図書館条例一部改正に反対 教育子ども委員会 さいとう愛子議員

あらたに4館(東・守山・名東・天白)に指定管理者制度を導入

 2月定例会に、名古屋市図書館条例の一部改正が提案されました。
 現在、中村、富田、志段味、緑、徳重の5館に導入している指定管理者制度を本格実施することに加え、新たに東・守山・名東・天白の4館に拡大するものです。
 さいとう愛子議員が、教育子ども委員会で質疑しました。

「図書館協議会の答申を尊重していく」

 鶴舞中央図書館長から「今後の市図書館における指定管理者制度実施に関する考え方」について諮問をうけ、2020年11月に提出された図書館協議会の答申について、教育委員会は「様々な分野の専門家である協議会委員の意見であるため、尊重していく」との考えをしめしました。答申の中で提起されている4つの課題については「様々な場面を活用しながら、真摯に検討し、対応が可能と認識している」と述べました。

市民意見を聞かずに本格実施・新たな導入するのか

 さいとう議員が「パブコメなどで市民の声をきかないのか」ときくと、教育委員会は「試行導入以来丁寧に議論してきた」「市民アンケートや利用者アンケートで約半数から指定管理者に任せて良いと回答を得ている」「試行実施している図書館で利用者の満足度が非常に高く、評価をいただいていると理解している」と回答。
 さらに、さいとう議員が「答申が出てから本格実施までの検討状況が示されない中で、新たな図書館への導入も含めて突然の提案だ」と指摘すると「答申が出されるまでに検討をすすめてきた」「図書館協議会委員との視察でいただいた意見はその都度、検討・改善を重ねてきた」としかこたえませんでした。

アクティブライブラリーの整備進まず

 教育委員会は、なごやアクティブライブラリー構想の第1ブロックを早急に整備をするといいながら、来年度予算で千種図書館(写真下)は、移転改築ではなく、耐震補強工事の計上のみです。構想の体制を5年経っても示すことが出来ず、指定管理館を増やすだけとなりました。


 今回のあらたな導入計画については、なごやアクティブライブラリー構想でブロック区分されているブロックごとを基本に新たな4館での実施をすることにしたと明らかにしました。しかし、天白図書館だけが第2ブロックなので「なぜ天白図書館が対象になったか」とたずねると、「すでに第1、第2、第4ブロックにある図書館で指定管理者制度を試行実施しており、直営館として位置づけられていない未実施の4館として天白図書館が含まれたと説明しました。

社会教育施設には なじまない指定管理者制度

 2019年度決算では、他党議員の質問で、指定管理制度導入により、3800万円の「経費削減」となったことが明らかになりました。これは、ほとんどが人権時の削減によって生み出されたものです。直営時に比べると、正規の方はほぼ同数ですが、非正規の方が多くなっています。
 さいとう議員は「社会教育施設である、図書館では、蔵書の管理などの知識や経験には時間が必要で、短時間勤務や期限月の雇用形態、期限を切った契約の指定管理者制度では難しいのではないか」と指摘しました。継続性や安定性が大切な仕事には指定管理者制度はなじまないと強調し、条例改正に反対しました。

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