2021年6月議会

江上博之議員の個人質問:①知事リコール署名の不正に対する道義的責任(2021年6月24日)

リコール署知事名に係る市長の政治責任について 江上博之議員

知事リコール署名不正・偽造の行方に、市民が大きな関心を持っていると認めるか
【江上議員】知事リコール署名に係る市長の政治責任について改めて河村市長に質問いたします。


 名古屋市長選挙は、知事リコール署名不正・偽造事件を受け「壊された民主主義と市民の名誉を取り戻」し、「コロナ感染から市民の命と暮らし、福祉をまもる」市政にするかどうかが問われました。市長選挙は河村市長が再選されました。しかし、民主主義や市民の名誉は回復されておりません。問われた問題は一層解明が求められております。
 最近出版された月刊誌で、河村市長は、「名古屋市長選に関するマスコミ7社の共同出口調査によると、『投票の際にトリエンナーレ偽造署名問題を考慮した』という人は51%もいたそうで、根拠のない誹謗中傷で被害を被ったのは私の方です」と書いています。これは、4月26日に報道された出口調査「知事リコール運動での署名偽造問題を考慮したか」の質問に「考慮した」51.3%のことを書かれものと思われます。4月11日告示の市長選挙の直前の4月9日に出版された月刊誌に大村知事が投稿した文書で河村市長が被害にあったと言いたいのでしょう。しかし、この出口調査で大切なのは、市長が被害を受けたかどうかというより、知事リコール署名の不正について投票者の過半数が選挙の争点と見ていたということではありませんか。
 知事リコール署名不正・偽造の行方に市民が大きな関心を持っていると認めますか、認めませんか。端的にお答えください。

多くの市民が関心をもった(市長)
【市長】投票の際、知事リコール運動で署名偽造問題を考慮した人は51%ということですので、そりゃあ多くの人が関心を持たれたということです。

市長は謝罪すべき。独自調査で何が分かったか
【江上議員】愛知県の大村秀章知事のリコール(解職請求)運動をめぐる署名偽造事件で、愛知県警は5月19日、地方自治法違反(署名偽造)の疑いで、リコール団体事務局長の田中孝博容疑者ら男女4人を逮捕しました。さらに6月8日、愛知県警は、田中孝博容疑者ら4人を再逮捕いたしました。4人は、昨年10月下旬ごろ、偽造文書を作成していた容疑です。この逮捕を受け、マスコミではどう捉えられているでしょうか。
 民主主義破壊についてはどうでしょうか。「民主主義の柱である直接民主制を冒涜する犯罪行為をだれが主導し、動機は何だったのか。真相を解明せねばならない」「(直接請求)を悪用し民意の改ざんを図った・・犯罪。直接手を染めた者はもちろん、運動を先導しながら不正を見逃した者らにも極めて重い責任がある」というように、民主主義を冒涜した行為であり、真相究明や運動を先導した者の責任を求めています。
 つぎに、河村市長の責任をどうみているのでしょうか。「河村市長は事件への関与を全否定しているが、逮捕者まで出した活動の「主役の一人」として、自身の責任に真摯に向き合うべきだろう」「かつて主導した市議会解職請求で署名集めを担った人の名簿を運動団体に提供しており、責任を免れない」「河村市長は、・・・運動の中心的な役割を果たし、最終的に逮捕者まで出した責任は重い」。どのマスコミも河村市長が、リコール運動の中心的な役割を果たしてきたものとしての政治的道義的責任を求めていることは明らかです。
 ところが、河村市長の受け止めは違います。容疑者逮捕に「もっと早くてもよかった。これで署名偽造の関与がなかったことが明らかになる」(中日5月20日)と発言しました。自分が熱心に、かつ、中心的に進めたリコール運動の幹部が逮捕されたことに対する謝罪の姿勢がないどころか、河村市長自身の関与がなかったことが明らかになった、というだけであります。
 3月8日の私の質問に、市長は「はじめから謝ってばっかというのも、これもまず、とにかく事態の真相究明がどうしても重要だ」と述べ、逮捕者が出たら謝罪するとも言っておりました。
 一緒に行動してきたものの中から逮捕者まで出てきたわけですから、市民への政治的道義的責任について謝罪を求めます。そのうえで、市長は、今回の月刊誌で、「最終報告は、捜査に一定の目処が立った段階で公表します」と記載しています。市長の調査は、だれが、何の目的で、どのように不正・偽造を行ったとみているのか、誰がお金を出したのか明らかにするということですね。お答えください。

「独自調査」で責任を果たすつもり(市長)
【市長】「文芸春秋」でも答えてますけど、独自調査で徹底的に事実を究明するということで、私は自らの責任を果たすつもりでおります。内容について、特にお金のことはいろいろ調査しておりますけど、大変困難。強制調査権がありませんので。その内容も含め、県警による捜査がすすみ、捜査に一定のメドがたった段階で公表したいと思っとります。

不正・偽造が行われた時期にもたびたび会食するほど、容疑者と親密だったのでは
【江上議員】田中容疑者は、10月下旬偽造署名を作成したという容疑です。3月の市議会本会議で、横井利明議員の質問で「最終盤10月末から11月初めに、(田中)事務局長とたびたび飲食を共にしていた。何を話したのか」と問われた市長は、会食したことは否定せず、「何をしゃべっていたか記憶にない」と答弁しました。偽造が行われていた同時期に逮捕された人物と会食をしていたことを市長は認めています。
 ところが、今回の月刊誌にそのことは書かれておりません。「田中氏はことさら私のことを警戒していたようです」と書いて、昨年9月半ばころからの自分の関係者が遠ざけられていたという例を挙げています。
 10月末から11月初旬の、ちょうど偽造署名作成の時期に、田中容疑者と会食を共にしていたわけですから、市長は田中容疑者と親密な関係を続けていたということですね。お答えください。

10月に会食したが偽造の話はなかった(市長)
【市長】会食については調べてきまして、偽装署名に着手したというか、準備というか、決断したというのか、たぶん10月上旬だと思います。その会合が行われたのは。それ以降、実際に佐賀が10月20日からと、ほぼ10日間と言われとりますんで。10月初旬以降、10月に3、4回飯を食っとっただろうと。25日、26日はこちらに記録がある、領収書があると言っとりました。しかし、署名があるなんて話は当然一言も出でまいりませんし、「河村さんも事務所の電話には出るな」というような指示が、秘密がバレるといかんというような状況だったようでございますんで、一切偽造という話は全くありませんでした。
 それどころか、10月15、16、17日のへんじゃないかなあというところで、名簿がなかなか集まらんという話がありまして、わしはもともと「コロナで集会ができないから無理だ。コロナが終わってからにしましょう」と言っとったぐらいで。高須さんが「ガンで命もそうないんでやりましょう」ということで、そうなっちゃったんだけど。まあ精一杯努力して、やるだけやって、その後に2回目にコロナが収まってからやっていけばいいと言っとりまして、こちらが偽造して名簿のかさ上げをするなんてまったく考えもつかなかった状況でございます。

署名数に根拠がない公開質問状は撤回すべき。「有効な名簿が他にある」という根拠は
【江上議員】河村市長は、約43万5000筆の署名が選挙管理委員会に提出された11月4日の後の16日、大村氏が河村氏について「哀れな人だな」と述べたとして「43万人もの県民からノーを突き付けられた貴職の方が哀れな人だと思う」「リコール運動を真摯に受け止めているのか」と尋ねる公開質問状を大村知事に提出しています。これについて、偽造が明らかになった今年2月1日「取り下げるのですか」と記者から質問され、「そんなの取り下げませんよ、そりゃ」と回答しています。83%の不正が明らかになり、43万人を根拠にした公開質問状は取り下げるのですか。お答えください。
 83%の不正で、名古屋市内では署名に賛同した市民は2万6981人、有権者約189万人の1.43%、有権者100人のうち1.43人でした。市長の主張は認められなかったという3月8日の私の質問に対し、河村市長は「有効な名簿は別個のとこにあると、10万とか20万とかですね。という説があるんです。調査しとります」と回答しました。その後の調査で、どこに有効署名があるのですか。お答えください。
 リコール運動を推進してきたものとして、その運動を一緒に行っていた中から逮捕者まで出ました。民主主義の根幹を揺るがす事件です。民主主義回復を求める市民に真摯に回答されることを求めます。

選管発表の数字を使っただけ。有効署名が他所にあるという人がいる(市長)
【市長】署名の数は選管が発表したので、それに忠実に話をさせて頂いた。
 有効な名簿が別にあることについて、おひとりは稲沢の自宅に10万ほどあるのではないかと言っておられた。他の方は20から30万ぐらいはあるんじゃないかという話があった。稲沢の自宅は警察が捜索、いわゆるガサ入れをして、その内容は知る由もない。
 ある方が「名簿が事務所に無いけど、どうなってんだ」と言ったら、田中氏が全て持っていって、ここの事務所には無いという話があった。噂ですけど、知多半島の某所にあるという話もあり、裏付をとろうとしましたが、どうも違う可能性があるということです。
 自分が作って出した申請名簿が無い。やっぱりどこかに持ってかれたんではないかと述べておられる方がお見えになられます。
 全体でいくつあったかは、警察の方にありますので、ちょっとよくわかりません。

組織の長として失格。疑惑が無いと言い張る根拠を示せ
【江上議員】市長の答弁を聞いておりますと、リコール運動を進めてきた者として、内と外との区別、内部問題と対外的対応の区別でなく、自分とその他の区別で発言をしている。自分のことについてはいろいろ言うけれども、その他のことについては言わない。自分がやってないことは謝らない、こういう態度です。しかし、それでは組織の長としては失格じゃないでしょうか。そのことをまず申し上げておきたいと思います。
 いま、昨年10月下旬というのを、25日、26日には飲んでいたという記録があると明確に言われました。これだけ疑惑がある。ますます疑惑が深まりました。疑惑が無いという根拠をきちんとされないといけないと思いますが、どのような根拠で疑惑が無いと主張されるのか、改めて質問させていただきます。

関係者が「河村さんは関与していない」と言っている(市長)
【市長】関係者の方が言っておられたが、河村さんは関与しとらんという。ひとりの方はこの名簿をそのまま残しておこうと最後まで言っておりました。燃やしてしまおうという話がありましたんで、ダメだと言って。名古屋市のいろいろな書類や10年前の名古屋市議リコールは某製紙会社で溶解されとる。燃やされると熱心にリコールやられた人がさすがにガックリすると、そういう話をしとった。河村さんはずっと名簿を残しておこうと言ったことで、偽造には関与していないことがよく分かる。
 僕は最後まで大量の名簿が偽造できるとは気が付かなかった。なぜかというと、リコール署名には生年月日を書く欄がある、よく言っとったのは自分のおかあちゃんの生年月日も知らんぐらいだと。家庭の内部で書くか、企業の方が知っとる場合に書くか、そのくらいしかありえないので、何十万も生年月日、それも正しいようだと絶対ありえない、偽造は。そういう話もあり、2月15日に請求代表者二人で見に行ってくれと。東区、まだ押収されてませんでしたので、その名簿を見て、3800位ダメだと。なんで分かるのと言ったら、ズラーと住所が連続して書いてある。1の1の1とか、1の1の2とか。初めて分かった。偽造なら偽造の内容を調べようと実際に行動したということが、関与していないことの大きい理由になる。と請求代表者の方が言っておられました。

市長として署名の不正・偽造を認めないということか
【江上議員】10月下旬に容疑者はこの問題で捜査を受けているんです。そのことについてあなたは25日、26日に明確に会っているのに事実を具体的に言う事ができないということが明らかになりました。公開質問状についても撤回と言いません。43万という数字を根拠にし、それを根拠にしてやっている問題、すなおに撤回すればいいじゃないですか。そういう点であなたは、署名の不正・偽造を市長としては認めていない。そういうことになりますが、それでいいのですか。

今は撤回しない
【市長】正直に申し上げとる、リコール自体は正当な活動なんですよ。人と話をするということは、たぶん近所の中華料理屋じゃないか、場所は領収書があると言ってましたんで持ってこいと言ってますけど。そんなでっち上げをするようなことは、とんでもない冤罪じゃないですか。
 大村さんについても、今の有効署名が10万あるとか、20万、30万あると言っとる人もいます。そういう状況ですから、まだ今の段階ではそんなことは考えとりません。

今後も責任を追及する
【江上議員】同じこと何度も繰り返さないでください。私もリコール署名は大切な民主主義だと思いますが、表現の自由を侵してこのようなものは悪用だということを申し上げております。
 知事リコール署名不正・偽造事件で壊された名古屋の民主主義を取り戻すため、引き続き市長責任を追及し、コロナ対策で市民の命を守る市政実現に全力を尽くす決意を述べて質問を終わります。

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