名港議会 一般質問➃ 新日鐵住金の連続事故(2014年11月7日)

名古屋港の安全対策
新日鐵住金㈱で連続した事故の影響について

新日鐵住金株式会社の事故の認識及び再発防止の要請は
【山口議員】新日鉄住金で連続した事故の影響についてもうかがいます。
 火災を起こすのは中小企業ばかりではありません。名古屋港最大の企業、新日鉄住金でも黒煙をふきあげる事故が連続して発生し、7月にはついには負傷者を出す爆発事故まで起きました。これら一連の事故は名古屋港にも見過ごすことはできない影響を与えました。
 第一に、モータープールにある膨大な台数の車への影響です。輸出用の車が煤塵で汚れたことについてトヨタが損害賠償を請求したとの報道もありました。弥冨ふ頭の火災でも約二千台の車が汚れましたが、トヨタ自動車名港センターには約2万台の車が置かれています。タールや煤が積もる被害が繰り返されれば、名古屋港には安心して車が置けない、ということになりかねません。
 第二に、荷役作業への影響です。7月の爆発事故の当日、金城ふ頭に着岸した自動車運搬船は、煤が降下し車が汚れるのを恐れてか、その日の荷役を中止したそうです。幸いにもその船は翌日の出港予定で二日分の車の積み下ろしと積み込みを一日で行って、出港スケジュールには大きな狂いは生じなかったようですが、安心して荷役もできない港と言われかねない事態でした。
 もちろん港湾・港運の事業者への影響や直接間接の被害も少なくありません。しかし中小企業はなかなか新日鉄住金にはものが言えず、我慢しているのが実態です。このような港で働く事業者の思いを届けるのも行政の仕事ではありませんか。
 そして金城ふ頭の開発への影響です。風向きによっては黒煙によってレゴランドが営業停止するような事態もおこりかねません。大丈夫なのでしょうか。
 このような危険な工場が立地している名古屋港は危険な港だとユーザーに敬遠されることにもなりかねません。港の安全や信頼が損なわれる事態であり、名古屋港の信用にかかわる問題です。
 先日、新日鉄住金は一連の事故により320億円の損失が見込まれると発表しましたが、この数字は自分の会社についての損失だけです。名古屋港及び周辺の関連企業や東海市などの近隣住民へ与えた経済的社会的損失については一体どう考えているのでしょうか。
 名古屋港はこの一連の事故でどんな影響を受けたと認識しているのか。
 新日鉄住金に対して、厳重に注意し再発防止の抜本策をとるよう正式に要請すべきではありませんか。一連の事故についての管理組合の対応について答弁を求めます。   

10月14日に同製鐵所の所長を本組合に呼び、事故の原因究明や、抜本的な再発防止、安全管理の徹底について、管理者名の文書で強く要請
【防災・危機管理担当部長】新日鐵住金株式会社名古屋製鐵所における度重なる事故や去る9月3日に発生した石炭塔爆発事故で15名の負傷者を出した事態を重く受け止めています。この度の事故では、港湾区域及び本組合が管理する港湾施設への影響・被害はありませんでしたが、臨港地区内におけるこうした事故の発生は、本港を利用している人々や本港に立地し活動している人々に不安を与えるだけでなく、船舶の入出港や貨物の輸送・保管・荷役など物流に支障を来たし、中部圏のものづくり産業にも大きな痛手を与えかねないことと認識しています。
 このようなことから、10月14日に同製鐵所の所長を本組合に呼び、事故の原因究明や、抜本的な再発防止、安全管理の徹底について、管理者名の文書で強く要請した。

新任の所長にも、厳しく言うべきことを言っていただきたい(要望)
【山口議員】新日鉄住金の連続した事故については、それなりにモノを言っていただけたと思います。危機管理担当部長の答弁でしたね。ただし10月14日に呼んだ製鉄所の所長は11月1日付で解任されています。新任の所長に対しても、厳しく言うべきことを言っていただきたい。これは要望しておきます。

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