個人質問 江上博之議員(6月24日)

愛知県知事リコール署名偽造事件…市長関与の疑惑深まる
政治的道義的責任認め、市民に謝罪すべき

 24日の市議会本会議で江上博之議員は、愛知県知事リコール不正署名問題で河村たかし市長の責任を厳しく追及しました。

マスコミもこぞって市長の責任を指摘

 江上議員は「運動の中心的な役割を果たし、最終的に逮捕者まで出した責任は重い」(5月21日付「読売」)「かつて主導した市議会解職請求で署名集めを担った人の名簿を運動団体に提供しており、責任を免れない」(同20日付「毎日」)などのマスコミ各社の主張を紹介。「市長には事件への政治的道義的責任がある。市民に謝罪すべきだ」と迫りました。
 しかし河村市長は「独自調査で徹底的に事実を究明することで自らの責任を果たす」と述べるだけ。
 江上議員は「組織の長として失格ではないか」と市長の姿勢を批判しました。

署名偽造のただ中、「容疑者と3、4回会食」

 最近出版された月刊誌で河村市長は、署名偽造容疑で逮捕されたリコール運動団体の田中孝博事務局長との関係について、「田中氏はことさら私のことを警戒していたようだ」と書いています。しかし、署名の偽造が行なわれた昨年10月下旬、河村市長と田中容疑者が会食していたことが、2月議会で明らかになっています。
 江上議員は「市長は田中容疑者と親密な関係を続けていたのではないか」と追及。
 河村市長は「10月に3、4回(容疑者と)メシを食った。25、26日は領収書がある」と認め、偽造署名作成の時期に容疑者と親密な関係を続けていたことがわかりました。また、会食時の会話内容について問われると「偽造という話は全くなかった。(同容疑者から)名簿がなかなか集まらん、という話はあった」と答えました。
 江上議員は「(市長の事件関与について)ますます疑惑が深まった。名古屋の民主主義を取り戻すため、引き続き河村市長の責任を追及する」と述べました。

地元住民「地域が分断される」「環境に悪影響」
名古屋高速道路/黄金IC拡張計画は中止を

 江上議員は、名古屋高速道路黄金インター(中川区)の拡張計画(予算170億円規模)を取り上げました。
 江上議員はこの間の議会論戦で、①都心域での渋滞を解消し都心への自動車の流入を抑える、という名古屋都市高速道路の理念に反する②名古屋駅への到達時間は約4分しか速くならない③工事による移転対象は約40軒にのぼり、うち5軒は40年前の現都市高速道路建設に続き2度目―などの問題を理由に反対の論陣を張ってきました。

住民アンケートで「必要ない」が7割

 江上議員はこの日の質問で、地元住民団体「黄金インター建設を考える会」が4月に行なった住民アンケートの調査結果を紹介。「拡張は必要ない」が71%にのぼったのに対し「必要」と答えた世帯はゼロでした。コメント欄には「中央分離帯の設置で東西の生活道路の分離が問題」「環境が崩れる」「地域住民には不必要。何十年暮らしていく子どもに害悪しか与えない」などの声が寄せられています。

住民の理解・納得を得ていないのは明らか

 江上議員は、2019年11月定例会での自身の質問に対する住宅都市局長答弁に触れ、「『従来の事業による補償基準にこだわらず、犠牲度を十分救済できるような格別な配慮』として、どんな提案を検討しているか」と質問。
 局長は「名古屋高速道路公社が事業の必要性と補償について地域関係者に説明してきた。今後も丁寧に説明を重ね進めていきたい」と述べるにとどまりました。
 これに対し江上議員は、「移転対象者を含む住民の理解と納得を得ていないのは明らかだ」と述べ、事業を中止するようを改めて求めました。

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