名港管理組合2023年3月議会 (江上博之議員) 物流とモノづくりとを結びつけ、名古屋港が市民、県民にとって「ロマンあふれる港」になるように(2023年3月22日)

物流とモノづくりの利用がぶつからないようなスムーズな利用が求められる

【江上議員】金城ふ頭での名古屋港管理組合の物流としての利用と、名古屋市の国際展示場および民間のレゴランドなどの交流としての利用による、自動車移動での交通対策について質問します。
 金城ふ頭は、完成自動車の輸出入の拠点となっているほか、海外生産された完成自動車を一旦名古屋港に集積させ、再び世界各地へ輸送するトランシップも行っています。また、名古屋港港湾計画においては、金城ふ頭において、水深12mの岸壁が3バース、完成車を取扱う埠頭用地は約19㏊計画されており、今後さらに完成自動車の輸出拠点が拡張され、それに伴い、輸送のための自動車台数も増えることになります。
 一方、名古屋市の国際展示場は、展示面積で4万㎡あり、さらに、展示面積拡張の計画があります。私は、愛知県が運営する展示面積6万㎡の展示施設もあり、これ以上の展示場は必要ないと考えています。しかし、名古屋市は、さらなる展示面積拡張を進めており、自動車利用はさらに増えることになります。加えて、遊戯施設のレゴランドもあります。その利用者などの自動車利用もあります。もちろん、この部分については、あおなみ線の公共交通の利用促進も求められます。
 このように、名古屋港管理組合の物流としての金城ふ頭の利用と、モノづくりの展示施設、あるいは、観光施設としての名古屋市やレゴランドの金城ふ頭の利用がぶつからないように、スムーズな利用が求められます。そのような利用になることを願って質問します。

物流と交流のルートはどのように調整しているのか

【江上議員】完成自動車等の輸送は、空見町から、金城橋を通って金城ふ頭につながるメキシコ大通を通り、国際展示場やレゴランド利用者は、別の通りを利用するように調整されていると聞いています。現時点での利用の使い方はどう話し合われているのでしょうか。
 また、物流は、高速道路を通って、インターから出てメキシコ大通りを通る場合と、空見町から平面通りでメキシコ大通りを通る場合があると考えられます。主にどのルートで輸送が行われているのか。あるいは、これからの利用が考えられているのか。お答えください。

一般道では汐止町交差点で物流と交流を分離、高速は名港中央インターチェンジ出口にUターンランプを整備して金城ふ頭駐車場へ直接入庫するように誘

【総合開発担当部長】金城ふ頭は、完成自動車や産業機械などを取り扱う重要な物流拠点であり、名古屋市のモノづくり文化交流拠点にも位置付けられており、物流機能に支障をきたすことなく、港湾関係者の理解のもとで交流拠点開発が展開されるよう、名古屋市との調整で、物流と交流のルートを分離している。
 一般道は、金城ふ頭から約2㎞北の汐止町交差点で物流と交流を分離し、物流車両は最短距離で金城ふ頭に向かう梅ノ木線へ、交流の一般車両は西側の庄内川沿いへ迂回する潮凪線へ誘導している。
 高速道路は、名古屋市が名港中央インターチェンジの出口にUターンランプを整備し、交流の一般車両が金城ふ頭駐車場(5000台)に直接入庫するように誘導している。
 そのほか、名古屋市が行う、必要な箇所への案内看板の設置や路面表示、国際展示場催事関係者と共同した交通案内の周知など、物流と交流のルートの分離に本組合も協力して取り組んでいる。

物流も国際展示場も拡張された場合にはどんな交通課題があるのか

【江上議員】現在の利用にとどまらず、完成自動車等の輸送基地の拡張や、国際展示場の現時点以上の展示面積の拡張が予想されます。
 そこで、質問します。物流も国際展示場も拡張された場合を想定して、どのような交通問題が課題として挙がってくると考えているのでしょうか。お答えください。

インターチェンジ周辺での交通円滑化に向けた調査を市が2023年度に予定している

【総合開発担当部長】金城ふ頭における交流機能は、レゴランドの拡張や第2展示館の移転改築に向けた検討が名古屋市で進められている。
 2022年10月の国際展示場新第1展示館等の開業に伴い、名古屋市が、案内看板の増設や一般車両の金城ふ頭駐車場への集約化など様々な交通対策を実施してきた。2022年10月以降の交通状況調査から、一時的にイベントの開始時及び終了時において名港中央インターチェンジ周辺で混雑が見られた。
 今後、物流への影響が出ないよう、名古屋市がインターチェンジ周辺での交通円滑化に向け、現地調査も含めた検討調査を2023年度に予定しており、本組合も協力していく。

自動車等の輸送風景を見せる観覧など、物流とモノづくりとを結びつける検討を

【江上議員】物流拠点とモノづくりの展示場が金城ふ頭にあることを前向きに考える方策があるのではないか、という点から質問します。
 以前、NHKテレビの「ブラタモリ」という番組で、名古屋港の自動車基地での車両の積み込みを放映していました。大変興味深い画面でした。輸出用乗用車を自動車専用船で運搬するために、船内に積み込む作業をテーマにしていました。名古屋港の魅力の一つとして、この物流とモノづくりを結び付けた観覧ができるようにできないでしょうか。
 自動車等の輸送風景を見せる観覧など物流とモノづくりとを結びつける検討をしないのでしょうか。

物流拠点の機能を維持し交流既往が展開されることが重要で、交流拠点の展開は港湾関係者の理解が求められる

【総合開発担当部長】金城ふ頭は重要な物流拠点でもあり、物流機能に支障をきたすことなく、交流機能が展開されることが重要と考え、物流と交流を分離している。
 今後も交流拠点開発が港湾関係者の理解のもとで展開されるよう取り組んでいく。

物流機能と交流機能が共存できる仕組みの検討が必要では(再質問)

【江上議員】自動車等の輸送風景を見せる観覧など物流とモノづくりとを結びつける検討について副管理者に再質問します。
 答弁では、物流機能と交流機能とで支障が出ないように分離しているので、むつかしい、というように聞こえました。
 私は、名古屋港は、工業港で、埋立港で、港でありながら船が見えない、ロマンのない風景になっていると感じています。しかし、工業港というのは、モノづくりの技術が詰まっているともいえるわけで、国際展示場のものづくりを展示する施設と共有できる部分があるのではないか、と思っています。その共有できる部分として、物流での、例えば、自動車を専用船に積み込む技や、他の技という現場のものづくり、まさに、展示でなく、現物を見せることに意義があるのではないか、物流機能と交流機能との一部共存もあるのではないでしょうか。
 そこで、副管理者に質問します。これからの「ロマンあふれる名古屋港」を展望する点からも、物流を見学できる仕組み、物流機能と交流機能が共存できる仕組みを検討したらどうでしょうか。

港湾関係者の理解のもと、今後も金城ふ頭の発展に努める(専任副管理者)

【専任副管理者】金城ふ頭は、完成自動車や産業機械などを取り扱う重要な物流拠点であり、名古屋市のモノづくり文化交流拠点にも位置付けられており、物流機能に支障をきたすことなく、交流機能が展開されることが重要です。港湾関係者の理解のもと、今後も金城ふ頭の発展に努めていきます。

名古屋港が市民、県民にとって「ロマンあふれる港」になることを願う(要望)

【江上議員】国際展示場について、これ以上展示面積を拡大する必要はなく、現時点での交通対策を物流の拡大との兼ね合いで一般道も含めて検討する必要があります。
 物流とモノづくりとを結びつける検討については、港運関係者がいる問題ですから簡単でないということは承知していますが、名古屋港が市民、県民にとって「ロマンあふれる港」になることを願っての質問です。今後とも検討を進めてもらうことを求めて質問を終わります。

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