2018年2月定例会

田口一登議員の代表質問(2018年3月2日)

安倍政権が進める暮らし破壊から市民の暮らしを守るために全力を

              田口一登議員

質問項目
1 生活保護について
(1)国の保護費削減方針
(2)保護基準引き下げの就学援助への影響 2 子育て世帯の経済的な負担軽減について
(1)小学校給食費の無償化
(2)国民健康保険料の子どもの均等割減免
3 学校の統廃合計画について
(1)市立若宮商業高校の存続
(2)「小さくてもキラッと輝く学校づくり」計画の策定を
4 介護保険料の値上げについて
5 名古屋城天守閣の木造復元について
6 市民税減税の見直しについて
7 南京市との友好交流について
(1)南京市友好都市提携40周年記念事業
(2)平和堂内の千手観音の南京への返還

生活保護について

国の生活保護費削減方針の撤回を求めよ
【田口議員】本市の来年度予算編成の方針では、わが国の経済について、「景気は緩やかに回復している」とされていますが、格差と貧困が拡大しているのが、わが国の経済ではないでしょうか。
 第2次安倍政権の5年間で、大企業の当期純利益は2.5倍となり、内部留保は400兆円を超えるまでに積み上がりました。株価の上昇で、上場企業の大株主上位300人の保有株式の時価総額も2.7倍に膨らみました。その一方で、働く人の実質賃金は年額で16万円減り、実質消費支出は22万円減りました。アベノミクスの5年間で、格差が拡大し、貧困が悪化していることは明らかであります。
 こうしたもとで、政府が、生活扶助費を今年10月から3年間かけて最大5%削減する方針を決めたことは重大です。生活扶助費が増額される世帯も一部にあるものの、約7割の世帯は減額されます。母子加算も平均2割削減する方針です。
 今回の生活保護削減では、子どもの多い世帯ほど削減幅が大きくなります。「40歳代夫婦と小学生、中学生の子ども2人世帯」の場合、生活保護費は年間10万8千円の削減になります。
 生活保護を利用して小学生と中学生を育てている母子家庭のお母さんが言っていました。「就学援助はありますが、習字道具や絵の具などの教材を購入するときに、安いものでそろえようと思っても、先生から『みんなと同じものをそろえてください』と言われるとつらい」と。
 現在の保護基準でも、憲法25条が保障する健康で文化的な水準とはとても言えません。そのうえ基準が引き下げられたら、もっとみじめな事態に追い込まれてしまうのではないでしょうか。
 そこで市長にお尋ねします。市長は、政府が決めた生活保護の削減について、どのように認識されていますか。貧しい子育て世帯への保護費のカットは、市長が最大の行政課題と捉えている「子どもと親への総合支援」に相反するものではありませんか。そうであるなら、国に対して生活保護費の削減方針を撤回するよう求めるべきではありませんか。

こんなことをイージーにやってはいけない(市長)
【市長】国の生活保護削減方針ですが、こんなことをイージーにやってはいかん、貧富の差の拡大がほんとに日本の問題ですので。

「生活保護は国民の権利である」という表明を
【田口議員】政府は、生活保護削減の理由として、「生活保護を利用していない低所得世帯の生活水準が下がったからそれに合わせて引き下げる」としています。「低所得世帯の生活水準が下がった」というなら、生活保護を削るのでなく、低所得世帯の生活を支援することこそ、政治の責務であります。 生活保護を利用できる要件がある人のうち実際に利用できている人の割合、捕捉率といいますが、それは2~3割といわれています。捕捉率が低い原因の一つに、「スティグマ」といわれる〝生活保護は恥〟という意識や、生活保護に対する「バッシング」から、生活保護を申請することをためらう傾向があると指摘されています。先日の国会で日本共産党の志位委員長が、このことを取り上げて質問したところ、安倍首相は、「生活保護を受給することへの偏見をなくし、保護を必要とする方は、確実に保護を適用という方針のもと、適正な運用に取り組んでいく」と答弁しました。
 生活保護は、憲法25条に明記された国民の生存権を保障する最後のセーフティネットですから、生活保護を受給することへの偏見をなくす、〝生活保護は恥〟という意識をなくしていくことの重要性は、市長もお認めになると思います。
 市長、生活保護は憲法25条にもとづく国民の正当な権利ということを、この議場で表明していただきたい。発信力の大きい河村市長が「国民の正当な権利だ」と表明されれば、市民の中にある偏見を払しょくするうえで効果バツグンだと思います。

権利といってもいいんじゃないですか(市長)
【市長】憲法第25はプログラム規定といわれており、生活保護法ができとりますので具体的な権利にはなっとると思います。当局からするとリーフレットには権利と書いてあるということですので、権利といってもいいんじゃないですか。

生活保護基準引き下げの就学援助への影響をなくせ
【田口議員】生活保護基準の引き下げは、就学援助、住民税、保育料、介護保険料など47の制度に連動し、広範な市民の生活に重大な影響を与えます。厚生労働省は、生活保護基準を減額しても、できる限り他の制度にその影響が及ばないように対応するという考え方を示していますが、具体的にはそれぞれの自治体で対応しなければなりません。
 そこで、就学援助への影響について教育長にお尋ねします。
 就学援助は、生活保護受給世帯と准要保護世帯の方が対象となっており、准要保護世帯の所得基準は教育委員会が設定しています。2013年に生活保護基準が引き下げられた際には、それが就学援助に影響しないよう、所得基準を維持されました。
 今年10月から生活保護基準が引き下げられたとしても、それが就学援助に影響しないよう、引き続き対応していくお考えですか。

く生活保護基準引き下げで影響を受ける主なもの〉
・介護保険料、利用料の減免
・難病患者への医療督助成
・保育料
・障害福祉サービスの利用者負担上限月額
・国民年金保険料の減免
・就学援助
・特別支援教育就学奨励費
など

生活扶助基準が引き下げられたとしても 影響しないように対応する予定(教育長)
【教育長】平成25年の生活保護基準の見直しの際は、国から、できる限り影響が及ばないように対応する基本方針と、就学援助などの地方単独事業も適切な判断・対応を依頼する通知があり、就学援助の所得基準に影響が及ばないよう対応している。今回も、すでに前回と同様の対応方針が示されているが、今後とも国の動向を注視し、適切な対応をしたい。

子育て世帯の経済的な負担軽減について

小学校給食費の無償化を
【田口議員】子育て世帯の経済的な負担軽減について、2つの提案を行い、見解を求めます。
 小学校給食費の無償化ですが、わが党は、毎回の代表質問などで給食費の無償化を求め、河村市長は「義務教育の無償化を拡大するのは泣かせる話だ」と答弁されてきました。
 私は、2015年6月定例会で関連質問に立ち、当時の教育長と議論したことがあります。教育長は「財源が無限にあれば、無償化はいいと思うが、優先順位があるので、いますぐには実現できない」という趣旨の答弁をされました。小学校給食費の無償化には40億円余りの財源が必要ですが、まずは第3子以降から実施するとすれば、2億円程度の財源があれば可能です。予算案では、「子ども・親総合支援基金」として30億円が積み立てられます。少なくとも第3子以降に対しては無償化するための財源はあるではありませんか。
 市長、「子ども・親総合支援基金」を活用して、まずは第3子以降から小学校給食費を無償にしてはどうですか。指定都市で学校給食の無償化を部分的にでも実施している都市はありません。名古屋で踏み出せば、「日本一子どもの給食費を応援するまち」になります。先ほど教育長は検討すると回答された。実施に向けて検討を始めていただきたい。答弁を求めます。

全部無償にすると金持ち優遇になってしまう(市長)
【市長】なかなか悩ましいんですけど、今子供が二人いるとおおむね年収460万円までは実際には無償でして、もっと高いとこまで無償にしてはいけないとは言いませんが、全部無償にしますと金持ち優遇になってしまいます。よく考えないかんと思ってます。

国民健康保険料の子どもの均等割減免を
【田口議員】国民健康保険料の子どもの均等割減免についてですが、サラリーマンなどが加入する被用者保険は、扶養する子どもの人数が増えても保険料は変わりません。しかし、国民健康保険は、世帯内の加入者数に応じて賦課される均等割があるため、子どもの人数が多くなるほど保険料の負担が大きくなります。国保料のこの仕組みは、子育て支援に逆行するものと言わなければなりません。
 全国知事会は2015年1月、国への緊急要請の中で、「子育て支援の観点からの子どもに係る保険料(均等割)の軽減」を検討するよう要求しています。県下では一宮市が、18歳未満のすべての児童について、均等割保険料を3割安くする減免制度を実施しています。全国では、第3子以降の均等割を全額免除する自治体もあります。
 そこで市長にお尋ねします。子どもの数が多くなるほど保険料が高くなるという国保料の仕組みは、子育て支援に逆行するという認識はお持ちですか。子どもと親を応援するというのなら、子どもの均等割について減免制度を設けるべきではありませんか。

問題ではあるが、名古屋だけでやるのはどうか(市長)
【市長】確かに問題でして、ただ参議院で附帯決議がついて引き続き議論する結論になっている。名古屋だけでやるいうのは何ですけど、注視したい。

学校の統廃合計画について

市立若宮商業高校の存続を
【田口議員】次に学校の統廃合計画について質問します。
 第1は、市立若宮商業の存廃問題です。
 若宮商業の保護者や卒業生などでつくる「若宮を守る会」のみなさんが、2月14日、存続を求める4万8千人余の署名を河村市長と杉崎教育長に提出されました。署名を受け取られた市長は、「しっかりやっていただくと道は開ける」と述べたと報じられています。
 若宮商業の存続を求める世論が大きく広がったのは、子どもや親たちから必要とされている高校だからであります。昨年12月に愛知県が公表した中学卒業見込者の進路希望状況調査では、若宮商業を第1希望とする生徒が、定員200人に対して263人となるなど.県内10の公立商業高校で最も高い倍率となっています。これだけ希望者がいる高校をなくすことに、一片の道理もありません。
 2月19日に開かれた「魅力ある市立高等学校づくり懇談会」の最終会合では、若宮商業に高等特別支援学校を併設する案が示され、これには有識者から好意的な意見が相次いだそうです。
 多くの署名に込められた市民の世論と有識者懇談会の議論を踏まえれば、私は、若宮商業を存続させる道が開かれたと受け止めていますが、教育長はどのように受け止めておられますか。

署名や懇談会、同窓会や保護者等からも意見を聞いて検討したい(教育長)
【教育長】有識者による懇談会を開催し、再編具体策として商業科どうしや普通科と商業科との統合、さらには高等特別支援学校との併設といった新たな観点に立った案も出された。
 また、先月14日に、「若宮を守る会」から学校の存続を求める数多くの署名を受け取らせていただいた。教育委員会としては、署名や懇談会での意見を踏まえ、同窓会や保護者等からも十分に意見を聞いて検討していきたい。

「学校規模適正化」より「小さくてもキラッと輝く学校づくり」を・・・・小規模校対策が進まなかった理由は
【田口議員】第2は、小・中学校の統廃合問題です。
予算案には、小・中学校等について学校規模の適正化を推進する「学校規模適正化推進計画」の策定経費が計上されています。教育委員会は、小学校の適正規模はクラス替えができる12学級から24学級として、「小規模校対策に関する実施計画」にもとづいて統廃合を進めてきましたが、2016年度までの計画期間内に統合をめざすとされた第1グループの9校のうち、統合されたのは3校にとどまりました。
 教育長、「小規模校対策に関する実施計画」が計画通りに進まなかったのはどうしてだとお考えですか。教育委員会が上から統合相手校を決めて地域に押し付けるやり方だったために、地元の合意が得られなかったからではありませんか。

教育的メリットへの理解や、地域コミュニティや避難所機能の低下への心配で(教育長)
【教育長】小規模校対策が進んでいない主な理由としては、クラス替えができるようになる教育的な観点からのメリットを理解いただくのに時間がかかっていたことや、地域コミュニティや避難所機能が低下するのではないかという心配があったこと、などと考えております。

小規模校のよさを生かした「小さくてもキラッと輝く学校づくり」計画の策定を
【田口議員】天白区の相生小学校は現在、全学年が1クラスで、小規模校対策では第2グループとされましたが、全住民を対象とした説明会の開催にすら至っていません。
 昨年秋、相生小学校の校長先生が、相生学区のコミセンまつりでロックライブを披露されました。エレキ演奏をするのが子どもの頃からの夢だったという校長先生の話を学区長さんが聞いて、それではコミセンまつりに出てもらおうとなったそうです。出演依頼を受けた校長先生は猛練習されたそうです。校長先生のライブを聞いた地域の住民の方からは、「学校では見られない校長先生の姿に感激した」などの感想が寄せられています。
 子どもは、家庭と学校、地域で育つといわれています。学区の行事に校長先生が参加し、住民と交流を深める。こうした小学校が学区からなくなるということは、子どもが育つ基盤を希薄にすると思います。
 小規模校には小規模校のよさがあります。私は、小学校も中学校も1学年1クラスの田舎の学校で育ちましたので、小規模校のよさを実感しています。
そこで、教育長にお尋ねします。統廃合による学校規模適正化ではなく、小規模校のよさを生かした「小さくてもキラッと輝く学校づくり」計画の策定を求めますが、いかがでしょうか。
小規模校対策は必要(教育長)
【教育長】将来を担う子どもたちのよりよい教育環境を確保するためにも小規模校対策は必要であると考えており、平成30年度には新たな「学校規模適正化推進計画」を策定し、今後の小規模校対策を、着実に進めたい。

介護保険料の値上げについて

一般財源を投入して値上げストップを
【田口議員】65歳以上の方の介護保険料は、今年4月から基準額では年間5964円の値上げが提案されています。介護保険料の基準額は、介護保険制度が始まった当初は年額34,500円でしたが、現在は70,720円。2倍以上に引き上げられました。
 昨年2月定例会の代表質問で、わが党が介護保険料の引き下げを求めたところ、健康福祉局長は「高齢者の(保険料)負担は大きくなっていると認識している」と答弁されました。それに

もかかわらず値上げするというのは、高齢者になんと冷たい仕打ちでしょうか。
 保険料の引き上げを抑えるために、一般財源の投入を求めたい。2016年3月の会計検査院の報告では、11市町が法定外繰り入れを行なっています。かつて厚生労働大臣も、公費投入をやめろとまでは言っていないと国会で答弁しており、健康福祉局長も「できない」とは言っていません。「考えていない」だけで、やる気があれば、できるのです。
 そこで、市長にお尋ねします。年金が上がらない中で、引かれる介護保険料が上がって、受け取る年金がどんどん減っている高齢者の苦しみを受け止めて、介護保険料の値上げを撤回すべきではありませんか。そのために一般財源の投入も検討すべきではありませんか。お答えください。

特区申請で名古屋の介護を根本的に変えんとあかん(市長)
【市長】特区申請でもして、名古屋の介護は近所に独居老人がたくさんおって、そういうとこをグループホームみたいにやっていけますし、近所の婦人会の皆さんで、雇用も増えると。名古屋の介護をちゃんと特区申請して根本的に変えんとあかんと思っております。

名古屋城天守閣の木造復元について

バリアフリー問題の解決で、妙案が出たか
【田口議員】市長は、2022年12月完成というスケジュールで木造化を急いでいますが、拙速な木造化は、市民との間で矛盾を広げています。その一つが、バリアフリー問題です。〝本物〟にこだわる河村市長のもとで、昨年秋、名古屋市が復元天守にエレベーターを設置しない方針を示したことにたいして、障害者のみなさんなどから「車いす利用者が上がれなくなる」と反発の声が上がりました。名古屋市は、階段にチェアリフトを設置することも検討していますが、天守閣の最上階は13階建のビルに相当する高さであり、リフトで最上階まで上がるのには20分から30分かかる。しかも、リフトを付けると階段は、上りか下りか一方通行にしなければならない。多くの人が来れば大渋滞です。
 市長はかつてこの議場で、私の質問に対して、「名市大の学生に背負子で背負って上がってもらったらどうか」と答弁されたことがあります。
 市長、復元天守のバリアフリー問題の解決で、妙案が出てきましたか。いまでも背負子でおんぶしてもらうというお考えですか。

いろいろ考えている(市長)
【市長】バリアフリーの問題について、現状でもエレベーターでは5階までしかあがれない、展望台は7階にあり、1階から6階までは展望用の窓はありません。車いすそのものをロボット的に階段を上がれるように改良できないかと、具体的に話をしています。火事などの事故の時はエレベーターは止まってしまうので、これを機会に新たな車いすが開発されれば、車いすの人にとって大変な光明になる。もう一つ、手で上げるというのも意外と悪くなくて、補助具をつけ、一と月か二か月に一回、ハートフルディというかバリアフリーディを作って、その日は健常者は遠慮していただいて、車いすだけでなく、年取って上がれん方や、小さい子とか、目が不自由なかたとかが150人とか200人おって、最大斜度が45度で1段が20センチでもスロープ化することができますので、みんなで支えて、ウインチで引っ張りながら、うえでも支えて、補助具を使って上がっていってもらうと、今よりもっとたくさんの人に天守閣に上がっていってもらえる、とい方向で進んでいったらどうか。まだこれだという風になっとりませんが、両方ともじゃあ考えときましょうという風になっとりまして、今回でも予算が計上されている。

バリアフリー問題の解決方向が示されないままでは実施設計に入れないのではないか
【田口議員】木造復元については現在、基本設計が行われており、来年度の予算案には実施設計費が計上されています。今年1月に行われた市民説明会で、参加者の質問にたいして市当局は、「基本設計では、エレベーターのありなしの複数案をまとめる」と答えられたようです。
 観光文化交流局長にお尋ねします。基本設計は、エレベーターのありなしの複数案になるのですか。バリアフリー問題は、基本設計の段階では先送りしてもよいほど瑣末な問題なのですか。基本設計でバリアフリー問題の解決方向が示されないままでは、実施設計に入れないと考えますが、いかがですか。

実施設計を進めながら詳細を確定したい(局長)
【観光局長】天守だけではなく名古屋城全体へのアクセスを含めて、バリアフリーについて庁内で課長級3回、局長級2回、計5回の会議を開催し検討を重ねている。
 原則として実施設計は基本設計から引き続いて行うものであり、今後、速やかに実施設計を進め木造復元の詳細を確定していきたい。
 バリアフリーなど新たに付加する機能は、基本設計において様々な可能性について検討してきたので、それを踏まえバリアフリーの基本方針を決定するとともに、実施設計を進めながら詳細を確定していきたい。

天守閣のバリアフリーは検討するが、エレベーターは設置しないのか(再質問)
【田口議員】復元天守のバリアフリー問題で、市長にもお尋ねします。市長は、先の本会議の所信表明で、「ナゴヤの象徴を本来の忠実な姿に戻したい」「木造本物復元整備がいよいよ本格化」すると述べられました。天守閣にエレベーターを付けたら本来の姿に戻りません。本物の天守閣にはエレベーターは付いていませんでした。市長は先ほどの答弁で、「エレベーターは5階までしかあがれない」「ハートフルディを設ける」とか「車いすで階段を上がれる新技術を開発する」とか、おっしゃいました。
 ということは、バリアフリーについては検討するけれども、エレベーターは設置しない、というのが市長のお考えだということでいいですか。

新しい技術や補助器具を使うことのほうがたくさんの人が上がれます(市長)
【市長】いまそういうやり方を考えておりまして、新しい技術や補助器具を使うことのほうがたくさんの人が上がれますよ。受け手のほうも努力しましょうとなっとりますのでそういう方法でようけの人が、車いすの人、年くって上がれん人、子どもさん、目の悪い人とか、そういう人も上がれるようにという最大限の努力をするということです。

復元天守にエレベーターを付けたら、公約を裏切ることになるのでは(再再質問)
【田口議員】市長は、2月27日の記者会見で、復元天守のバリアフリー問題について、記者の質問に答えて、次のように述べておられます。「木造本物復元は市長選の公約だから、裏切ることはできない」、「全く本物でないなら、やめた方がええ」とまで言っておられます。
 市長にお尋ねします。復元天守にエレベーターを付けたら、公約を裏切ることになりはしませんか。

新しい時代の技術でチャレンジしていく(市長)
【市長】状況にもよりますけど、市長選では、私は本物で木造を早く作ると、相手はポスターにストップ木造化と書いとりましたので、木造化というのは木で作ればいいというのではありませんので、昔の設計図の基づいた400年前に徳川家康が上がったそういうものに、戦争の悲劇を乗り越えて作っていくと。しかし新しい時代の技術というのはものすごいですから、努力しようといっていますので、そちらのほうでチャレンジしていくと。

バリアフリー問題一つとっても容易に解決できない天守閣木造化は、拙速に進めるのでなく、いったん立ち止まり、現天守閣の耐震化も含めて再検討を(意見)
【田口議員】市長は、エレベーターの設置もありうるとは答弁されませんでした。復元天守にはエレベーターを設置したくないというのが、市長の本心だと思います。しかし、障害者のみなさんなどからはエレベーター設置を強く要望されています。エレベーター設置という方針を示さなければ、障害者のみなさんなどの理解は得られない。しかし、市長にとっては、公約を裏切ることになってしまうでしょう。バリアフリー問題が深刻な矛盾をきたしています。
 バリアフリーの基本方針を決めるのは、局は3月が目標と言っている。基本方針の中でバリアフリーのあり・無しも決めたいということのようです。そうしますともう時間がありません。バリアフリー問題一つとっても容易に解決できない天守閣木造化は、拙速に進めるのでなく、いったん立ち止まり、現天守閣の耐震化も含めて再検討されるよう求めます。

市民税減税の見直しについて

「地域経済の活性化」や寄付の広がりが果たされなかったからでは
【田口議員】法人市民税については、2019年度から5%減税を廃止する条例改正案が提案されています。わが党は、富裕層や大企業に手厚い一律減税はやめて、税収を確保し、福祉や教育、低所得者支援などの拡充に振り向けることを求めてきましたので、法人に限ってではありますが、減税の廃止は評価したいと思います。
 そのうえで市長に2点伺います。1点目は廃止する理由についてです。
 市長は、「本市が先導した減税に国が追随して、法人税率が引き下げられたから」と言います。国の法人税率の引き下げで恩恵を受けているのは、もっぱら大企業です。大企業の内部留保は増え続けていますが、その多くは設備投資などに生かされず、「余剰資金」となっています。法人税率の引き下げは、大企業の「カネ余り」状態をいっそう促進するものにほかなりません。
 市長、法人市民税の減税を廃止せざるをえなくなったのは、減税の効果がなかったからではありませんか。昨年11月に公表された『市民税5%減税検証報告書』では、法人に対するアンケート結果を踏まえて、「新たな投資や雇用の拡大に対するインセンティブとしては、十分機能しているとは言えない」と指摘されています。減税分を寄付したと答えた法人も0.5%しかありません。
 「地域経済の活性化」という市民税減税の目的が果たされず、市長が期待した寄付も広がらなかったことが、法人市民税の減税を廃止する真の理由ではありませんか。

名古屋市の減税が先導して、市の80倍の減税を国が行った(市長)
【市長】国が実効税率で10%減税した、名古屋市の減税より80倍ほどの減税を国が行った。名古屋市の減税がどえりゃあ貢献した。ということなので組み替えて行こうというのが趣旨です。

巨額の内部留保を抱えている大企業にまで、寄附促進特例税制で税金を還付する必要はない
【田口議員】減税廃止にともなう増収分は約34億円。このうち半分は、「子どもと親の総合支援」などの重点政策の推進に使い、あと半分は、企業が名古屋市などに寄付した場合に、2年間の時限措置ですが、法人市民税を減免する企業寄附促進特例税制を創設するとされています。
 子どもと親の総合支援では、先ほど提案した小学校給食費の無償化などの実施のために活用することを検討していただきたいと思いますが、問題は、企業寄附促進特例税制です。
 昨年度、法人市民税の納税額が最も多かった企業の納税額は約27億8千万円だそうです。この企業が、仮に名古屋市に1億円寄付したとすると、現行の税制でも損金算入によって3060万円軽減され、新たに創設する寄附促進特例税制で69%に相当する6900万円が還付されますので、寄付した1億円がほぼ全額軽減されます。
 市長、巨額の内部留保を抱えている大企業にまで、寄附促進特例税制で税金を還付する必要はないのではありませんか。お答えください。

補助金より寄付のほうがいい(市長)
【市長】補助金より寄付のほうがいいんです。やってくれんでいかんが。決まったところでないところにも暖かい手が行く。補助金だと決まったところにしか行かないし、ちょっとやりますと天下りが行ったりしますんで。子と親支援に、ということですが、いろいろと考えております。給食の話が出たがそういうところには使おうとは思いません。

南京市との友好交流について

南京市友好都市提携40周年記念事業の実施に向けた提案
【田口議員】本年12月21日に南京市との友好都市提携40周年を迎えます。予算案には、これを記念して、南京市への公式代表団の派遣など南京市と本市における記念事業を実施する経費が計上されています。
 5年前の35周年の年には、南京市への公式代表団の派遣はできませんでした。それは、2012年2月、河村市長が南京市の代表団から表敬訪問を受けた際に、「いわゆる南京事件というのはなかったのではないか」と発言したことが発端となって、南京市は名古屋市との公の交流を一時停止したからであります。交流再開の条件として南京市は、河村市長のこの発言の撤回と謝罪を求めたと聞いています。
そこで、観光文化交流局長にお尋ねします。40周年記念事業の実施、とりわけ南京市への公式代表団の派遣ができる見通しはあるのですか。南京市は名古屋市との交流再開の条件として、今でも河村市長の発言の撤回と謝罪を求めているのですか。

現在も変わっていない(局長)
【観光局長】市長の発言を受け、平成24年に公の交流が一時停止され、発言の撤回と謝罪を求められた。交流の再開に向けて、その状況は現在も変わっていない。

平和堂内の千手観音の南京への返還を
【田口議員】名古屋市と南京市は、かつての日中戦争の時代に市民レベルの交流が行われた歴史があります。1941年、南京の古刹・毘盧寺(びるじ)の本尊だった千手観音は、先に名古屋市民から贈られた十一面観音の答礼として贈られました。その千手観音が、平和公園の平和堂の中にひっそりと納められています。 お彼岸など限られた期間に公開される千手観音を、私も拝観したことがあります。清代末期の創建といわれる約4メートルの木像で、全体が金色に仕立て上げられています。その隣には、名古屋から南京に贈られた、高さが約10メートルあったとされる十一面観音のミニチュアも置かれています。
 平和堂の千手観音については、この議場で、わが党の故阪本貞一議員と自民党の桜井治幸元議員が質問されています。名古屋市は、千手観音は美術品、記念品として扱い、管理はしているけれども、所有者は不明確だと答弁しています。 4年前になりますが、私は、「名古屋と南京 二つの観音像の悲劇」と題した市民の集いに参加する機会があり、そこで、市民団体の方から、文化大革命で破壊された毘盧寺の再建が進み、毘盧寺では千手観音の写真パネルが信者の信仰を集めていることを聞きました。この集いでは、名古屋と南京の交流を進めるものとして、「千手観音を南京の毘盧寺に返してあげたい」という声が上がっていました。
 そこで、緑政土木局長にお尋ねします。平和堂内にある千手観音を南京市の毘盧寺に返還することを検討されてはどうですか。
答弁を求めて、第1回目の質問を終わります。

 

様々な意見があり、慎重に取り扱っていく必要がある(局長)
【緑政土木局長】現在、平和堂内にある千手観音像は、昭和16年、千種区唐山にあった東山十一両観音像を南京市に贈った答礼として、南京市長から全日本仏教徒に贈られたもので、当時、名古塵市仏教会長であった名古屋市長が代表して受領しました。
 当初、東別院に仮安置された後、日泰寺、相応寺、そして建中寺に安置され、昭和39年に完成した平和堂内に、恒久平和と国際親善の願いを込めて納められました。所有者は不明確のまま、現在まで名古屋市が美術品、記念品として保管しています。これまでも、市会のご意見を踏まえ、平和堂の一般公開の回数を順次拡大するはか、本市ホームページに情報を掲載するなど公開日程の周知に努めています。また平成29年度、平和堂の耐震補強工事を実施したところです。
 千手観音像については、これまでも様々な意見があり、南京市に返還することは慎重に取り扱っていく必要があると考えています。

市長の発言は名古屋市の公式見解ではないことを伝えよ(再質問)
【田口議員】南京市との友好都市提携40周年記念事業の実施について再質問します。
 南京市との公の交流の再開については、市長の発言の撤回と謝罪を求める状況が変わっていないとの答弁でした。市長は、撤回や謝罪をする気はないと、かつてこの議場でもかつて答弁されていますので、交流再開の見通しが立たない状況にあると思います。
こうした状況の下で、どのような方向で努力すれば交流再開の道が開けるのか。一つの提案を行いたいと思います。
 南京事件に関する政府の見解は、「日本軍の南京入城後、多くの非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できないと考えている」というものです。河村市長は、2012年2月定例会で山口清明議員の質問に答えて、政府見解は「私の言っていることとほとんど同じ」と述べておられます。あわせて、「名古屋市の中で南京事件について公式に議論したことはない」と答弁し、自らの発言が名古屋市の公式見解ではないことも認めておられます。
このことを踏まえて、市長の発言は名古屋市の公式見解ではないことを南京市側に伝えたらどうでしょうか。
35周年のときにも私は、委員会の審議でこのことを提案しました。当時の市長室長は、メールや電話では伝えているが、南京市の事務方と直接会って話ができる状況にないと答弁されていました。
 そこで、名古屋市のしかるべき立場の方、広沢副市長から、市長の発言は名古屋市の公式見解ではないことを南京市側に伝えて、理解を得る努力をされたらどうでしょうか。広沢副市長の答弁を求めます。

南京事件に関する公式見解は、当時も今もない(副市長)
【副市長】市には南京事件に関する公式見解は、当時も今もございません。このことを私からも南京市にお伝えし、理解を求めるよう努めてまいります。

南京市への公式代表団の派遣ができなければ市長の責任が問われる(意見)
【田口議員】わが会派は、市長の南京事件発言の撤回を求めていますが、今回はあえて、市長とのその議論は差し控えます。それは、市長が発言を撤回されない中でも、40周年記念事業が実施できるよう、南京市との交流再開の糸口を見出したいと考えたからです。
 「名古屋市には南京事件に関する公式見解は、当時も今もない」ということは、市長の発言は名古屋市の公式見解ではないということなんです。少なくともそれぐらいのことは南京市に伝えないと、話は一歩も進まないと思います。
 予算案が議決されれば、市長はその執行に責任を負うことになります。南京市への公式代表団の派遣ができなければ、市長はその責任も問われでしょう。市長には、行政の長としての熟慮を求めたいと思います。

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