2025年9月定例会

みつなか美由紀議員の議案外質疑②(9月18日)学校給食無償化 国まちではなく独自に実施を

【みつなか議員】

 学校給食費の無償化についてです。

 学校給食費無償化については、何よりも市民の皆さんの強い要望があり、運動が全国に広がりました。市民の声を受け、また議会での論戦などから、全国で無償化を実施する自治体が増え続けています。令和5年9月1日時点の調査では、547自治体で小学校、中学校を完全無償化しています。また、175の自治体では限定的であっても無償化に踏み出しています。毎年のように実施自治体が増えています。

 そこで教育長にお聞きします。近年の全国的な学校給食費無償化の広がりについてはどのように把握し、教育委員会としてはこの状況をどうとらえておられるのかお伺いします。

 実施している自治体は理由について、保護者への経済的支援や子育て支援ということが多く挙げられています。それと同時に、憲法26条で掲げられている「義務教育な無償」という観点が必要だと思います。これは無償にすればいいということだけではなく、「すべての子どもが学ぶために必要な条件を整える」ということです。不登校の子どもの保護者の方からもお話を伺いました。いつでも行きたくなった時に学校へ行けるようにと、一食も食べていないのに給食費を払い続けています。家にいればお昼も当然家で用意しますから食費はまた別にかかります。給食費を納めるのを止めようかと学校に相談したところ、納めないのは構わないが(給食を)再開するには二日前までに連絡してもらいたいと言われ、子どもが「明日行こうかな」となった時にやっぱり行きにくくなるという現状があります。保護者の経済的負担だけでなく、心理的な負担を取り除くためにも、何よりも子どもがいつでも安心して学校へ行ける環境を整えるためにも、給食は食育の核であり義務教育の一環であるという観点で言えば、教科書代同様に無償であるべきと考えます。

 そこで教育長にお伺いします。子どもの教育にとって、給食無償化の意義について教育長のお考えをお聞かせください。

あくまでも国まかせ

【教育長】

【みつなか議員】

 政令市では4都市が無償化を導入しているとのご答弁をいただきました。政令市では、大阪市は令和5年度から、福岡市は今年度の途中から、小中学校の全学年で学校給食を無償としています。相模原市は小学1年生について、堺市は小学1、2年生についてそれぞれ今年度から学校給食を無償にするなど、政令市でも無償化の取り組みが広がりつつある状況です。

 ご答弁では、「国において学校給食費無償化の検討が進められていることから、その意義につきましては、国の責任において整理されるべきもの」と、あくまでも国任せということでした。国は、給食無償化について「経済財政運営と改革の基本方針」いわゆる骨太方針に「令和8年度予算の編成過程において成案を得て、実現する」と明記しました。しかし、文部科学省の概算要求は事項要求にとどまっており、どのように実施をするかは依然不透明な状況です。

 そこで市長にお聞きします。国の検討いかんにかかわらず、他の政令指定都市が実施しているように、名古屋市も独自に無償化に取り組むべきではないかと考えますが、市長のお考えを伺います。

【広沢市長】

 学校給食の提供にかかる費用負担といたしましては、学校給食法等の趣旨を踏まえ、食材費を学校給食費として保護者にご負担いただき、学校給食に必要な施設の設備や光熱水費、給食調理員の人件費といった給食調理にかかわる経費につきまして、学校設置者である本市が負担しております。

学校給食費の無償化につきましては、「経済財政運営と改革の基本方針」に基づき、国の責任において実施すべきものと認識しているところでございます。私といたしましては、国が主導して持続可能な全国一律の制度を創設するとともに、必要な財源を確保することが望ましいと考えておりますので、引き続き国の動向を注視しながら情報収集に努めてまいります。

地方自治体として主体的に

【みつなか議員】

 給食無償化について要望を述べさせていただきます。今回国の骨太方針で「実現する」と明記されました。これは全国で市民の運動で独自で実施する自治体の広がったことが、国を動かしたものです。名古屋市でも独自の制度として実施することで、さらに国に対して制度の創設を後押しすることになります。国の言うままという受け身では、地方自治体としての役割が果たされません。学校給食無償化の意義についても、国が整理するというのはもちろんですが、名古屋市としてはどう考えるかということが必要であります。本市として主体的に学校給食無償化の実施に取り組むことを要望し終わります。

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