田口一登議員の代表質問➆弥富相生山線の道路事業廃止を(2019年3月1日)

弥富相生山線の道路事業廃止と相生山緑地計画について

「ふれあいの丘」に園路を通すには用地買収が必要。市の方針では「借地対応」であり、事業着手は数十年先になる。それまでは園路を整備できないのではないか

【田口議員】河村市長が弥富相生山線の道路事業の廃止を表明してから4年が経った昨年12月、「世界の『AIOIYAMA』」と称して検討されているプロジェクトのたたき台の住民説明会が、天白区役所講堂で開かれました。
 説明会では、相生山緑地の基本計画の素案が示されましたが、その中の「園路案」にたいして、会場からの意見や疑問が集中しました。園路は、市長が道路の廃止表明の際に、「公園内に一車線相当の『園路』を設けて下山畑口から相生口までつなげ、救急車などの緊急車両は通行できるようにする」と発言した点を具体化しようとするものです。「園路案」では、弥富相生山線の未着工区間には整備せず、建設済みの道路部分を活用して「ふれあいの丘」へのアクセスを確保するとされています。「ふれあいの丘」と称するエリアは、弥富相生山線予定地から谷を挟んだ南側に位置し、現在は「相生山の北海道」と呼ばれる景観の農地が広がっています。ここに建設済みの道路部分から橋を架けて繋ごうというのが「園路案」です。この案について説明会では、「防災面から、まずは園路を通すべきだ」という意見とともに、「園路は本当に必要なのか。将来、道路として利用するのではないか」、「園路を繋ぐことは、道路を造ることと同じで、大きく自然を改変するのではないか」といった批判や疑問の声も少なくありませんでした。
 そこで、この「園路案」について、緑政土木局長にお尋ねします。「ふれあいの丘」と称するエリアは、民有地ですので、その中に園路を通そうとすると、用地買収しなければなりません。このエリアは、長期未整備公園緑地の「整備プログラム」では「借地対応」とされており、事業着手するのは数十年先になるでしょう。それまでは園路を整備することはできないと考えますが、いかがですか。

借地対応の「プログラム」を計画に合わせて見直していく(局長)

【局長】2018年12月に開催した世界の「AIOIYAMA」プロジェクトの説明会では、地元や市民団体の方々に対し、相生山緑地周辺における渋滞や生活道路への通過自動車の入り込みといった交通課題への対策案、また相生山緑地の基本計画の素案について、説明した。
 相生山緑地の基本計画の素案は、「人と自然が共生する相生山の森」をコンセプトに、「緑地の環境を守り育てる」、「誰もが人や自然とふれあえる」、「地域の防災性を高める」を基本的な考え方とし、現況のオープンスペースを活用した、「ふれあいの丘」をはじめとする4つのエリアを緑地の中に配置したものとなっている。
 弥富相生山線の南側に位置する「ふれあいの丘」を、誰もが人や自然、農とふれあうことができる緑地の拠点として整備し、この「ふれあいの丘」に建設済の道路部分を活用した園路をつなぐ提案をした。
 この基本計画の素案をもとに、地元や市民団体の方々と意見交換を重ね、地域にお住まいの方々等のご理解を得た上で、道路廃止とあわせて、都市計画変更の手続きを行いたい。
 現行の「長期未整備公園緑地の整備プログラム」は、「ふれあいの丘」の大部分が「借地対応」の区域となっており、緑地の計画づくりが進めば、同プログラムをあわせて見直していくものと考えています。
 いずれにしても、地域のご理解を得ることが必要不可欠であると考えています。

計画は大まかな方向性に留め、市長の任期中に、都市計画変更を実施してはどうか

【田口議員】本市は、グループごとに意見交換会を実施して、市民意見を反映した修正案を作成するとしていますが、住民説明会では緑地基本計画について様々な意見が出され、園路案など意見の対立もあり、意見を集約するのは容易ではないでしょう。相当の期間がかかると思います。しかも、事業に着手する数十年先には時代の変化を踏まえた計画変更もありえます。
 そこで、市長に提案します。緑地基本計画については、大まかな方向性にとどめて都市計画変更案を取りまとめてはどうですか。市長の任期はあと2年余りしかありません。この間に道路廃止などの都市計画変更を行おうとするなら、一致しない意見は留保し、都市計画変更後の将来に委ねたらどうですか。見解を伺います。

慎重の上にも慎重にやっていきたい(市長)

【市長】わしも早う、いい計画になるように、なるべく早う作るようしてくれと言っておりますが、ということになって、慎重の上にも慎重にやっていきたいということでご理解を賜りたい。

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