高橋ゆうすけ議員の議案外質問①(2018年9月21日)

地球温暖化対策に自然エネルギーの促進導入を
                    高橋ゆうすけ 議員

35度を超える猛暑日が36日、40.3度など記録的な猛暑の名古屋
【高橋議員】今年は記録的な猛暑が続きました。連日東海地方や名古屋が全国で一番暑いと報道され、本市では35度を超える猛暑日が36日、8月3日には40.3度を記録、例年に比べ熱中症で搬送される市民も増えるなどの影響がありました。エアコンがなく、あっても電気代が心配で使えないという声も少なくありません。ある生活保護を受給している方からは、部屋にエアコンはあるものの壊れて使えない。大家は修理してくれないし、自分で修理するお金もないから困っているとの相談がありました。またある病院では、熱中症で搬送された患者も多かった。家に帰したくても、エアコンのない部屋には帰すことができないとの話もお聞きしました。医師の診断にもとづく生活保護受給世帯へのエアコン支給や電気代相当の夏季加算復活など、部屋の中での熱中症予防対策も求められています。

温室効果ガスの排出量削減は喫緊の課題
【高橋議員】こうした猛暑となる背景には、温室効果ガスの増加による地球温暖化の影響がないとは言えません。温室効果ガスの排出量削減は喫緊の課題です。
 本年3月、低炭素都市なごや戦略第2次実行計画を発表しました。この計画は、人間活動の拡大に伴う二酸化炭素(CO2)やメタンなどの温室効果ガスが大量に大気中に排出されることによって引き起こされる地球温暖化を防ぐための本市の方針を示したものです。この計画によると、市民や事業者の省エネ意識の高まりなどにより、エネルギー消費量が抑えられ、2013年の温室効果ガス排出量は1990年度比でマイナス8%を実現したとのことです。一方、このままで温暖化対策を行わずにいた場合、2030年度には2013年度比で9%の増加となってしまうことが推計されており、何らかの対策を取らなければなりません。

災害時のリスクマネジメントとしても活用できる自然エネルギー
【高橋議員】名古屋は地形的な影響や都市化によるヒートアイランド現象などで暑いと言われています。
そうした中、毎日のように晴れが続き、日照時間が長い地域でもあります。それは太陽光発電に適した地域でもあります。そこで、太陽光発電を中心とした自然エネルギーをフル活用して、名古屋の電力をまかない、猛暑に伴うエアコンの電気代を作りしてみませんか。
 北海道では胆振東部地震による大規模な停電が置きました。台風21号では市内各地で停電が発生、港区役所では非常用電源を作動させる事態となりました。エネルギーは集中より分散させ、地産地消を行うことは、災害時のリスクマネジメントとしても重要です。

日照時間が長い名古屋の特性を生かして自然エネルギーのフル活用を
【高橋議員】本市では、すでに住宅の低炭素化を進めるために、太陽光発電や蓄電システムなどの導入への補助制度がありますが、猛暑の名古屋だからこそ、自然エネルギーの導入と促進について、野心的な目標と計画を持つべきではないでしょうか。都市型の自然エネルギー促進には、市民が仲間を募り、自主的に取り組む市民発電所に支援を行うとか、産業型の屋根貸し、臨港地区の倉庫や大型の展示場、ショッピングモールなどの屋根や壁面を借りたり貸したりして太陽光発電を行うなど、様々なことができるかと思います。

自然エネルギーが電力に占める割合の現状と見通しは
【高橋議員】そこで環境局長にお聞きします。積極的な目標と計画を設けた自然エネルギー導入促進計画を独自に作るべきではありませんか。現状では市内の自然エネルギーが電力に占める割合はどの程度か、低炭素都市なごや戦略第2次実行計画では、いつまでに、どういう方法でどれぐらいの電力を自然エネルギーで賄うのか、その見通しと課題及びその対応についてもお示しください。

現在19万キロワット(年間使用量の6%)、2030年までに37万キロワット(年間使用量の11%)を目指す
【環境局長】今年3月に策定した「低炭素都市なごや戦略第2次実行計画」で自然エネルギー利用に関する今後の方針を定め、着実に導入を進めていく。名古屋市は日照条件に恵まれていることから、太陽光発電設備を中心として導入を進める。
 市内の太陽光発電設備の導入容量は、昨年12月末で約19万4干キロワット、市内の世帯の年間電気使用量の約6%に相当する。実行計画では、太陽光発電設備の導入容量を2030年度までに37万キロワットとする目標を掲げており、達成した場合には、市内の世帯の年間電気使用量の約11%に相当することになる。
 しかし、近年、固定価格買取制度における買取価格の低下により金銭的なメリットが薄れていることなどから、年間の導入容量が減少傾向にあり、これをどのようにして増加させるかが課題です。
 太陽光発電設備は、地球温暖化対策につながるだけではなく、災害時の非常用電源としても利用できるものであり、防災の観点からも導入メリットを積極的に啓発し、年間の導入容量を増加させていきたい。

11%の電気使用量は約12万世帯分。南区と港区の世帯すべての電力が賄える。そっと積極的にすすめよ(意見)
【高橋議員】自然エネルギーの導入促進については、2030年度に太陽光で市内世帯の約11%分の電気使用量になるとのことでした。これは約12万世帯分。南区と港区の世帯すべての電力が賄えることになります。これだけ太陽光で電気が作り出せれば夏のエアコン代を市内で作り出しも暑い夏を乗り切るための施策にもなります。防災の観点からも増加させたいということでしたので、何としても実現していただきたい。そのためにはより踏み込んだ提案も必要になるでしょう。設置場所の貸し借りや導入方法なども含め、研究し進めていただきたいと要望しておきます。

小水力や地中熱などの活用への具体的な検討を
【高橋議員】これまで本市では、低炭素モデル地区の形成や低炭素トップランナー事業者支援、環境教育などに取り組み、温室効果ガスの削減を進めてきました。また行政も施設・設備の省エネルギー化などに取り組んできましたが、温室効果ガスを削減するためには、行政の主体的な自然エネルギーの活用の取り組みは欠かせません。これまで本市は市施設の屋根貸しによる太陽光パネル設置にも取り組んできましたが、今後、他の自然エネルギーの導入についても検討が必要であり、導入事例が少ない自然エネルギーの導入促進も検討していく必要があります。
 そこで環境局長にお尋ねします。本市において、小水力や地中熱など、これまで活用して来なかったエネルギーの活用の導入について、どのように位置づけていますか。また、今後導入等に向けて具体的な検討は行っていますか。

最新技術や他都市の事例などを調査し導入促進に向けて取り組みたい(局長)
【環境局長】小水力や地中熱などのエネルギーの活用は、再生可能エネルギー源の多様化を図る観点から、実行計画において導入促進をしていくものと位置付けている。
 今後、最新技術の情報収集に努めるほか、他都市の事例などを調査し、導入促進に向けて取り組んでいきたい。
家庭での地中熱利用ヒートポンプ導入への設置補助の新設を(再質問)
【高橋議員】太陽光発電の促進に合わせて、小水力や地中熱などの活用も導入促進に向けて取り組んでいきたいと応えていただきました。太陽光と新たなエネルギーはそれぞれ単独ではなく、掛け合わせることによっていっそうCO2削減が進むことになります。そのためには市民による導入も必要不可欠です。
 本市では住宅の低炭素化を応援するために、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)・太陽光発電設備・蓄電システム・エネファームの4種類について、低炭素化促進補助が行われています。これをさらに一歩前進させてみませんか。環境局長、本市の住宅の低炭素化促進補助に、新たに家庭における地中熱利用ヒートポンプ導入の際の設置補助も新設してはいかがでしょうか。

太陽光発電設備と地中熱の効果の比較をしながら研究したい(局長)
【環境局長】家庭での地中熱利用ヒートポンプの導入補助は、技術開発の動向や他都市の施策も参考にしながら、太陽光発電設備と比較してCO2削減効果がどの程度あるのかなども含め研究したい。

4政令市を含む67自治体ですでに実施している。もっと前向きにやれ(意見)
【高橋議員】独自に調べたところ、何らかの形で補助が行われている自治体は67にのぼっており、そのうち政令市による家庭への補助は4市で行われています。愛知県内でも豊橋で補助があります。市民のみなさんにもCO2削減の取り組みに参加してもらいやすくするためにも、様々な補助制度があることが大切です。そのこともしっかりと踏まえていただき、補助制度新設に向けて取り組んでいただきたいと要望します。

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