愛知県後期高齢者医療広域連合議会2025年7月臨時議会 反対討論
一般会計補正予算(第1号)の専決処分についての反対討論(岡田ゆき子議員・2025年7月28日)
議題となっております、令和7年度広域連合一般会計補正予算の専決処分について、反対の立場で討論します。
マイナンバーカードの導入から、10年経過しました。2021年からはマイナンバーカードと保険証の紐づけができるようになり、昨年12月2日からは、現行保険証を廃止して、マイナ保険証を基本とする仕組みとなりました。
しかし、この間、マイナ保険証に関しては、顔認証が読み取れない、資格情報が無効だった、有効期限切れであるなどのトラブルが続き、医療機関や患者など当事者団体からは、「紙の保険証の継続」を求める声が広がり、少なくない地方議会からも「現行の保険証の存続を求める意見書」が上がったことから、政府は、「資格情報のお知らせ」を新たに発行し、マイナ保険証と一緒に所持することを呼びかけることとなり、又、マイナ保険証がない人には「資格確認書」を職権交付せざるを得なくなりました。
さらに、後期高齢者に対しては、ITに不慣れなどの理由で、マイナ保険証の所持の有無にかかわらず、次期更新の際は、1年間だけ、全員に「資格確認書」を職権交付するという、暫定運用まで行われるに至っています。
一方、医療機関や薬局などでは「マイナ保険証の利用勧奨」が行われることもあり、後期高齢者から、どのカードを持っていればいいのか「わかりにくい」という声が上がっているのも事実です。連合長のあいさつの中でも、あえて、「混乱を来さないように」との発言がありましたが、この一年で、保険証に関して対応が2転3転する事態になったのは、そもそも、現行の紙の保険証を廃止したことが問題の根本になるのではないか。
今回、資格確認書が全被保険者が使用することができることと、マイナ保険証を使ってくださいとの両方を知らせる、全く内容が同じリーフレットを2度も送付するのは、被保険者の混乱を招くものだと言わざるを得ません。
今回のリーフレットのみの送付にかかる費用は、国の特別調整交付金があてられるのですが、同様に交付金を充てることができた名古屋市国民健康保険では、事前のリーフレットは送らない、と判断していました。広域連合は、高齢者の実態を十分理解することなく、リーフレットの送付を判断すべきではありませんでした。また、1億2500万円余もの国費を使うなら、高すぎる保険料の引き下げにこそ活用すべきだと国に言うべきであり、広域連合の責任が問われます。
以上を申し上げて、討論を終わります。