歩や野鳥観察をはじめ市民の憩いの場でもあります。
 みどりが丘公園墓地の魅力を高める樹木葬の導入を強く要望しておきます。

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