個人質問(11月25日)田口一登議員

インボイス制度導入の中止・延期を
―― 河村市長「来年10月実施はやめた方がいい」――

課税事業者を選べば増税、免税事業者を選べば仕事がなくなる……地獄の選択を迫る制度

 インボイス制度の導入で、免税事業者のうち161万者が新たに課税事業者になり、平均15万4千円、合計で2480億円の増税になると財務省は試算しています。課税事業者を選べば負担が増え、免税事業者を選べば仕事がなくなる。インボイス制度は、小規模事業者やフリーランスの人たちに増税か廃業かという地獄の選択を迫るものです。
 田口議員は河村市長に「インボイス制度の中止・延期を国に要望すべきではないか」と質問。市長は「国の根こそぎ課税という考え方だ。商売をやっている人を苦しめてはいかん。来年10月(実施)はやめた方がいい」と答弁しました。

市シルバー人材センターは税負担増2億円

 シルバー人材センターで働く会員は、センターからの配分金が月3~4万円と少額であり、会員は免税事業者の扱いです。シルバー人材センターは配分金に係るインボイスを会員からもらえず、消費税額を控除できません。市健康福祉局長は、「インボイス制度の完全実施で名古屋市シルバー人材センターは新たに消費税額が約2億円も増える」と答弁しました。
 国は、シルバー人材センターへの発注額の約3割を占める自治体に発注価格の引き上げを要請します。現行の制度のままだと市も発注価格を上げざるを得ません。田口議員は「市民の税金が、センターを経由して、消費税として国に吸い上げられるということです。理不尽な話じゃないですか」と指摘しました。

入札参加資格にインボイス登録を要件にしない

 インボイス制度では市の特別会計等で免税事業者からの仕入れに含まれる消費税額が負担増になるため、入札の参加資格にインボイス登録を加える自治体が出てきました。田口議員は「競争入札においては、免税事業者を排除するような参加資格は定めないと断言せよ」と質問。財政局長は「インボイス登録事業者であることを参加資格の要件とすることは検討していない」と答弁しました。

国保料の値上げをやめ、均等割引き下げを
ー河村市長「よう考えますので、ちょっと待ってて」ー

国の言いなりに保険料賦課率をあげる必要はない

 名古屋市が愛知県への納付金の保険料賦課率を94%へ引き上げ、国保料が上がります。賦課率引き上げは、決算補填等目的の繰入金の解消を国が求めているためですが、2020年度と21年度の決算ではこの繰入金はゼロです。田口議員は「保険料賦課率の引き上げは必要ないのでは」とただし、名古屋市は「赤字解消に向けた根本的な解決に至ってない」と答えました。
 田口議員は、「国が法定外繰入の解消を自治体に迫っているが、全国市長会は『地方分権の趣旨に反する』との懸念を表明している。国の圧力に唯々諾々と従う必要はない」と指摘し、保険料賦課率の引き上げによる国保料の値上げは中止するよう求めました。

均等割の引き下げを5%でなく10%にして

 名古屋市は現在、国保料の均等割額を3%引き下げていますが、来年度から5%に拡大します。このための一般会計からの繰入は国が認めている繰入です。田口議員は「一般会計からの繰入をさらに増やして、均等割額の引き下げ率を5%にとどめず、10%にしたらどうか。一人あたりの均等割額は3900円程度の引き下げになる」と質問しました。健康福祉局長は「国保に加入していない市民も含めた幅広い理解が必要」と答弁しましたが、共産党市議団の市政アンケートへの回答で「国保料の値下げ」を要望した方が第3位、20代では2位になっています。市民の理解は得られています。

異常に高い国保料。繰り入れを増やせ

 河村市長が加入する共済組合の健康保険料は月給50万円、年収800万円(市長の給料)の場合で年額37万6千円。年収800万円の70歳単身世帯の国保料は約60万8千円。国保が1.6倍も高いのです。田口議員は「市長、国保料は高いと思いませんか。均等割額の引き下げ率を5%にとどめず、10%などへとさらに拡大し、国保料の値下げを求める市民の願いに応えていただきたい」と求めました。減らした繰入を17億円増やせば可能です。
 河村市長は「国保の人はみんな大変だと骨身にしみている。(均等割額のさらなる引き下げは)よう考えてみますけど。ちょっと待ってて」と答弁しました。

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