2021年6月議会

江上博之議員の個人質問:②名古屋高速黄金インターチェンジ拡張計画(2021年6月24日

名古屋高速黄金ICの拡張が住民を苦しめている   江上博之議員

移転対象の住民への具体的な補償内容は
【江上議員】

に、名古屋高速道路黄金インター拡張計画について住宅都市局長に質問します。1年半前の2019年11月議会以降、この問題について質問や討論を行ってきました。今回の建設が、都心域での渋滞を解消し、都心への自動車の流入を抑えるという名古屋都市高速道路の理念に反する計画であること。インターが建設されても名古屋駅への到達時間は約4分しか速くならないこと。その建設費が約170億円であること。地域では、40年前の現都市高速道路建設で150件以上が移転を強いられたうえ、今回の移転で、九重町、百船町、計40件弱の移転対象になっていること。そのうち5件が再度の移転を強いられること。などから、拡張工事の反対を求めてまいりました。
 今回、地元の住民のみなさんで結成した「黄金インター建設を考える会」がアンケートを行い、その結果をもとに改めて反対の声を届けます。
 今回のアンケートは4月に行われ、主に、百船町、うち移転対象は予定の用地交渉者が20件弱の地域を中心に70軒ほどに配布されました。回答は、24世帯から得ています。拡張は必要ないという世帯が17世帯の71%。どちらともいえないが7世帯の29%で、必要という世帯はゼロでした。「今以上の高速道路に必要性が感じられない」「中央分離帯の設置による東西の生活道路の分離が問題」「地域の環境の悪化。いまの環境が崩れる」「地域住民には不必要、何十年暮らしていく子どもに害悪しか与えない」と拡張反対の声です。
 百船町の移転対象者の家族状況を調べてみました。世帯数ですから土地所有者の数とは異なります。地域の方にお聞きした範囲で、80代以上の1人暮らしが6軒、80代を含む5人暮らしが1軒、70代2人暮らしが1軒など高齢者世帯や1人暮らしが目立ちます。九重町では、80代の夫婦を含む世帯と90代の方を含む世帯が2度目の移転を強いられています。このように、移転対象者は、長年住み慣れた高齢者が多くかつ、1人暮らしの方が大変多いということがお分かりだと思います。
 2019年11月議会で私の質問に、当時の住宅都市局長は、「移転対象となる方々に対しましては、昭和45年5月に名古屋市議会において、都市高速道路の都市計画案を了承するに当たり付された3条件及び昭和47年3月に愛知県議会において配慮すべきとされた8項目を尊重し、御要望を伺い、御理解、御納得を得られるよう、補償を含めた生活再建などの点について丁寧に説明を重ね、事業予定者と一体となって、きめ細やかな対応に努めてまいりたい」と答弁しております。その3条件の一つに、「都市高速道路に面する沿線住民は、直接的な利益を受けることなく、むしろ実害を被ることになると考えられる。したがって都市発展の犠牲となるこれらの沿線住民には、従来の事業による補償基準にこだわらず、犠牲度を十分救済できるような格別な配慮を払うべきである」とあります。
 現在、関係住民に「従来の事業による補償基準にこだわらず、犠牲度を十分救済できるような格別な配慮」として住民にどのような提案を検討しているのですか。

公平・構成な補償に留意する(局長)
【住宅都市局長】これまでの名古屋高速道路の事業では、地域の関係者にご理解・ご納得を得られるよう、補償を含めた生活再建などの点について丁寧に説明を重ね、きめ細やかな対応に務めてきました。
 本事業でも、特に移転対象となる方々の事情を十分に伺い、公平・公正な補償に留意しながら、生活再建や要望に沿った移転先のあっせんなど、丁寧な対応を事業者である名古屋高速道路公社へ求めていく。

住民の「理解と納得」は得られていない
【江上議員】8項目の一つに、「住民の理解と納得を得る」という項目があります。
 名古屋市として、黄金インター拡張計画は、現時点で住民の理解と納得を得ていないと認めますか。

参考【3条件8項目】
◎ 昭和45年5月25日名古屋市議会都市開発整備促進部会及び建設清掃部会において、次のような要望が付された。これを「3条件」と称している。
(1)都市高速道路に面する沿線住民は、直接的な利益を受けることなく、むしろ実害をこうむることになると考えられる。したがって都市開発の犠牲となるこれらの住民には、従来の補償基準にこだわらず、犠牲度を十分救済できるような格別の配慮をはらうべきである。
(2)都市高速道路の建設は今後10か年にわたって施行される予定である。しかしながら、発展する都市の状況並びに輻輳する交通量等から、将来の実情に応じて変更の必要が生ずることも考えられる。したがって、計画決定後といえども当初決定にこだわらず最善の方途を講じて、万全の対策を樹立し、建設にあたるよう努力を払われたい。
(3)直接住民の利便に供する交通機関の設置等のほか、都市高速道路と相互に関連する道路網の充実を図り、将来の都市交通に対応できるよう積極的な努力を払われたい。

◎ 昭和47年3月22日の愛知県議会土木建築委員会において、委員から次のような発言があった。これを「8項目」と称している。名古屋都市高速道路の基本計画を審議した際、 住民を守る立場から今日の状況を予想して3条件を付した。しかし、現状は当時の予想をはるかに上回り光化学スモッグ等による交通公害などの 生をみた。しかるが故に3条件が明確に実施されなければ認めるわけにはいかない。さらに現下の問題として次の事項について十分な配慮をすべきである。
(1)住民の理解と納得を得る。
(2)大衆輸送機関の早期建設(高速鉄道、バスレーン、パークアンドライド方式、公共駐車場の充実)
(3)第2環状線の早期建設
(4)渋滞地帯の解消
(5)交通安全、交通規制の強化(生活道路確保)
(6)公害の防止
(7)都市環境との調和

引き続き丁寧に説明していきたい(局長)
【住宅都市局長】本事業を進めるに当たっては、都市計画変更に際して、本市が地元説明会や意見交換会、個別の会合などを重ねてきた。また、事業化に際して、公社が事業説明会を開催し、事業の必要性とともに補償について地域の関係者の皆様に説明を行っている。
 引き続き、公社と共に、丁寧に説明を重ねながら本事業を進めていきたい。

住民の理解と納得を得ていないのは明らか。事業は中止を(意見)
【江上議員】丁寧な説明はありましたが、「犠牲度を十分救済できるような格別な配慮」の提案の検討内容も、事業について「住民の理解と納得を得」ていないと認めるかも、回答はありませんでした。移転対象者を含む住民の理解と納得を得ていないのは明らかです。この事業は中止することを改めて求めます。

キーワード: