7月4日議案への反対討論 岡田ゆき子議員

「木造復元」でなく耐震改修を検証を経て、信頼回復を

完成予定期日を延長しても着工する目途なし

 名古屋城天守閣木造復元事業における、木材は、全国4カ所に分散して保管され、その保管料に毎年1億円が支出されています。保管の請負契約を、完成予定期日を暫定的に1年延長することが提案されました。昨年に続き2回目の延長です。岡田ゆき子議員が、7月4日の本会議で反対討論を行いました。その内容を紹介します。

 6月3日、名古屋市主催で名古屋城天守閣木造復元計画バリアフリーのあり方をテーマに市民討論会が開催されました。天守閣上層階までエレベーターの設置を求めた車いす利用の参加者に対して、差別表現を含む発言が続出しました。

 河村市長がこだわる「本物復元」は、深刻な市民の分断を招き、障害者権利条約の肝である「他のものとの平等」を権利として保障する国際水準に、近づくどころか後退させる、重大な人権問題に発展しました。それは、行政運営の在り方まで問われることになり、その検証だけでも1年程度はかかるといわれています。さらに、その検証を経て名古屋市は、障害当事者や市民との信頼回復に取り組まなければならなりません。信頼回復なくして、議論を前に進めるわけにはいきません。

 外観を史実に忠実に再現した「現天守閣」は、エレベータ―を利用して誰もが上階にのぼることができ、当時の木造天守に思いをはせ、また、戦後市民の復興のシンボルとして建設されたその重みを体感することができます。
 天守閣木造復元事業はいったん白紙に戻す決断をし、差別の象徴の城にするのではなく、「現天守閣」の耐震改修に直ちに着手し、名古屋市が信頼回復の道に進む城として、活用することを求めます。

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