名港管理組合2022年11月議会 (江上博之議員) 公有地利用の廃業時でのトラブルを未然に防止する対策を(2022年11月15日)

債権額等の事実の確認について

【江上議員】第19号議案=公有地を使用していた企業が、破産手続きに入り、管理組合が保管する保証金の債権への充当、管理組合の同社に対する原状回復請求権の放棄、同社の建物等の所有権放棄等について破産管財人と和解契約を締結したいという件、第20号議案=公有地を使用していた企業との連絡が取れないまま貸付料が未納になっており、公有地の原状回復及び返還義務並びに未納貸付料等の支払いを求めて提訴する件について質問します。

和解企業への損失項目と金額は

【江上議員】第1に、債権額等についての事実の確認です。
 和解企業の公有地に係る貸付料等の請求額は、単価や面積やヒアリングから1150万円余と思われます。土壌汚染の検査及び土壌回復にかかる費用がかかります。さらに、公有地上に残置した建物等の撤去及び更地する費用が掛かります。一方、管理組合への保証金があるようです。
 そこで質問します。管理組合の損失を計算する項目として以上の事実で間違いありませんか。

未納貸付料、不法占拠による損害などで1157万円。土壌汚染の原状回復費などは未定、建物撤去費用は4380万円を計上

【港営部長】第19号議案に係る和解契約を締結するT社は、2022年11月15日現在で未納の貸付料、不法占拠により被った損害金及び未納貸付料の遅延利息の合計が1157万1285円となっている。土壌汚染の調査及び土壌回復に係る費用は、今後、調査し、精査していく。建物等の撤去費用には4,380万円を補正予算に計上している。補償金を1,866万4千円預かっており、原状回復費用に充てていく。

訴訟相手からの名港管理組合の損失はいかほどか

【江上議員】訴えの提起に係る企業について質問します。
 公有地に係る貸付料等の請求額は、単価と面積やヒアリングから780万円余と思われます。土壌汚染検査の対象ではないようですから、この費用はないと思われます。公有地上に残置した建物等の撤去及び更地にする費用が掛かります。この企業の管理組合への保証金はないようです。
 そこで質問します。管理組合の損失を計算する項目として以上の事実に間違いありませんか。

未納貸付料、不法占拠による損害などで784万円。撤去費用は請求す

【港営部長】第20号議案に係る訴えの提起を行うS社は、2022年11月15日現在で未納の貸付料、不法占拠により被った損害金及び未納貸付料遅延利息の合計が784万8,639円となっている。土壌汚染は確認されていない。建物等の撤去を相手方に求めていく。保証金は預かっていない。

もっと早期に事態を収拾できなかったのか

【江上議員】第2に、事態の収拾をもっと早くできなかったか、という点です。
 和解の案件について2020年11月相談があったと聞いており、破産手続きは2021年11月に開始しています。そのうえで、和解手続きは、今年の11月以降となります。これだけの時間は取らざるをえなかったのか。また、早く進めても、今回のようになっても結局かかる費用は同じことであったのか。
 訴えの提起の案件について、2021年1月に貸付料が振り込まれていないことが分かりました。それまでに何ら兆候がなかったのでしょうか。裁判所への訴えは今年の11月以降になります。これだけの時間は必要であったのでしょうか。

和解相手の破産管財人からの提案が9月になったこと、訴訟相手の行方を調査したが所在不明のため8月に契約解除したため

【港営部長】T社について、和解契約を締結する破産管財人は裁判所により選定された者であり、法に基づき資産の確保、債権者や債権額の整理が必要となり、破産管財人からの和解契約締結の提案が2022年9月であったため、直近の11月議会への議案の上程が最短と考えている。
 S社について、貸付料は口座振替となっており、2021年1月までは滞納がなかった。2021年10月に代表者の所在が不明となり、その後も所在の調査を行ってきたが、2022年3月に同社が解散したことが判明。引き続き代表者の所在が不明なままであったため、本組合の弁護士に相談の上、2022年8月に賃貸借契約を解除し、直近の11月議会への議案の上程をした。

これまでの対応及び今後取りうる改善策はどうか

【江上議員】第3に、これまでの対応と今後取りうる改善策についてです。
 公有地の貸付料の遅延や未納がわかってからの手続きに時間をかけることは、利用者の立場を尊重し、必要なことです。ただ、土地については、土壌汚染の検査や回復、建物等の存在に係る費用もあります。
 借地者に対し、退去にあたって、以上の費用がかかることを事前に様々の時期に周知する必要があります。契約時はもちろんですが、期間が長いわけですから時々の周知も必要ですが、周知は行ってきたのでしょうか。また、今回の事態を踏まえ、周知の在り方について改善したことがありますか。

契約時には原状回復を丁寧に説明している。説明を徹底し、土壌汚染防止の点検と対策を求め

【港営部長】公有地の借受者には、賃貸借契約の締結時に行う契約書の説明の際に、原状回復については丁寧に説明しており、引き続き、説明を徹底していく。中川運河沿岸用地に立地する本件と類似の事業者には、土壌汚染防止の観点から施設の点検及び必要な対策を行うよう依頼していく。

今後、土壌汚染や建物撤去で、どの程度の費用がかかるのか(再質問)

【江上議員】それぞれの案件について、どれくらいの費用が掛かるか説明をいただきました。和解の案件では、差し引きすると4100万円以上の損失が明らかです。訴えの案件では780万円を超えます。
 管理組合の損失金額はさらに増えると思われます。今後の土壌汚染対策費や建物撤去費などがどのくらいになるか金額は出るでしょうか。

土壌汚染対策に係る費用などは未定。訴訟相手には判決後に確定する

【港営部長】T社については、議決を得た後、早急に和解契約の締結を行い、不法占拠で被った損害金等が確定するが、土壌汚染対策の費用は、今後、土壌汚染の範囲を詳細に調査し、複数の対応策を検討していくため現時点では債権額を確定することができない。
 S社については、今後、提訴し係争していくので、判決が確定した後に、当該公有地上の建物等が撤去され更地となるまでは債権額を確定することができない。

企業への情報提供も適切に行って事業の振興を(要望)

【江上議員】貸付料は、管理組合の一般会計収入で大きな部分です。企業の事業振興とともに、企業への情報提供も適切に行って、事業を進めていただくことを求め質問を終わります。

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