2018年2月定例会

さはしあこ議員の個人質問①生活困窮者の住宅確保(2018年3月7日)

生活困窮者が安心して暮らせる住居確保を

さはしあこ議員

札幌の火災を受け、名古屋市では どのような火災防止対策を行ったか
【さはし議員】今年1月31日に札幌市にある生活困窮者の自立支援を目的とした共同住宅「そしあるハイム」で、火災が発生し、入居者16名のうち11名が亡くなり、3名が負傷するという痛ましい事故が起き、貴い命が失われました。入居者16名中14名が65歳以上の単身高齢者、13名が生活保護受給者ということでした。入居者は、経済的に困窮した高齢者が多く、身寄りがなく、介護を必要とした方、病気や障害を抱えた方もみえたそうです。
 この住宅は、以前、旅館として使用されており、築50年の木造建築、モルタル貼りの地上2階建て延べ面積404.19㎡。部屋の間取りは、6畳1室で、浴室、トイレ、食堂、台所は共用の下宿型共同住宅です。
 市が、届出のない有料老人ホームでないと判断したため、一般的なアパートや下宿と同じ扱いとなり、スプリンクラーは未設置。消火器、自動火災報知機などは設置されており、法令違反はなかったとのことでした。
 今回、札幌市で起きた火災によって高齢者が一度にたくさん亡くなるという悲劇が、ここ名古屋で絶対にあってはならないと思います。名古屋市はどうでしょうか。そこで、消防長にお尋ねします。札幌市で発生した火災が、本市で起きるようなことはありませんか、札幌市の火災を受けて、どのような対応をされたのか、その結果はどうだったのか。また、同様の火災による被害を防ぐためにどのような対策を取っていかれるのか、お答えください。

148施設に緊急立入検査し、火の元や避難施設の管理状況などについて確認(消防庁)
【消防長】札幌市の火災の出火原因は現在まで明らかにされてないが、入居者の多くが高齢者であったこと、古い木造の建物で火の回りが速く、避難を困難にしたことが、多数の死傷者が発生した要因のひとつです。
 類似の被害を防止するためには、たばこの吸殻や暖房器具などの火の元や、廊下や階段などの避難施設が適切に管理されていることが必要です。
 消防局では、昭和50年以前に建てられた木造の寄宿舎及び下宿、社会福祉法に定められた無料低額宿泊所並びに社会福祉各法に法的位置づけのない施設、計148施設に対して、緊急立入検査を実施し、火の元や避難施設の管理状況などについて確認を行い、火の元や避難施設の管理に問題のある施設はなかった一方で、16施設について、消火器、自動火災報知設備等の消防用設備の点検が実施されていないなどの不備が見つかったため、必要な指導を行った。
 これらの施設には、早急に不備を改善させるとともに、今後とも、立入検査等による防火指導を徹底し、火の元や避難施設の管理を含む必要な防火管理が適切に行われ、同様の被害を未然に防ぐことができるよう努めます。市民の命と財産を守るため引き続き防火対策に取り組んでいただきたい(意見)
【さはし議員】本市消防局は、すぐに緊急に立ち入り検査を実施し、国から通知があった住宅に加え、健康福祉局からの情報提供により、無料低額宿泊所及び届出のない共同住宅も検査しています。消防用設備の点検が実施されていない一部の施設においては「今後も、防火指導を行い未然に防ぐことができるように努める」との答弁がありました。市民の命と財産を守るため、引き続き、防火対策に取り組んでいただきたいと思います。

市内の無料低額宿泊所の入居者数、うち生活保護受給者数は
【さはし議員】2015年5月、川崎市の簡易宿泊所で生活保護利用者など⑪名、2017年5月に北九州市のアパートで日雇い労働者らが6名、8月には秋田県横手市のアパートで生活保護利用者らが5名亡くなっています。名古屋市でも2015年に、緑区で無届の共同住宅で火災が起きました。報道によると、死傷者6名は60代と70代。寮であった建物を賃貸住宅として使用しており、1階は共同の食堂や風呂があり、3畳の居室が2階に13室、3階に12室。社会福祉法の無料低額宿泊所として市への届けはない施設であったものの、実際は、入居していた22人のうち19人は生活保護受給者とのことでした。
 運営しているすべての団体を否定しているわけではありません。生活に困窮している高齢者のみなさんのために低額で住居を提供したいと思って運営している団体もあるでしょう。しかし、多くの生活保護受給の単身高齢者が、無料低額宿泊所や届け出をしていない共同住宅などの民間住宅に住まざるを得ない状況、老朽化して家賃が安い建物に、結果として、生活保護受給者や年金が少なく生活に困窮する高齢者が集まってしまっている状況をつくりだし、民間に頼ることになってしまっているということが問題ではないでしょうか。
 名古屋市においては、2017年6月末現在で、無料低額宿泊所が22箇所あり、法的位置づけのない無届けの施設も多く存在しています。
そこで、健康福祉局長にお尋ねします。名古屋市内の無料低額宿泊所及び法的位置づけのない施設には、どれだけの方が入所されていますか。それぞれの施設の定員数・入所者数、そのうち生活保護を受給されている方の人数をお答え下さい。

無料低額宿泊所入所者数は913名、うち生活保護受給者は877名。無届の施設の入所定員は2,187名、生活保護受給の入所者は1,403名(局長)
【健康福祉局長】2017年6月現在、市内の無料低額宿泊所22施設の入所定員は合計1,114名であり、入所者数は913名、うち生活保護の受給者は877名です。
 市内の法的位置付けのない無届の施設は、各区の社会福祉事務所による調査の結果、確認できた施設は57施設で、57施設の入所定員は合計2,187名であり、生活保護を受給されていない方の入所者の数は把握していませんが、入所者のうち生活保護の受給者は1,403名です。施設を訪問するケースワーカーが、安全体制について把握した情報を消防局へ情報提供する仕組みを作るべき
【さはし議員】高齢者や生活困窮者がどのような生活実態であるのかを把握し支援するケースワーカーは、重要な役割を担っていると考えます。
本市では無料低額宿泊所や無届けの施設に入居している方へどのような支援を行っていますか、また、入居者の安全を確保するという点からも、ケースワーカーが施設を訪問する際、防火などの安全体制について把握した情報を消防局へ情報提供することについて、いかがお考えでしょうか。

ケースワーカー等を配置し消防局所管部署に情報提供を行っている(局長)
【健康福祉局長】社会福祉事務所のケースワーカーが、無料低額宿泊所等に入所している生活保護を受給されている方を訪問し、生活状況や居住環境などの実態把握に努め、自立に向けて必要となる転居の支援などを行っています。無料低額宿泊所等の施設数が多い6区には、専任の嘱託員として居宅生活支援員を配置し、ケースワーカーと合わせて、状況把握や必要な支援を行っています。
 ケースワーカーが把握した無料低額宿泊所等の施設所在地や入居者数等について、消防局所管部署に情報提供を行っています。

生活困窮者等への住まいを確保するためにどのような支援を行っていくか
【さはし議員】本市でも、多くの生活保護受給者が無料低額宿泊所や法的位置付けのない住居に住んでいる実態があります。本市には、主にホームレスの方を対象とした「笹島寮・植田寮・熱田荘」といった保護施設や一時保護所、保護を受けずに自立する方を支援する「自立なかむら・自立あつた」などがあり、様々な支援が行われています。また、収入が少ない方に入居していただく目的で市営住宅もあります。その市営住宅では、一部の住宅で空き室が埋まっていません。私は、こうした市営住宅も希望される方に活用していくことも必要ではないかと思います。生活に困窮されている方や生活保護を受給されている方に対しての住まいを確保するために、他局とも連携しながら、どのような支援を行っていかれますか。健康福祉局長に答弁を求めます。

住宅関連部署との連携が必要。今後も十分に連携し支援を行う(局長)
【健康福祉局長】生活に困窮されている方や生活保護を受給されている方への住まいの確保に向けては、住宅に関連する部署との連携が必要であり、今後も、十分に連携し支援を行っていきます。
 住まいの確保には、すでに住居を失った方、住居を失う恐れのある方、低額の家賃への住み替えが必要な方など、それぞれの方の状況に応じて、転居資金や家賃の支給、住宅申込みの援助などの支援を行っています。

法的位置付けのない施設も防火対策の強化を(再質問)
【さはし議員】私は、今回の札幌市のような火災を発生させないためにも、生活に困窮し、さらに、逃げるのに困難さを持つ高齢者の方々が集まっている住まいの安全性を、少しでも高めるためにも、防火を未然に防ぐための体制と併せて少しでも安全が担保される住居の確保が重要だと考えます。
 そこで、防火の体制について、再度、伺います。「ケースワーカーが把握した無料低額宿泊等の施設所在地や入居者数については、消防所管部局へ情報提供を行っている」とのお答えでしたが、私は、防火などの安全体制について消防局への情報提供することについてお聞きしました。
 国においても、法的位置付けのない施設の防火対策を強化するため、社会福祉事務所のケースワーカーが生活保護を受給されている方の共同住宅を訪問する際に、点検項目に基づいて防火体制を確認し、消防に情報提供することを検討しているとの新聞報道もありました。私もこうしたことは大切なことだと思いますが、健康福祉局長は、どのようにお考えですか、お答え下さい。

今後適切に対応(局長)
【健康福祉局長】そのような新聞報道は承知しています。国からはまだ指示は来ていません。今後適切に対応していきたい。

住宅都市局と連携し、生活困窮者へ安心・安全な住まいを確保できるよう取り組み強化を(意見)
【さはし議員】国も今回の札幌市で発生した共同住宅の火災を受けて、防火体制などいろいろと検討しているようです。適切に対応していくとの答弁をいただきましたので、ぜひお願いしたいと思います。
 また、今国会では無料低額宿泊所の規制を盛り込んだ社会福祉法の改正に向けての審議もしています。「消火器の設置や避難訓練など最低限の基準として法令に明記」「違反した場合は、改善命令を出せるようにする」などの防火体制を強化し、届け出を「事業開始1カ月以内」から「事業開始前」にすることなどを検討しています。こうした国の動向を踏まえた対応も求めたいと思います。
 生活に困窮した高齢者が集まってしまっている共同住宅、全てとは言いませんが、果たして人間らしい住まいといえるのか、いわゆる住まいの貧困が、火災事故を招き、そこに住むしかない人たちの命が奪われてしまうことはあってはならないと思います。札幌市で起きた共同住宅火災のようなことを起こさないためにも、引き続き、住宅都市局と連携して生活困窮者に対しての安心・安全な住まいを確保できるよう取り組みを強めていただきたい。

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