2021年6月議会

田口一登議員の個人質問:①核兵器禁止条約の締結を(2021年6月24日)

核兵器禁止条約に対する市長の認識について 田口一登議員

日本政府に対して核兵器禁止条約の締約国となるよう求めよ


【田口議員】今年1月22日、核兵器禁止条約が発効しました。これは、広島・長崎の被爆者をはじめ、「核兵器のない世界」を求める世界の圧倒的多数の政府と市民社会の共同した取り組みの画期的成果であると考えます。
 核兵器禁止条約は、核兵器の使用だけでなく、存在そのものを違法としています。この条約の発効は、核兵器保有国や、核兵器に依存する国を、「国際法違反の国」として政治的道義的に追い詰めていく大きな力を発揮していくでしょう。
 本市は、1963年に議決された「平和都市宣言」で、「原水爆の脅威から免れ」、「人類永遠の平和確立のために努力する」と宣言しています。この宣言に照らせば、本市としても、核兵器禁止条約の発効は歓迎すべきものではないでしょうか。
 一方、唯一の戦争被爆国である日本の菅政権は、世界の流れに背を向けて、アメリカの「核の傘」=「核抑止力」に依存していることを理由に、禁止条約への参加を拒んでいます。「核抑止」とは、核兵器の使用を前提にした威嚇に他なりません。いざとなれば、広島・長崎のような「破滅的な人道的結果」を容認するものであり、被爆国の政府が、こうした立場をとることは許されません。
 本市も加盟している平和首長会議は昨年11月、広島・長崎両市長が、平和首長会議国内加盟都市会議の総意として、日本政府に対して、核兵器禁止条約の締約国になること、そして締約国となるまでは締約国会議にオブザーバーとして参加し、核保有国と非核保有国の橋渡し役としてリーダーシップを発揮するよう要請されています。
 そこで、市長にお尋ねします。核兵器禁止条約の発効について、本市が行政運営の理念としている「平和都市宣言」に照らしてどのようにお考えですか。また、平和首長会議の加盟都市の市長として、日本政府に対して核兵器禁止条約の締約国となるよう求めるお考えはありませんか。お答えください。

(核兵器は)安全保障のために必要(市長)
【市長】これは考え方が違う。日本は被爆国として70数年前に大変な悲劇に見舞われたということはよう分かっておりまして、一番強くアピールせないかんことだとは思います。しかし、政治はリアリズムも大変重要でして、東アジアにおける安全保障の状況を見ますと、北朝鮮だけにとどまらん大変な状況になっとりまして、こちら側の安全保障の枠組みづくりを配慮しながら、日本人の日本国の安全保障を守ってくということが必要だもんですから。名古屋市がこうだがやと現実を無視して日本の国を悲劇に近づけてしまうという選択はとるべきではないと思っております。

核兵器を安全保障の手段とすることを乗り越えたのが核兵器禁止条約(意見)
【田口議員】核兵器禁止条約は、「核兵器のない世界」の達成が、「国家安全保障上及び集団安全保障上の利益の双方に資する最上位の国際的な公益」であると謳っています。核兵器を安全保障の手段とする考えを乗り越えているのです。
 市長には、核兵器禁止条約に対する認識を新たにしていただきたいということを申し上げておきます。

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