2015年6月定例会

くれまつ順子の議案外質問①学校給食の無料化について(2015年6月26日)

学校給食の無料化について

rokuga_long中学校給食を小学校のような方式にして給食費を無料化してはどうかくれまつ 演壇s
【くれまつ議員】長引く不況、収入が増えない、消費税増税、保険料の値上げで負担が増えている中、子育て世代の暮らしを応援するために名古屋市は何ができるでしょうか。学校給食の無料化がそのひとつだと私は考えます。
 昨年政府は、こどもの貧困対策法を制定しました。子どもの貧困予防対策としても学校給食の無料化は重要です。そして子どもたちがすこやかに育っていくために、せめて義務教育の9年間は給食を無料にするべきではないでしょうか。
 はじめに、中学校給食の現状から給食費の無料化について質問します。中学生は身長もぐんぐん伸び、親を追い越すほどになります。思春期の中学生において、栄養バランスのとれた食事をとるという食生活習慣をつくってくためにも学校給食は重要です。
 学校給食法では、第一条で「学校給食が児童及び生徒の心身の健全な発達に資するもの」とし、第二条で「日常生活における食事についての正しい理解を深め」「望ましい習慣を養う」「学校生活を豊かに」するとして、給食は教育の一環であると定めています。中学校においても給食は重要なものです。
 しかし、名古屋の中学校の給食をみてみますと、スクールランチか弁当の選択制になっています。給食の教育の側面を考えますと、このシステムでは、全員に食育を行うことが難しく、なじまないのではないかと思います。また、中学生のお昼の状況について、スクールランチをたのまず、弁当も持ってこられない生徒がいて、教師がみかねて休んだこどものランチを与えているとか、ランチの時間になると教室からいなくなる子がいると先生からお聞きしました。育ちざかりの中学生が何もたべないということは、健全な成長の点からも、また、食育の点からも大きな問題ではないでしょうか。また、スクールランチだけが一日の中でまともな食事になっている、と先生からお聞きしました。インスタントラーメンを食べる回数が就学援助を受けているこどもは受けていないこどもより多いなど偏った貧困家庭の食生活が問題になっています。中学生にこそ、全員に給食を保障し、そして無料にしていくべきではないでしょうか。
 そこで、教育長に、2点、伺います。
 第一に、中学校で弁当、スクールランチどちらも食べない子どもがどれくらいいるのかなど、中学生のお昼の食事の実態について伺います。

何も食べていないような生徒がいた場合には速やかに対応(教育長)
【教育長】中学校では、各担任が教室やランチルームで日常的に給食指導を行っており、何も食べていないような生徒がいた場合には、保護者と連絡を取り、状況の改善を働きかけるなど、速やかに対応を取っている。
 中学校給食は、平成2年度のアンケートを踏まえて現在の方式を採用した。

給食費無料化に対する考えは
【くれまつ議員】第二に、中学校の給食を選択制ではなく、小学校のような方式にして給食費を無料にすれば、何も食べられない子もなくなるし、食育の推進も充実させることができ、こうした問題が解決できるのではないかと考えますが、教育長にお尋ねします。

本当に困っている人には「就学援助制度」の利用を(教育長)
【教育長】給食費として必要最小限の負担をいただいている。消費税アップや食料品の物価上昇が続く状況の中で、献立の工夫等で値上げせず、保護者負担が増えないよう努めている。本当に経済的に困っている保護者には、「就学援助制度」で学校給食費が無料化となっている。就学援助制度の周知に努めたい。

25年前のアンケートをもちだしての答弁、あらためて、給食について市民のみなさんに意見を聞くべき時期だ(意見)
【くれまつ議員】中学校も小学校と同じように給食にしてはという私の提案に対して、教育長は、25年も前のアンケートにより、現在の方式を採用したとの答弁でしたが、あらためて、給食について市民のみなさんに意見を聞くべき時期にきているのではないでしょうか。
 消費税が増税されても、給食費の保護者負担をふやさなかったという点は、評価できます。しかし、一方で、安い食材におきかえることで、安全性が低下するのではないかとの不安もよせられております。給食の安全性の低下を招かないようにと、要望しておきたいと思います。 

中学校の昼食の実態について、きちんと把握調査を(再質問)
【くれまつ議員】中学生の食事の実態について、スクールランチも弁当も何も食べていないような生徒がいた場合には、保護者と連絡をとるとの答弁でした。何も食べないこどもは、全くいないかのような答弁でした。きちんと実態を把握していないと給食費の無料化の検討もできないので、再度教育長に伺います。山口資料4

継続的に昼食を食べていない生徒はいない(教育長)
【教育長】スクールランチ指導員が喫食状況のモニタリング調査を行っている。継続的に昼食を食べていない生徒はいない。昨年度23校ほど聞き取り調査を行ったが、継続的に昼食を食べていない生徒はいなかった。

全市的にこどもの食生活の実態調査を(意見)
【くれまつ議員】昨年度23校で聞き取り調査を行い、継続的に昼食を食べていない生徒はいなかったとの答弁ですが、それでは不十分です。こどもの貧困が問題となっている今、全市的に調査を行うべきです。また、昼食だけでなく、朝ご飯をきちんととっているかどうかも含めてこどもの食生活の実態調査を行うように強く要望させていただきます。

まず第三子の給食費無料化の実施を
【くれまつ議員】中学生の給食無料化は切実な願いではありますが、スクールランチのままでいいのか、など課題も少なくありません。
 日本共産党市議団は、学校給食の無料化についても段階的な実施を提案しています。とくに多子世帯への支援が切実に求められているのではないでしょうか。
 私の知り合いですが、4人の子どもを育てている30代の若いご夫婦から、給食費無料化への熱い期待を聞かされました。夫婦二人合わせて収入は月40万円。子どもは、保育園の年長、小学生、中学生、高校生で、教育費はかなりの負担です。保育料が2万円、小学生と中学生の2人で給食費は1万円。高校生は、授業料は無償でも部活費用がかかる。生活はぎりぎり。こどもたちの学校におさめるお金は、給食費以外に教材費や修学旅行費もあります。公立小学校の1年間の学習費は30万円、中学校は45万円という文部省の報告があります。小中学生二人の給食費が無料になれば年間12万円家計が助かる。ほんとうに切実な要求です。
 たくさんの子どもを育てている家庭への応援をまず始めましょう。2月の定例会でわが党の山口議員が、小学校の第三子の給食費無料化は約2億円で実現できると提案した際に、河村市長は「なかなか泣かせる提案でございますけれど、これもちょっと考えさせてちょう。」と答弁されました。その後検討されたでしょうか。今回は、教育長に、第三子の給食費無料化実施についての見解を伺います。 

児童手当で第三子以降の手当てが増額がされている(教育長)
【教育長】第三子の小学生の給食費については、保護者の受け取る児童手当において、第三子以降の手当て額が増額がされている。 

第3子の給食費無料化について市長はどう考えるか(再質問)
【くれまつ議員】第3子の給食費無料について、教育長から答弁いただきました。児童手当で、第3子に手当が増額されている、第3子の給食費無料化は何もふれない冷たい答弁でした。河村市長が2月の定例会にて「第3子の給食費は、泣かせる提案、考えてみる」と答えておられましたので、再度、市長に第3子の給食費無料化、子どもが多い世帯の経済的負担の軽減についてのお考えを伺います。

「義務教育は無償」を拡大していくことは必要で、泣かせる話(市長)
【市長】格差社会が広がる日本で、義務教育は無償とするという内容を拡大していくことは必要なことだし、泣かせる話です。
 だけど、やるんだったら、なんで給食を民営化しないのかと疑問に思っている。民間業者でどれだけいい給食をやっているか。そろそろ考える時期に来たんではないか。そうすれば相当なお金が出てくる、うまく安全なものを食べるようになってくる。タブーに挑戦してもいいんではないか。山口資料2

すべてのこどもたちに、おいしくて栄養バランスのとれた給食を食べさせてあげられるように、学校給食の無料化を(意見)
【くれまつ議員】民間委託ではなく、2億円で無料化ができるので経済負担の軽減をしてほしい。すべてのこどもたちに、おいしくて栄養バランスのとれた給食を食べさせてあげられるように、学校給食の無料化の実現をもとめてまいりたいと思います。

(関連質問)田口一登議員
 経済的負担の軽減という意義まで否定するのか田口 関連s
【田口議員】学校給食の問題について、第3子からの無料の提案に対し、市長は義務教育の無償化を拡大するという点では「泣かせる提案」だと意義は否定しなかった。余分なことは言ったが。教育長は第3子からは児童手当が増額されていると児童手当を持ち出したが全く理解できない。児童手当の所管は厚労省、市では子ども青少年局だ。給食費の無料化の議論をしているときに児童手当を持ち出すのは、すじちがい。児童手当は3歳か小学校修了までの子供に対しては第1子と第2子には月額1万円、第3子は1万5千円、第3子以降は児童手当を増額されている。それでも教育委員会は3人以上いる、子どもが多い世帯には経済的負担を軽減する措置をしている。たとえば市立幼稚園の授業料の減免。第3子以降は大幅に減免されている。この点でも児童手当を持ち出すのはスジ違いだ。第3子の給食費の無料以下は、学校教育の分野において子どもの多い世帯に対する経済的負担を軽減するという意義があるが、その意義を認めるか。否定するのか。

 児童手当には給食費も含まれる(教育長)
【教育長】財源が無限にあればいいと思うが。児童手当には給食費も含まれており、都市によっては、児童手当の中から給食費を引いているところもある。

 まず3人目からもできないのか(再質問)
【田口議員】児童手当から引くというのは徴収の観点からのもの。子どもが多い世帯への経済的負担を軽くする観点から第3子以降の給食費無料化はどうかと、その意義を聞いているのに答えない。
 葛飾区には第3子以降の多子世帯の給食費補助制度をやっている。3人目以降の給食費を補助するもので、葛飾区の担当者によると、給食費は保護者の負担の中でのウエイトが大きい、できるだけ負担を軽減しようと実施しているといっていた。就学援助を受けている人は除くが、全児童の2~3%が対象といっていた。市ではいくらかかるかと聞くと2億円という。費用の面でもいっぺんに全部やろうとすると40億円くらいかかるが、まず3人目からの軽減と考えれば2億円なら何とかなるんではないか。

優先順位があり、すぐには困難(教育長)
【教育長】優先順位があるので、ほかにもっと大切な部分があると考えていまして、心苦しいがすぐ実現できると考えていない。

 できるところから真剣に検討を(意見)
【田口議員】すぐには難しいというが、どうしたら実現できるかを真剣に検討してほしい。

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