2020年2月議会

田口一登議員の代表質問 ⑤気候変動(2020年3月4日)

気候変動の抑制に向けた地球温暖化対策について 田口一登議員

温室効果ガス排出量「実質ゼロ」を表明し、「気候非常事態宣言」を
【田口議員】次に、気候変動の抑制に向けた地球温暖化対策について質問します。
 今年は、地球温暖化対策の国際的枠組みである「パリ協定」が本格的に始動する年です。「パリ協定」は今世紀末までの気温上昇を産業革命前より2度未満、できれば1.5度以内にすることを掲げています。しかし、現在各国が国連に出している温室効果ガス削減目標を達成したとしても約3度上昇すると予想され、破局的事態を引き起こしかねません。一刻も早い対応が迫られる状況に、人類は直面しています。
 昨年9月末に行われた「グローバル気候マーチ」には、185カ国で、760万人の市民が参加し、若者たちが「私たちの将来を燃やさないで」とたちあがっています。名古屋でも「グローバル気候マーチ」の行動が行われていますが、この行動を呼びかけた一人である菊里高校3年生の中村涼夏(すずか)さんは、新聞のインタビューで次のように語っています。
 「私たちは、未来の地球に生きる権利があります。それがクライメート・ジャスティス(気候正義)です。しかし、日本では二酸化炭素を大量に排出する石炭火力発電所の増・新設や利益追求型の政策が進められ、その権利が脅かされています」。「私たちが求めているのは、見せかけの政策や浅はかな言葉ではなく、具体的な行動と現実的な未来です」。こうした若者たちの声に、私たちも応えなければなりません。
 「パリ協定」で掲げる1.5度以内に抑制する目標を実現するためには、2050年までに温室効果ガスの排出量を「実質ゼロ」にしなければなりません。2050年までに「実質ゼロ」に取り組むことを表明した自治体が、横浜市、京都市など全国で増えつつありますが、本市の長期目標は「2050年に1990年度比8割削減」のままとなっています。
 オーストラリアのデアビン市が2016年12月に「気候非常事態宣言」を初めて宣言して以降、同様の宣言を行う自治体が世界各国で増加しています。日本でも広がり始めており、政令市では「SDGS未来都市」に選定された堺市の議会が、昨年12月に「気候非常事態宣言」を決議しました。
 市長、本市も「SDGS未来都市」に選定されています。本市でも、2050年までに温室効果ガス排出量「実質ゼロ」を表明し、「気候非常事態宣言」を行おうではありませんか。見解を伺います。

温暖化という問題は原発推進のために出てきた話だ(市長)
【市長】CO2の話は、共産党が言うと、どえりゃあ違和感がある。もともと、いわゆる温暖化という問題は原発推進のためにでてきた。歴史的にいえばイギリスで。炭鉱労働者がデモをやって困った、炭鉱と言わんように原発だったらええのではないかと、原発推進の議論だったが、ええのか、共産党、これ。違和感がある。

温室効果ガスの排出削減の取り組みを
【田口議員】そして、環境局長には、温室効果ガスの排出削減の取り組みを抜本的に強化することを求めます。決意をお聞かせください。

炭素都市なごや戦略第2次実行計画を着実に進めたい(局長)
【局長】環境局といたしましては、すでに取り組んでおります低炭素都市なごや戦略第2次実行計画を着実に進めてまいりたいと思いますので、ご理解いただきたいと思います。

第2次実施計画」のあいさつとくいちがう(再質問)
【田口議員】市長は、自民党や公明党への答弁でもCO2が地球温暖化の主要な原因になっていることに対して懐疑的な答弁をされました。しかしここでの答弁は、「低炭素都市なごや戦略第2次実行計画」の冒頭に掲載されている市長のあいさつで表明された立場と食い違うのではないでしょうか。市長は、このあいさつ文で次のように述べています。
 「COP21において、世界の温室効果ガスの排出量を今世紀後半に実質ゼロにするという目標を掲げた『パリ協定』が採択されました」「これらの出来事は、……今後の社会経済活動の方向性を根本的に変える転換点となるものです」。こう言って、実質ゼロの目標を掲げた「パリ協定」を評価されているのです。
 さらに、あいさつ文で市長は、「地球温暖化対策は、……省エネルギーに関する技術革新に伴う産業の振興・雇用の創出など、地域課題の解決にも貢献する」と述べています。これは、「エネルギー消費を減らすことで市民に負担がかかることを懸念している」という、先ほどの答弁と辻褄が合わないのではないですか。
 市長、「第2次実施計画」のあいさつで述べられた立場に立てば、温室効果ガス排出実質ゼロに懐疑的な答弁をされないはずではないですか。このあいさつと答弁との食い違いをどう説明されますか。

パリ協定には敬意を払った。やれんことをやってもええのか。江戸時代は寒冷化で飢饉が多かった(市長)
【市長】パリ協定は立派な方が集まってやられたものですから一定の敬意を払ったということ。CO2削減のための技術開発が進むということはええことであって、それをいっぺんにゼロにしてしまう、その危険性というか、やれんことをやってもええのかということです。ご飯食べんでもええと同じことですよ。光合成を否定することになる。江戸時代は大変寒冷化で飢饉がものすごく多かった。これは1万年後ではなく、ついこないだのことです。責任を持った政策を取らないといけない。

科学者の声に耳を傾けるべきだ(グレタ・トゥンベリさん)(意見)
【田口議員】しっかり議論しかければいけないといいながら1万年先とか江戸時代とか、そういう議論だ。しっかり議論するには、世界の中の科学的な知見をしっかりと受け止める、これが一番大事なこと。その点で、IPCC国連気候変動に関する政府間パネルが2018年に1.5度の特別報告書を出した。これが昨年のCOP25での議論にもとになっている。このIPCCの報告書がどうやって作られたかというと、世界40か国から91人の研究者が報告書執筆、この報告書を要約した政府政策決定書むけ要約は190か国の政府関係者が一堂に会して1行づつ確認し、全会一致で承認された報告書です。そういうものをきちんと受け止めたうえで議論をしていただきたい。
 原発ことでは、市長は「脱原発」を標榜していますが、脱炭素の立場にも立たなければ、再生可能エネルギーへの抜本的転換は図れず、原発もなくせないでしょう。
 最後に、「議論を深めたい」という河村市長に、スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさんの次の言葉を贈ります。「科学者の声に耳を傾けるべきだ」。
 以上で質問を終わります。