「エレベーターなし」の天守閣木造化に対する談話 記者会見を行いました

「エレベーターなし」の名古屋城天守閣木造化に対し、日本共産党名古屋市会議員団は、緊急の記者会見を行いました。経済水道委員の江上博之幹事長と藤井ひろき議員が出席しました。

 

「エレベーターなし」の天守閣木造化に対する談話

2018年5月9日
日本共産党名古屋市議団
幹事長 江上博之

 名古屋市は、河村市長に確認の上で、「2022年名古屋城天守閣木造化」に伴うエレベーターを設置しないことを明らかにした。この案に対して、障がい者のみなさんから抗議の声が上がっている。この方針(案)は、バリアフリーに対する時代逆行であり、日本共産党市議団は認められない。この方針(案)がでてきたのは、河村市長が、「本物」にこだわって木造化を進めているからであるが、現在の技術提案では、耐震化、スロープ、消防設備などの設置を提案しており、どこまでも「レプリカ」に過ぎない。この矛盾を障がい者の方に押し付けるものである。

 今回の検討は、「電動車いすでも天守閣の展望階に行けるようにしてほしい」という障がい者の方の申し入れが発端であった。「新しく建てる建物に(エレベーターが)つかないのは、今の時代おかしい」「木造に復元するにあたって、車いす利用者も天守閣まで見学できるような配慮をしてほしい」という声も出ている。

 名古屋市福祉都市環境整備指針(2017年3月)の「はじめに」で河村市長が、「高齢者や障害者をはじめ、すべての市民が安心して快適に暮らせる『人にやさしいまち名古屋」を実現するために、公共建築物をはじめとする市民の皆様が利用される施設について、バリアフリー整備に取り組」んできた、としている。さらに、「『名古屋市総合計画2018』においても『高齢者や障害者など、だれもが安全・快適で気軽に外出でき、社会活動に参加できる』ことを目指して、バリアフリーのまちづくりをすすめて」いるとも述べている。

 障がい者の願い、市の福祉方針や総合計画にも反して、新しく建設する建物を「史実に忠実」を理由に、バリアフリーに配慮しないことは許されない。障がい者のみなさんの願いは当然であり、その願いを実現する立場で市の公共建築物はあるべきである。
 市は、「新技術の開発」で将来の可能性を言っているが、現時点での行政責任を放棄するものであり、金銭的にも未知数の施設を前提の計画は市民の理解を得られない。

 市民合意のない「2022年天守閣木造化」は、いったん立ち止まり、障がい者の皆さんの声も含め市民の声、党市議団の提案も含めて市民論議を進めることをあらためて求める。

以上