藤井ひろき議員の個人質問②お悔やみコーナー設置を(2019年3月5日)

区役所にお悔やみコーナーを

死後手続きが大変。ワンストップの「おくやみコーナー」を設置しては

【藤井議員】先日、最愛のご家族を亡くされた方から、「いろいろ大変でした」の訴えがありました。お話を伺うと、お通夜やお葬式ではなく死亡後の行政手続きが、大変だったそうです。
 この間、ご家族を亡くされた遺族の皆さんとお話していますと、ほぼ全員から同様の声が聞かれました。「家族を亡くしたショックもある中、不慣れな手続きに戸惑った」という声。また、「区役所の職員さんが丁寧に教えてくれたけど、高齢のため自分一人では理解できず、県外に住む子供たちに手続きしてもらった」という声もありました。
 お亡くなりになってから、ご遺族の方は、亡くなった方によって手続き種類は違いますが、2週間程度の間に以下の手続きが必要となります。
 世帯主変更届をはじめ、介護保険証被保険者証や、後期高齢者医療被保険者証の返納、国民健康保険の葬祭費請求、遺族基礎年金の請求、障害者手帳の返納など。場合によっては10以上の手続きが必要となります。
 本市では、死亡届け提出時に「死亡届を出された方へ」というチラシが窓口から手渡されます。このチラシには、手続きの対象となる方、担当窓口、手続き内容などが記載されています。これでチェックをしながら、各自で該当する各担当窓口を訪れますが、亡くなられた方によって必要となる行政手続きは、様々。庁舎内を上り下りし、各窓口を訪れることへの負担、手続きがよくわからないという方も見受けます。
 区役所にはフロアサービスの方がおられますが、死亡後の行政手続きに関して、窓口に案内まではできても、個別に相談や付き添いまでとはなりません。また、介護や福祉の相談を専門にされる福祉コンシェルジュもおられますが、日々介護や福祉の相談で奮闘されているコンシェルジュの皆さんに、さらに死亡後行政手続きの個別相談や付き添いまでをお願いするとなれば、本来の介護や福祉の相談に支障が出てしまいます。
 さて、遺族が複数の部署を訪れる手間を省き、手続きの提出書類も簡略にする自治体が、この2年あまりで現れてきました。

 そのうちの一つである松阪市では、死亡関連手続きに一元的に対応する総合窓口「おくやみコーナー」を2017年11月に開設。ワンストップ化によって、遺族による死亡関連手続きが円滑に進められるようになり、市民満足度の向上や、受付時間の短縮を実現しています。
 先日、調査へ参りました。同コーナーで最初に行う「受付相談」では、来庁された遺族は「お客様シート」が渡され、シートに記入します。記入内容は「亡くなられた方」「窓口に来られた方」「相続人代表者」「喪主の方」の情報です。
 このシートの内容が、おくやみコーナーから各部署へ伝わる仕組みです。各部署はこの情報を基に処理し、その内容をおくやみコーナーへ返します。ご遺族は、おくやみコーナーで待つだけでその後、各種申請書類に押印するだけです。市民の負担軽減と所要時間の短縮につながり、同コーナーの平均利用時間は20分~30分。また予約制度も導入しており、待ち時間がさらに短くすむとのことでした。
 ワンストップできない場合は、同コーナー職員が一緒に担当窓口まで付き添ってくれます。年金事務所や金融機関等の死亡手続きで必要となる戸籍や住民票の取得もサポートするなど一括して案内することで、届出漏れが減少し、再び窓口を訪れる必要がありません。
 同コーナーの利用件数、平均して1日あたり5~6件、今年度11月までの利用者数は、死者数に対して利用者数の割合は7割を超えています。利用者アンケートでは、満足と答えた方が90%以上と高く、利用者の声では、「以前、父が亡くなった時は、半日近く手続きに時間がかかったが、今回、母の手続きでは大変助かった」など歓迎の声が寄せられました。
私は今回調査を続ける中で、他の政令都市でも、「おくやみコーナー」の導入に向けて調査されていることを知りました。
 ある政令市では松阪市に視察に行かれ、実際に自分たちのまちで取り組むなら、どのような課題があるか現在検討されているとのことでした。また別の政令市では、ワンストップ窓口ではありませんが、専任の案内人を配置し、死亡後の行政手続きを支援する形で、まずは試験的に一つの区役所で取り組もうとされています。両市とも市民の負担軽減を考えておられます。
 そこで市民経済局長にお聞きします。他都市においては死亡後の行政手続きに関して、今紹介したように一歩進んだ取り組みが始まっています。本市においても、市民が最初に訪れるであろう市民課において、市民に寄り添う「おくやみコーナー」を導入してみてはいかがでしょうか。

他都市の取り組みも参考に、市民満足度の向上に努める

【局長】受付窓口で、その後に必要な各種手続きや書類等を担当窓口の情報とあわせて一覧としてとりまとめ、案内している。各担当窓口までお越しいただき、専門性を有した職員が事情を確認しながら慎重かつ丁寧に対応し、できる限り少ない負担で手続きをしていただけている。
 窓口にきた市民を対象に、平成30年11月に実施した「窓口アンケート」でも、97.1%が窓口サービスに対して満足ということです。
 他都市の取り組みも参考にしながら市民満足度の向上に努めていく。

まずは移転改築する中村区役所で試験的に導入してみては(要望)

【藤井議員】私が提案したいのは、死亡後の行政手続きにおいてです。利用者が、庁舎内の各窓口を訪ねることなく、負担なく手続きをすることができないか。最愛の家族を失った大変な時だからこそ、さまざまな手続きが必要となる死亡後の行政手続きをされる市民に、行政が優しく寄り添ってみてはどうかという提案です。
 他の政令都市が、おくやみコーナーの調査や検討、実施に向けて前向きに取り組んでいる中で、高齢化が進む本市で、市民のニーズがないとは思えません。
死亡後の行政手続きについて、まずは市民の皆さまがどのように感じているのか。その声を聞くことからはじめ、それを踏まえて他都市の事例をしっかり検討すべきである。その上で、たとえば2022年度、移転改築される中村区役所で、まずは試験的に導入してみてはどうかと、強く要望し、質問を終わります。

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