代表質問 田口一登議員(2021年3月4日)

コロナから市民の命と暮らしを守る市政に

田口一登議員は3月4日の代表質問で、新型コロナ危機から市民の命と暮らしを守るために市長の姿勢をただしました。

田口議員の代表質問 市会本会議録画中継でごらんください 

PCR検査の社会的検査で無感染者をつかみ感染拡大防止を

 新型コロナのやっかいな特徴は、無症状感染者が知らず知らずに感染を広げてしまうことです。重症化や死亡に直結する高齢者施設や医療機関での一斉・定期的なPCR検査=社会的検査の実施が感染拡大防止に効果がありますが、河村市長は「PCR検査は感度が7割」と積極的な検査戦略を持たず、厚生労働省の通知で2月から高齢者・障害者の入所施設でPCR等検査を予定しましたが、3月中、入所施設の職員に限定しました。田口議員は「一斉検査を4月以降も定期的に実施し、医療機関や通所施設も対象に加え、職員のみならず入所者にも実施を」と求めました。市長は、「感染状況に応じ必要と認められる場合は、定期的に検査を実施することになっている」と答えました。


中小事業者への家賃補助を
 

 日本共産党市議団の市政アンケートに「コロナでインバウンドがなくなり、売り上げが激減し、収入が減っているのに、店舗の家賃は上がり、この先、支払えるか日々不安です」など、中小事業者のみなさんから切実な声が寄せられました。田口議員は「市独自に中小事業者への家賃補助の実施」を提案しました。市長は「信長資金など日本一使いやすい融資制度をもっている」と答えるだけでした。


申請しやすい生活保護に。扶養照会は撤廃を
「ご案内」の改定をする(局長)


 コロナで仕事を失い、所持金も底をついた方などに生活保護の申請を勧めていますが「受けたくない」という方が少なくありません。厚生労働省は、「生活保護の申請は国民の権利です」として、「生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるので、ためらわずにご相談を」と呼びかけ、「持ち家がある人でも申請できます」と誤解を解く努力をしています。
 ところが名古屋市は「活用できる資産は、処分して生活費にあててください」などと申請をためらわせる案内をしています。そのうえ申請者の親、兄弟、孫などに援助が可能かを問い合わせることが申請者のハードルになっています。扶養照会について、田村厚生労働大臣は「扶養照会は義務ではない」と国会で明言しました。
 田口議員は「生活保護の案内の記述を改め、扶養紹介をなくす」ことを求めました。健康福祉局長は「生活保護のご案内の改定作業に着手している。扶養義務履行が期待できず、扶養照会を行わない者の判断基準が、具体的に示されたので、丁寧に聞き取り、要保護者に寄り添った対応を行う」と答えました。


コロナ対策にはリニア基金の活用を

 リニアの2027年開業は困難になりリニア関連開発は見直すべきです。田口議員は「リニア基金100億円をコロナ対策に回し、市民の命と暮らしを守るために活用を」と提案しました。市長は「共産主義じゃないので。自治体がお金を使わないと。経済が縮小してはいけない」との答弁でした。
愛知県で一番高い保険料の値上げは撤回を
 介護保険料基準額は、今回の改定で79,700円へと創設時の2.3倍になります。しかも県下で一番高い保険料です。
 基準額の保険料を納めている高齢者は、市民税減税の恩恵がないのに保険料値上げで年間3千円余の負担増です。田口議員は「一般財源を繰り入れて、保険料値上げの撤回を」と求めました。市長は、「一般財源を投入することは考えていない」と背を向けました。


統廃合計画は白紙に
教育委員会には勝手に進めるなと言ってある(市長)

 高坂小の統廃合方針は、保護者や地域住民の理解が得られていないにもかかわらず、教育委員会は、市長の耳にも入れないまま、審議会に諮問しました。審議会が統廃合計画を答申すれば、それをお墨付きにして半年後には統合を決定する構えです。田口議員は「こんな拙速なやり方でよいのか。統廃合計画案は白紙に戻すべき」と追及しました。市長は「学校1つなくすということは、学校だけではない。地域の問題にものすごく深くかかわっている。まあ、よう考えますわ」と答え、「4100筆もの署名をどう受け止めるか」との追及に、市長は「教育委員会には勝手に進めるなと言ってある」と答えました。


温室効果ガス排出「実質ゼロ」を
―河村市長は後ろ向き―

 

 2050年二酸化炭素排出実質ゼロを表明した地方自治体は289、うち政令市17、人口で約1億138万人(2月26日現在)に、気候非常事態の宣言も48自治体に増えました。菅首相も昨年10月、2050年温室効果ガス排出実質ゼロを宣言しました。田口議員は「2050年二酸化炭素排出実質ゼロの表明を」と迫りました。市長は「ぼくの神経ではイヤだけど最大の努力はしましょう」と答弁。田口議員は「グリーンリカバリー、二酸化炭素の削減をやりながら経済も活性化させていくという方向に進むためにも表明すべき」と厳しく批判しました。

キーワード: