名港議会 山口清明議員の一般質問①大水深バースの拡張はムダ(2018年3月27日)

飛島ふ頭における土地の買い入れと交換について

飛島南側ふ頭への水深バースは現状で十分、新たな拡張は必要ない
山口清明議員

中部電力株式会社に提供する土地は管理組合にとって必要のない土地なのか
【山口議員】飛島ふ頭は名古屋港におけるコンテナ物流の一大拠点です。名古屋港でのコンテナの5割強が飛島ふ頭にある4つのコンテナターミナルで取り扱われています。このターミナル機能を強化するために新たな土地を入手するための予算が新年度予算案に計上されています。
 買入と交換により土地を入手する計画ですが、まず交換する土地のうち、管理組合が手放す土地、すなわち飛島村東浜の約6万6100㎡、31億4千万円の土地についてうかがいます。
 中部電力に提供するこの土地は、ターミナル機能の強化には必要がない土地になったということなのですか。
 この土地を、いつ、いくらで入手し、どのように使ってきて、なぜ必要なくなったのか、現在は誰がどのように利用しているのか、貸し付けているのならいくらで貸し付けているのか、まず明らかにしてください。

もともとの所有地にヤード不足対応で追加、南側ターミナルの整備でヤード不足が解消、中電に9100万円/年で貸付
【港営部長】北側の約4分の1は当初より本組合の所有地であり、平成3年度に飛島ふ頭でのコンテナターミナルのヤード不足に対応するため整備した。
 残りの土地も、平成13年度に民間企業から約18億円で取得、整備し、利用してきたが、飛島ふ頭南側コンテナターミナルが平成17年及び平成20年に順次供用されたことでヤード不足が解消されたため、2013年9月以降は中部電力株式会社の西名古屋火力発電所リフレッシュ計画に伴う工事資材ヤードとして貸付け、2017年度の貸付料は約9,100万円です。

飛島ふ頭東側のコンテナターミナルごとのコンテナ取扱個数はどれほどか
【山口議員】新たに23億9千万円で中部電力から買い入れる土地約5万6800㎡は、飛島ふ頭南コンテナターミナル拡張用地に充てると聞いています。
 飛島ふ頭の東に並ぶ三つのコンテナターミナルは主に東南アジア航路のコンテナを取り扱っており、名古屋港の中でも活発な貨物の取り扱いが続くエリアです。
 船舶の大型化への対応としてNCBコンテナターミナルの二つの岸壁では水深15mに掘り下げる事業もすすめられています。ターミナル用地の拡張が必要ということには一定の理解ができます。
 とくに今回、買い入る土地の前面にあたる飛島ふ頭南コンテナターミナルは多くの大型コンテナ船が接岸する場所になっています。そこでお聞きします。
飛島ふ頭東側のコンテナターミナルごとにみると、取り扱うコンテナ数、入港隻数はどう推移しているか、その結果、一隻当たりのコンテナ個数はどうか、どのターミナルで船舶の大型化が進行しているのか、明らかにしてください。

取扱個数は北とNCBで増加、入港隻数は総じて横ばい、1隻当たりのコンテナ数は南の1050TEUが最大
【企画調整室長】名古屋港全体の外貿コンテナ取扱個数は、2017年速報値で約259万TEU、前年比約3.9%の増加となっている。このうち、飛島ふ頭東側コンテナターミナルは、約97万TEU、前年比約0.9%の増加となっている。
 飛島東側3ターミナルのうち、主に東南アジア航路を取り扱う飛島ふ頭北コンテナターミナルは、近年、微減傾向でしたが、近海航路のサービスが開始されたことなどにより、約9万TEUと前年比約8.6%の増加となった。
 主に東南アジア航路を取り扱うNCBコンテナターミナルは、近年、微増傾向で、東南アジアの貨物が増加したことにより、約54万TEUと前年比約6.1%の増加となった。
 主に東南アジアやアフリカ航路を取り扱う飛島ふ頭南コンテナターミナルは、NCBコンテナターミナルと同様、微増傾向でしたが、アライアンスの再編に伴う基幹航路のサービス廃止などにより、約34万TEUと前年比約8.0%の減少となった。
 コンテナ船の入港隻数は、2017年速報値で飛島ふ頭北、NCB、南コンテナターミナルでそれぞれ増減はあるものの、過去5年では、3つのターミナルの合計では概ね横ばいで推移している。
 一隻当たりのコンテナ取扱個数は、2017年速報値で飛島ふ頭南コンテナターミナルが最も多い1,050TEU、飛島ふ頭北コンテナターミナルが472TEU、NCBコンテナターミナルが891TEUとなっている。
 コンテナ船の大型化は、東南アジア航路が大型化しており、主に取り扱っているNCBコンテナターミナルの改良工事を行っている。

主な航路別の入港隻数の状況はどうか
【山口議員】あわせて、北米、欧州の基幹航路、中国、韓国などの近海航路、東南アジア航路など、主な航路別の状況も説明してください。

北米・欧州の基幹航路は減少、中国・韓国の近海航路は増加、東南アジアは変わらず
【企画調整室長】北米、欧州の基幹航路の貨物は、アライアンスの再編などに伴い減少傾向にある。中国、韓国などの近海航路は、中国の景気の持ち直しの動きや国内の景気の緩やかな回復基調が続いていることなどにより、増加となった。

    

東南アジア航路は、近年は大きな変動はない。土地購入後の費用や計画を含めた全体像を示せ
【山口議員】港湾法改正により、コンテナターミナルの運営は港湾ごとに一つの港湾運営会社に独占的に委ねられることになりました。
 名古屋港でも名古屋四日市国際港湾株式会社が国と名古屋港管理組合からコンテナターミナル施設を一元的に借り受けて運営することになりました。
 名古屋港管理組合が買入れる土地も港湾運営会社、名四港湾(株)に貸し付けて運用することになります。港湾運営会社は、コンテナターミナルの経営計画を作成し、ガントリークレーン等の上物の施設整備を進めたうえで、港湾利用者に施設を提供することになります。土地を買い入れても、すぐに使えるわけではありません。
 取得した土地がターミナル用地として使えるまでに、管理組合と港湾運営会社はそれぞれどういう整備をするのですか。そのための費用はいくらかかり、誰が負担するのですか。管理組合は約23億9千万円で取得する土地をどんな条件で、何年間、いくらで名四港湾(株)に貸し付けるのですか。実際にターミナルとして活用するのはいつになりますか。
 23億9千万円だけでは済みません。土地購入後の費用や計画も含めた全体像をしっかり示してください。

奥行きを80m拡張しコンテナ取扱機能の強化をする。基盤整備を組合が行い、運営会社に貸し付け、施設整備は運営会社が行う
【建設部長】飛島ふ頭南コンテナターミナルは、平成3年に供用開始された、水深15m、岸壁延長700mのコンテナバースです。購入で取得する用地を活用して、飛島ふ頭南コンテナターミナルの奥行きを、現在の270mから350mへ拡張しコンテナ取扱機能の強化をするものです。
 今回、施設運営事業会計で購入を予算計上している拡張用地の整備は、地盤改良などの基盤整備は本組合が行い、舗装などの上物施設の整備は港湾運営会社制度を活用し、港湾運営会社である名古屋四日市国際港湾株式会社が行う考えです。
 用地取得後、速やかに土質調査と設計を進め、整備費用を算出し、拡張用地の基盤整備を行った後には、名古屋四日市国際港湾株式会社へ貸付けることとしているが、貸付条件等は今後の整備状況等を踏まえ調整していく。
大水探バースの需要は現在の2バースで十分。交換して入手する土地をコンテナターミナルとして活用できるのか
【山口議員】土地交換で入手する約6万7600㎡、29億6千万円の土地は、飛島ふ頭南側コンテナターミナル拡張用地に充てると言います。
 マイナス16mの大水深バースのさらなる岸壁延長に備えてということのようです。でも岸壁延長に展望はあるのでしょうか。ほんとうに必要な土地なのでしょうか。
 そもそも飛島ふ頭南側コンテナターミナルは、北米・欧州の基幹航路の船舶大型化への対応を目的に、国が推進するスーパー中枢港湾政策(懐かしい言葉です)の目玉として位置づけられ、岸壁を3バース整備(岸壁延長1050m)する計画でした。
 現在は水深16mの大水深バースが二つ(岸壁延長750m)供用されています。この大水深を活かした大型船舶の利用はどうでしょうか。基幹航路も名古屋港飛ばし、いわゆる抜港こそ免れてはいるものの想定通りには増えていません。大水深バースの需要を満たすには現在の2バースで十分ではありませんか。
 国際競争力の強化をかかげた国の国際コンテナ戦略港湾政策は、港湾整備の対象を東京湾と大阪湾の二大拠点に絞り込み、名古屋港をふくむ伊勢湾は外されたままです。
 名古屋港は自らを「国際産業戦略港湾」と位置づけていますが国による大水深バースの整備対象にはなりません。わが党は無駄な大型開発の一つとして批判していますが、東西港では国際コンテナ戦略港湾がらみの予算が必要以上についています。
 名古屋港では国による直轄事業、公共事業はどうでしょうか。最近では、予定した事業が国から認められず、補正予算でもマイナス補正ばかり続いているではありませんか。今回の補正でも同様です。
 名古屋港の単独事業として飛島ふ頭南側の岸壁延長に取り組むつもりがありますか。国の事業に位置づけられるのをじっと待つばかりではありませんか。
 平成30年代後半を目標年次とした名古屋港港湾計画には、「基幹航路の船舶の大型化に対応するため、飛島ふ頭南側コンテナターミナルで既定計画を150m延伸」とあります。まさか、希望的観測だけで数十億円の土地を入手するつもりではないと思います。交換により入手する土地をコンテナターミナルとして活用できる確かな展望はありますか、あるならそれはいつですか。明確な答弁を求めます。

連続3バース1200mはコンテナ取扱機能の強化に資する必要なもの。国の事業制度を活用しながら整備していく
【企画調整室長】飛島ふ頭南側コンテナターミナルは、本港で最大の水深である16mの岸壁を備えており、北米・欧州と結ぶ基幹航路を中心に利用されている。当該コンテナターミナルでは、今後の基幹航路における船舶の大型化や貨物量の増加などに対応できるよう、水深16mの岸壁を連続3バースで延長1200m確保する拡張計画を港湾計画に位置付けており、コンテナ取扱機能の強化に資する必要なものと考えている。
 中部電力株式会社から交換により入手する土地は、飛島ふ頭南側コンテナターミナルの第3バースとして、国の事業制度を活用しながら整備していくこととしており、今後の港湾を取り巻く環境の変化を見極め、整備時期を検討していきたい。

飛島ふ頭南側コンテナターミナルの拡張はやめて、飛島ふ頭南コンテナターミナルの整備に集中を(再質問)
【山口議員】ふ頭東側のコンテナターミナル用地を拡張する必要性は理解します。
 が、先ほどの答弁では、貸付先だけは名古屋四日市港湾運営会社とはっきりしているけれど、いつ貸付できるのか、整備にいくらかかるのか、はっきりした答弁がありませんでした。
 施設運営事業会計の用地でもありますので、具体的な見通しをしっかりもって整備と活用にあたっていただきたい。ここだけでも大変な仕事です。ここに力を集中すべきです。
 問題は、飛島ふ頭南側の土地です。答弁いただきましたが、基幹航路は再編と集約化が進み、先行きが見通せません。
 国の事業制度を活用しながら整備していく、その展望は全く不透明です。一隻当たりのコンテナ取扱個数については、水深15mの飛島ふ頭南コンテナターミナルが1050TEUと答弁がありました。
調べてみましたが、大水深バース水深16mの飛島ふ頭南側はどうでしょうか。一隻当たりのコンテナ取扱個数は897TEUに過ぎません。
 いま船舶の大型化に対応すべきは飛島ふ頭の東側であって、実現の見通しもない飛島ふ頭南側にコンテナターミナル用地拡張のための土地はいりません。
 専任副管理者にまず、おたずねします。飛島ふ頭南側に新たな土地を取得して活用する確かな展望をあなたは持っていますか。この土地の入手は止めて、飛島ふ頭東側のターミナル整備に集中すべきではありませんか。お答えください。

用地取得後、直ちに整備を進め、ターミナル機能の強化に努力する。南側コンテナターミナルの拡張整備も、必要と考える(専任副管理者)
【専任副管理者】喫緊の課題として、外貿コンテナにおける東南アジア貨物の増加や船舶の大型化に対応するため、飛島ふ頭東側において、NCBコンテナターミナルの改良事業等を進めており、今回の拡張用地も、用地の取得後、直ちにふ頭用地整備を進め、コンテナターミナルの機能が早期に強化できるよう努力していく。
 飛島ふ頭南側コンテナターミナルの拡張整備も、今後の本港にとって必要であると考えており、港湾計画に位置付けているこの計画が円滑に進むよう、現時点で対処が必要な事柄については、予め取り組んでいきたいと考えており、今回の用地取得もこうした考えで予算を計上している。

東側の整備だけで十分だ。「選択と集中」どころか「あっちもこっちも」でいいのか(意見)
【山口議員】東側の整備を急ぐことは応援したい。それだけで十分です。
 南側については、副管理者からも具体的な展望は聞けませんでした。一頃よく「選択と集中」という言葉をよく聞かされましたが、今回の土地の取得は「あっちもこっちも」じゃないですか。
 港の貨物動向を左右する自動車産業や経済情勢の今後や海運業界・航路の再編も予断を許しません。
 名古屋港の開発と運営についても身の丈に合った堅実な取り組みこそ必要です。いつ整備が始まるか見通しもないままで、ターミナル拡張のために土地を取得することには賛成しかねる、と申し上げ、質問を終わります。

キーワード: