2021年2月議会

田口一登議員の代表質問:④気候変動の抑制に向けた地球温暖化対策(2021年3月4日)

2050年までの二酸化炭素排出実質ゼロと気候非常事態宣言の表明を
【田口議員】昨年の2月定例会の代表質問では、自民党、公明党、そして共産党も、気候非常事態宣言や2050年までの二酸化炭素排出実質ゼロ=ゼロカーボンシティの表明を市長に迫りました。ところが、市長は答弁で、「1万年後は大寒冷時代になる。江戸時代は大寒冷時代だった」とか、「CO2を出さないということになると、車に乗らないということになる。光合成に大打撃を与えるという説もある」などと、地球温暖化そのものを疑うような発言を繰り返しました。科学的な知見を踏まえない発言は、首長としての資質が問われるのではないでしょうか。
 この1年間に、気候変動の抑制に向けた動きが大きく前進しました。環境省によると、2050年二酸化炭素排出実質ゼロを表明した地方自治体は289自治体、人口では約1億138万人(2月26日現在)にのぼっています。政令指定都市では、17市が表明しています。気候非常事態を宣言した自治体も、私が調べたところによると、48自治体に増えています。遅ればせながら菅首相も昨年10月、2050年までの温室効果ガス排出実質ゼロを宣言しました。
 このままでは、本市は、気候変動の抑制に後ろ向きの自治体として、世界の流れから取り残されてしまうでしょう。ただ、河村市長も、昨年2月定例会での私の質問にたいして、「パリ協定は、立派な方が集まってやられたので、一定の敬意を払った」と答弁し、国際的な枠組みであるパリ協定までは否定されませんでした。
 そうであるなら、本市も、パリ協定を踏まえて、2050年までの二酸化炭素排出実質ゼロを表明し、気候非常事態宣言を行うことは待ったなしと考えますが、市長の見解を伺います。

共産主義ではないのでちょっと。きれいな空気のためには努力する
【市長】悪いけど共産主義ではないので、ガソリンエンジンがあたかも悪いような宣言をするのは、ちょっと。だけど、きれいな空気のためには努力するということはしっかりやっていきます。
 気候非常事態宣言というのは、なんですか。何の法律にもとづくんですか。聞いとりません。市民の生活を落とさないように、経済を。そういう気持ちでやっとります。

市施設への再生可能エネルギー100%電力の導入
【田口議員】温室効果ガスの排出量を削減するためには、石

炭火力から再生可能エネルギーへと転換することが重要です。来年度予算案では、使用電力を100%再生可能エネルギーに転換するRE100について、東山動植物園北園エリアで導入が予定されています。
 今後、期限を決めて、すべての市施設への再生可能エネルギー100%電力の導入に向けて取り組んでいく考えはないか、環境局長に答弁を求めます。

電力の調達コストなどに課題はあるが、導入拡大に向けて調整したい
【環境局長】すべての市施設へ導入するには、電力の調達コストなどの課題がある。東山動植物園北園扶養調査のエリアでの調達コストや再生可能エネルギー市場の動向をみながら、再生可能エネルギー100%電力の導入拡大に向けて、関係局と調整したい。

「グリーン・リカバリー」の方向に進むためにも、名古屋で二酸化炭素温実質ゼロを表明せよ(意見)
【田口議員】最後に、意見・要望を2点述べます。
1点目は、地球温暖化対策についてです。
 市長の答弁は煮え切らない答弁ですが、先ほども近藤議員が言われたように、今、「グリーン・リカバリー」という方向に進んでいるんです。グリーンリカバリー=気候変動を抑制する経済・産業構造に転換し、それによって経済の立て直しを図っていく、つまり、二酸化炭素の削減をやりながら経済も活性化させていくという方向で世界全体が進もうとしています。そういう方向に進むためにもこの名古屋で二酸化炭素温実質ゼロを市長には表明していただきたい。それができなければこんな市長でいいのかな、ということになります。

コロナ危機から市民の命と暮らしを守るために職員は頑張っていたが市長はリコールに明け暮れ(意見)
【田口議員】もう1点は、新型コロナ危機から市民の命と暮らしを守る取り組みについてです。
 市長は議会開会日の所信表明で、「市民の『いのち』を全力で守り抜くとの固い決意のもと、……私以下市職員一丸となり、……必死に取り組んでまいりました」と述べました。本当にそうでしょうか。たしかに市職員のみなさんは必死に取り組んでこられました。しかし、市長は、知事リコールに心を奪われていたのではないでしょうか。
 私たち市議団が実施した市政アンケートでは、「大村県知事のリコール問題より、他に市長としてのやる事があるだろう」「リコール運動などしているひまがあったらコロナ対策してほしい」「コロナ対策にまったく無策で、大村知事との私闘に明け暮れている姿は市長としてなってない」などの意見が多数寄せられました。
 河村市長にはこうした意見をしっかりと胸に刻んでいただき、残りの任期を全うしていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。

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