後期高齢者医療広域連合議会 8月定例会④一般質問 伊藤建治議員(春日井市)2017年8月16日)

所得未申告者への保険料軽減/基準収入額適用申請/葬祭費の無支給の根絶
             伊藤建治議員(春日井市議)

1 所得未申告者に対する保険料軽減の取り扱い

所得未申告で満額の均等割を賦課される人は何人か
【伊藤議員】遺族年金、障がい年金の受給者は、それらの年金はもともと非課税のため所得の申告をしていない方が多くいます。後期高齢者医療の保険料の算定では未申告の方は所得不明と取り扱われ、均等割が満額算定されます。これを回避し、所得に応じた保険料軽減を受けるには所得がないことを申告する、簡易申告書を提出する必要があります。この申告手続きが、きちんと周知され、該当する方が適正に申告できているのかについて質問します。
 まず、所得未申告によって、所得不明とされ、満額の均等割を賦課されている人は何人ですか。

 保険料が軽減される可能性がある被保険者数は2,408人
【管理課長】所得未申告者のうち、他の世帯員の所得により満額の均等割額を賦課されることが確定している者を除く、保険料が軽減される可能性がある被保険者数は現在2,408人です。

所得未申告の方に簡易申告の提出の働きかけを
【伊藤議員】所得未申告の方に簡易申告の提出を促す働きかけ、申請勧奨をすべきです。
 
対象者に所得の簡易申告書を作成し、市町村に送付し対象者に連絡を取る
【管理課長】未申告者に対する所得申告の勧奨は、国民健康保険で同様の勧奨を行っている市町村に実施をお願いしています。具体的には、保険料軽減の可能性の有無に関わらず所得が未申告である対象者について、広域連合で所得の簡易申告書を作成し、市町村に送付します。市町村は簡易申告書を基に対象者に連絡を取り、対象者から回答があった場合、所得の簡易申告情報を広域連合に送信します。広域連合は送信された所得情報を基に保険料の軽減判定を行います。

市町村での申請勧奨の実施状況は
【伊藤議員】申請勧奨の事務は各市町村に委ねられると思いますので、各市町村ですでに実施されている現状について答弁を願います。

未申告者数1万1,260人の簡易申告書を作成し、現在は2,531人に
【管理課長】平成29年度の簡易申告の実施状況について、市町村で確認した未申告者数1万1,260人のうち、現在も未申告である人数は、保険料が軽減される可能性がある2,408人を含む、2,531人です(他の世帯員の所得により満額の均等割額を賦課されることが確定している者を含む)。

年金機構に照会をかけ、自動的に適用することも可能ではないか(再質問)
【伊藤議員】申請勧奨の必要な措置は取られていると受け止めました。しかし、所得未申告者のうち、保険料が軽減される可能性がある被保険者数は現在2,408人とのこと。少なくない人数です。
 不動産所得や給与所得があれば確定申告の義務が生じるので未申告の可能性は少ない。未申告者の大多数が遺族年金などの非課税所得の方ではないかと思います。国民年金加入者は年金機構から情報が送付され、収入の把握をし、収入に応じた保険料軽減が適用されていると聞きます。未申告者についても、年金機構に照会をかければ、自動に適用することも可能ではないか。

年金以外に一時所得や雑所得などがあり得るため、自動適用はできない
【管理課長】非課税年金の支払元については年金機構のほか、共済組合がございますが、これらに非課税年金の受給の有無について確認をしたとしても、未申告である方が非課税年金以外に、確定申告が不要である少額の一時所得や雑所得など、他の所得を有することが少ないながらもあり得るため、軽減を自動的に適用することはできません。

積極的な申請勧奨を(意見)
【伊藤議員】所得未申告者のうち、保険料が軽減される可能性がある被保険者というのは必要以上に保険料を支払っている可能性がある人。平成29年度においては2,408人いると言う事です。仮に本来は9割軽減の対象となる人であれば、賦課されるべき均等割額の10倍の額を支払っていることになります。
 保険料軽減の自動適用が難しいことは理解しましたが、このままでいいとも思えませんので、引き続きの積極的な申請勧奨を期待します。

2 基準収入額適用申請について

基準収入額適用の該当者と思われる方への申請勧奨の実施状況は
【伊藤議員】後期高齢者医療の医療費の窓口負担や高額療養費の負担額は、所得によって区分て、現時点で「現役並み、一般、住民税非課税、住民税非課税で所得が一定以下」の4段階です。前年中の課税所得額が145万円以上の方は、現役並み所得者と区分され、医療費の窓口負担は3割になる。高額療養費の上限額も個人の外来のみの限度額では、「負担区分:一般」の方の4倍以上となります。
 これらの方のうち、「被保険者単身世帯の場合、前年中の収入が383万円未満」や「被保険者複数世帯の場合、前年中の収入の合計が520万円未満」などに該当する場合、「基準収入額適用申請」を行えば、「負担区分:一般」の方の医療費の窓口負担割合や高額療養費の上限が適用されます。
 つまり、「基準収入額適用申請」を行わないと、所得145万円以上の方は現役並みの負担区分になるという事です。所得145万円は収入でおよそ300万円前後。この300万円前後から383万円の方は、「基準収入額適用申請」をしないと医療費の負担が大きくなるのです。
  春日井市は、基準収入額適用の該当者には申請書類を送付し、記入して送り返していただければOKという申請勧奨を実施していますが、この様な対応が他の市町村でも実施されているかどうか伺います。

全市町村で該当と思われる方へ勧奨を実施している
【管理課長】基準収入額適用申請勧奨は、広域連合において、市町村から送信された収入及び所得の情報を基に申請勧奨対象者リスト等を作成、市町村へ送付し、これを参考にしていただきながら、54市町村全てで該当と思われる方へ勧奨を実施している。
 
基準収入額適用申請をしないまま、現役並み所得者になっている数は
【伊藤議員】申請勧奨対象者で、基準収入額適用申請をしないまま、現役並み所得者と取り扱われている方の人数を伺います。

申請勧奨対象者すべてが基準収入額適用認定を受けられるわけではなく、把握できない
【管理課長】申請勧奨対象者は、市町村から送信された所得(市町村民税の課税対象所得)、給与収入、課税対象となる年金収入の情報を基に該当する可能性がある方を抽出しています。不動産収入など、広域連合で把握していない収入金額がある場合に基準収入額を超える方も含まれており、申請勧奨対象者すべてが基準収入額適用認定を受けられる方ではないため、申請をしないまま、現役並み所得者として取り扱われている人数は把握できません。
 申請の手続きなしに対象者を「一般所得」にする気はないか
【伊藤議員】申請の手続きなしに、申請勧奨対象者を「負担区分:一般」すなわち「一割負担のうち市町村民税が課税されている世帯の方」として取り扱う考えはありませんか。

一律に基準収入額適用認定を行うことはできない
【管理課長】申請勧奨対象者すべてが基準収入額適用認定を受けられる方とならないことから、一律に申請勧奨対象者に対して基準収入額適用認定を行うことはできません。

申請勧奨対象者リストから自治体が抽出作業を行い、申請なしに認定を(再質問)
【伊藤議員】春日井市は、「基準収入額適用認定を受けられる方」に書類を送付して申請勧奨をしています。所得データから「基準収入額適用認定を受けられる方」を抽出し、広域連合が作成する「申請勧奨対象者リスト」からさらに対象者の絞り込みを行っています。すべての自治体が、この抽出作業をして申請勧奨を実施しているのであれば、申請漏れとなっている方の人数の把握も可能です。今ほどの答弁は、「自治体によって申請勧奨の中身が異なる」と受け止めたのですがいかがでしょうか。

申請勧奨対象者リストの活用方法は自治体によって違う
【管理課長】市町村によっては、広域連合が作成した申請勧奨対象者リストどおり申請勧奨をするところもあれば、広域連合では把握していない収入情報を確認したうえで、独自に対象者を絞り込み、申請勧奨をしている市町村もある。

抽出作業は技術的にできないことなのか
【伊藤議員】すべての自治体で、春日井市がやっているように「申請勧奨対象者リスト」からさらに「基準収入額適用認定を受けられる方」を抽出する作業を行えば、申請なしに一律的に基準収入額適用を認定することが技術的にはできるのではないか。

絞り込みは可能だが、すべての収入を把握していないので一律に適用認定をすることは不可能
【管理課長】市町村は、広域連合が把握していない収入情報を持っているため、対象者をさらに絞り込むことは可能ですが、市町村においてもすべての収入の情報を把握しているわけではないので、基準収入額適用認定を受けられる方のみを抽出することはできず、一律に基準収入額適用認定をすることは技術的に不可能です。

よりきめ細やかな申請勧奨の方法を検討せよ(意見)
【伊藤議員】窓口負担や保険料負担について、本来であれば収入や所得によって一律的に取り扱うべきものが、ある一定の所得・収入の方については、申請すれば安くなり、しなければ高くなるという、不確定要素があること自体に矛盾があると感じています。広域連合が作成した申請勧奨対象者リストの活用方法について一律的な対応の確立は必要かと思いました。
 「市町村においてもすべての収入の情報を把握しているわけではない」との答弁もありましたが、市町村では、より詳細な所得データを持っていますので、そこからさらに絞り込むことは可能です。実際に、春日井市はやっています。よりきめ細やかな申請勧奨の方法について、引き続き検討頂きたいという事は、申し上げておきます。

3 葬祭費の支給(申請)状況について

自治体ごとの支給実績と自治体ごとの状況を
【伊藤議員】葬祭費は被保険者がなくなって葬儀を行った方に5万円を支給するもので、ほとんどの方が支給要件を満たすものと思われます。しかし、未申請のまま未支給になっている事例が毎年あります。支給状況や自治体ごとの支給率について伺います。

平成28年度は47,415件、95.72%。27年度から0.04ポイント改善。100%は4町村、名古屋など5市が95%以下
【給付課長】2016年度は、愛知県全体で47,415件の支給を行い、未申請は2,120件、支給率は95.72%。2015年度は、愛知県全体で44,995件の支給を行い、未申請は2,032件、支給率は95.68%でした。支給率は0.04ポイント向上しています。
 自治体ごとの支給率は、4町村が100%で、49市町村が95%以上の一方で、名古屋市、豊橋市、蒲郡市、稲沢市、新城市の5市が95%を下回っています。
葬祭を行わず、葬祭費の支給対象とならない場合もあり、支給率は必ずしも100%になるものではない。

申請勧奨を行う約束だったがどうなったのか
【伊藤議員】昨年8月の議会の答弁では「2015年度に低い支給率となった豊橋市、名古屋市、新城市、東海市については、死亡による手続き時における窓口での案内のみで、申請勧奨は行っていないとの報告を受けている」とのことで「市町村において、この葬祭費未支給者一覧表を活用し、申請勧奨を行っていただくよう働きかける。」との答弁がありましたが、働きかけの状況と各自治体における対応について伺います。
 
市町村担当課長会議で申請勧奨の実施を働きかけ、東海市は実施した
【給付課長】議会での質疑状況を市町村担当課長会議で知らせ、葬祭費未支給者一覧表を活用し、申請勧奨を行っていただくよう働きかけた。
 各市町村の対応は、2015年度に葬祭費の支給率が95%を下回っていた4市のうち、東海市は2016年度から申請勧奨を行い、支給率が95%以上となった。
 豊橋市は申請勧奨を開始していないが、2016年度から窓口での案内時に渡す案内文の記載の改善などで周知に努め、支給率が1ポイント近く向上した。
 
まだ実施していない自治体に対して引き続き働きかけを(意見)
【伊藤議員】全体の支給率は大きく改善したとは言えませんが、昨年答弁した対応についてはしっかりとやっていただいたと受け止めました。申請勧奨をスタートした東海市では、明確に支給率が向上したことから、申請勧奨が有効であることは間違いありません。まだ実施していない自治体に対しては、引き続き働きかけをお願いします。