自衛隊ヘリ空母の名古屋港入港に抗議

海上自衛隊の史上最大級の護衛艦・ヘリ空母「いずも」が名古屋港に入港することが分かりました。7月20日~23日に金城ふ頭85号岸壁に接岸し、隊への勧誘活動にもつながる特別見学会も行われるなど、自衛隊の広報が目的の入港です。
 戦争放棄を定めた日本国憲法の下、商業港である名古屋港への自衛隊艦船の入港は容認できないと、名古屋市議団は10日、入港拒否を求める申し入れを行いました。

名古屋港管理組合 管理者 河村たかし様

2018年7月10日
日本共産党愛知県議会議員団 団長 わしの恵子
日本共産党名古屋市会議員団 団長 田口一登

海上自衛隊の護衛艦「いずも」の名古屋港入港に関する申し入れ

 横須賀を母港とする海上自衛隊の護衛艦「いずも」(排水量19,500t、全長248m、乗員約470名)が7月20日から23日の4日間、名古屋港に入港し、金城ふ頭85号岸壁に接岸することが明らかになった。
 護衛艦「いずも」はヘリコプター搭載護衛艦として航空運用機能を重視した艦船である。また、輸送艦・補給艦などの機能も有しており、任務の多様化への対応が想定されている。さらにF-35Bなどの航空機が離着陸できる空母への改装についての調査も行われ、今以上に攻撃性能を高めようとしているこの動きは専守防衛から大きく逸脱し、自衛隊が海外で戦争できる国づくりをすすめる一環であり、容認できない。
 現在の国際情勢は、朝鮮半島の非核化等をめぐって南北や米朝首脳会談が相次ぎ行われるなど、対話による平和的解決の流れが広がっている。そんな中、攻撃性の高い艦船を保有・運用することは、戦争の危険を増やすことにつながる。
「いずも」の名古屋港への入港は2016年の伊勢志摩サミット警備のための寄港に続き2度目である。今回の入港の目的は物資補給、乗組員の休養、広報活動とされているが、16歳から25歳を対象とした特別見学会も予定されているなど、自衛隊への勧誘を目的とした入港であると言わざるをえない。近年自衛隊への入隊希望者の減少傾向が続く中、特別見学会が行われるのは、昨年3月の「えんしゅう」入港時に引き続き2度目である。
 名古屋港は本来、貿易を中心とした商業港であり、軍港ではない。戦争放棄を定めた日本国憲法の下、商業港である名古屋港への自衛隊艦船の入港は容認できない。
 よって以下の点を申し入れる。

1.自衛隊艦船の名古屋港入港を拒否すること。
2.金城ふ頭を艦船の一般公開等に利用させないこと。自衛隊員勧誘のための港湾施設の使用を認めないこと。
3.日本国憲法を厳守し、憲法9条をあらゆる港湾行政に貫き活かすこと。