2013年9月議会

山口清明議員の議案外質問 ・②口利き防止条例制定を (2013年9月13日)

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全ての要望・働きかけを記録し公開する「条例」に変え、実効性を山口 自席s
【山口議員】いわゆる口利き防止条例、職員の公正な職務の執行を確保するための条例制定についてうかがいます。
 残念ですが、議員による不正な働きかけで、市職員の公正な職務執行が妨げられたと思われる事件が起きました。市嘱託員の不正採用事件です。
 6月議会では、「職員が不正採用に手を染めた動機について、市長として事実と認定した事柄は何か」との質問に、市長は「議員からの働きかけがあったことを職員が認めているという報告を受けており、動機についてそこまで確実であれば間違いないと判断した」と答弁されました。
 そこで日本共産党名古屋市議団は8月30日、疑惑が取り沙汰されている議員に公開質問状を手渡しました。議員からは9月4日に回答をいただきました。
 回答には「名古屋市長から嘱託を受けた専門調査委員会作成の平成25年7月22日付けの『嘱託員の不正採用問題に関する最終報告書』について、その報告内容に反論が多々あるので、本職も代理人弁護士と協議中であります。
 協議が整い次第、協議結果について書面にして、名古屋市長並びに名古屋市職員倫理審査会宛に提出する予定です。それをもって、貴職の回答とさせていただきたい」とありました。
 この回答は、事実関係について争う姿勢を表明されたもの、と私は受けとめました。つまり事件の全容、事実関係はいまだ確定していないのです。
ところが職員の処分だけが先行して行われた。このままで良いわけがありません。
 議員の政治倫理に関わる問題では、減税日本ナゴヤ所属議員による政務調査費の不正受給疑惑についても未解明です。
 市職員に対する不正な「口利き」や議会への信頼を失墜させる不祥事を根絶するには、たとえば議員が遵守すべき政治倫理を条例の形で宣言する必要があるのではないでしょうか。
 私たちが調査した「京都市会議員政治倫理条例」には、単純明快に「本市の職員の採用、昇任又は人事異動に関し、不正な働き掛けをしないこと」と書かれています。
 6年前に制定されたこの条例、提案したのは誰か、自民党京都市議団です。この条例も参考に、議会として全容解明と再発防止に全力で取り組む必要があると思います。
 さて京都市では「議員政治倫理条例」と対になる条例として「市職員の公正な職務の執行の確保に関する条例」が施行されています。
 この条例では、職員が職務の執行に関し受けた要望や、不正な言動を伴う要望等を原則としてすべて記録し…不正な要望等に対しては、組織を挙げてき然と対応する、としており、京都市公正職務執行審議会を原則年2回開催し、条例の運用状況を報告し不正な要望への対応を行っています。
 2011年度の記録件数は14,442件、うち議員等公職者からは848件です。1万4千件余の中で明らかに不正と判断されたものは6件でした。
 本市では「適正職務サポート制度」が要望・働きかけを記録する仕組みとして8年前(2005年・平成17年)につくられました。
 しかしこの制度では、記録するのは不正と思われる要望だけであり、かつ要望した相手に「記録していいですか」と同意を求めることもあり、これまでに記録された実績は皆無です。全く機能していません
 議員が市民から様々な要望を受けて行政当局に働きかけるのは当然です。同時に、そのことが職員に対して違法な圧力となったり、特定の人物や団体の便宜を図るものであってはならないのも当然です。しかし、その境界はなかなか明快にできません。
 職員の職務執行に関して、不当な働きかけを拒否できるようにしつつ、議員活動も必要以上に委縮させないためには何が必要か。私は、議員の政治倫理条例と共に、職員の側でもいわゆる口利き防止条例が必要と考えます。
 必要なルールを条例という形でしっかり担保する。そのポイントは、違法な働きかけだけでなく、要望・働きかけの全てを記録し公表することです。
 働きかけが違法不当なものかどうか悩ましいものは、第三者を含む審査会などで検討する。決して現場のラインだけで、上司と部下だけでは判断しない。すべての記録を市民に公開し、不正か否かも判断を仰ぐかまえが基本です。
 議員活動の評価の上でも、こんな要望をとりあげてくれているのか、と市民に評価される材料になるかもしれません。後ろめたい要望でないのなら、積極的に公開したほうが議員にとっても望ましいのではないでしょうか。
 弁護士チームによる調査委員会の最終報告でも、サポート制度の改善について提言されました。他都市でも全ての記録をとるところがありますが、それで業務に支障をきたした例を私は知りません。
適正職務サポート制度について、全ての要望・働きかけを記録し公開することを柱とする仮称「職員の公正な職務の執行を確保するための条例」に変え、実効性を持たせるべきではありませんか。総務局長に答弁を求めます。

職員倫理審査会からの答申を踏まえ再発防止策を検討したい(局長)
【総務局長】職員の服務やコンプライアンスを総括する局長として、誠に申し訳なく思っている。再発防止策は、7月に出された専門調査委員からの提言に併せて、職員倫理審査会からの答申をいただく。それらを踏まえ、こうした事件を二度と起こさないよう、市としての再発防止策を検討したい。

職員の処分だけが先行して、再発防止の取り組みが進んでいない(再質問)
【山口議員】残念ながら職員の処分だけが先行して、再発防止の取り組みが進んでいない。私自身議会としてやるべきことが出来ていないと忸怩たる思いで質問していますが、総務局長の答弁だと、職員倫理審査会からの答申待ちというものでした。権威あるところから指摘されたから動く、という姿勢では困るんですね。議会側もがんばらねばならないが、職員の方も自主的自立的な改革が必要だと思います。
 河村市長、あなたのマニュフェストでは確か職務の適正化及び、透明化条例の提出など二度と口利き疑惑事件がおきないようにするとあります。働きかけについてすべて記録し公開することを原則とする条例つくろうと呼びかけたんですが9月議会何も出てこない。だから議案外の質問なんです。不正の働きかけをふせぐためには、議会でやるべきことは私たち頑張りますが、条例提出などあなたは市の職員のサイドでいつまでに何をしようとお考えなのかお答えください。

どんどん頼んでいい、でもオープンでやる、という風なことを目指したい(市長)
【市長】これはまさに最大の問題で、私も国会議員16年弱やっとりましたんでいろんなことを頼んだことも現にあります。骨折ることがいかんとは思いません。しかし一定の限度を超えたところはいかん。しかし、公開されていないことがいかんのじゃないかということがありまして、自らリーダーシップとってやるんですが、最終に決定するのは議会ですから、議会がやられるのか、私は私で提案したいと思っとります。全てのことを記録するということは当然ながら非常に有効だと思います。みんなでみてええことはええんじゃないかと思うんですよ。誰々を採用してくれだとかこういうことについては、これがまたややこしいとこですけど、優秀な人間があったら別に推薦してもいいんじゃないかという議論はありますけど、ロサンゼルスじゃオープンにやってますけど人事はいかんということになっとるらしいですね、どうも。
 民主主義ですからいろんなことをどんどん頼んでいいと、でもオープンでやる、という風なことを私は目指したいと思っています。議決されるのは議会ですから。

正常な働きかけもなにひとつ行わない議員が出ていていいのか(意見)
【山口議員】是非、職員サイドの取り組みは市長さんから責任もって条例出していただきたい。議会は議会で自分たちの襟を正すつもりで何ができるかはしっかり考えたいと思います。一方では、正常な働きかけもなにひとつ行わない議員が出ている。それで800万もらっている人も本当に問題だと思いますし、合わせてお互いにしっかり競い合って改革進めたいと思います。

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